ミランの新エース、ピョンテクの得点力を支える能力について
もはやその勢いは止まる所を知らず、更なる記録更新に期待がかかります。
決して多くの得点チャンスを与えられているわけではない現状において、なぜこれほど多くの得点を彼は挙げることができるのでしょうか?
今回は彼のゴールシーンから、その理由を探っていきたいと思います(※今回引用する画像元は、いずれもYoutube『SerieA』の提供するダイジェスト映像より)
最初は、ローマ戦で決めたゴールについて。
①

サイドでパケタ(黄)がボールを奪いにかかる一方で、エリア内にいるピョンテク(赤)は自身のマーカーの位置を確認(白矢印)しつつ、エリア中央へと移動します。
②

パケタがボール奪取に成功。その際にピョンテクはマーカーのファシオ(20番)の真横にポジショニング。
ファシオはこの状況でボール(パケタ)とピョンテクを同時に視野に収めることができません。
③

パケタからのクロスに対し、ファシオの前へと飛び込むピョンテク。
ファシオの意識はボールに向いているため、横(背後)から来たピョンテクの動き出しに対処し切れず。
④

ファシオに競り勝ち、クロスボールをダイレクトで合わせてゴールネットを揺らしました。
上記の一連の場面の映像はコチラになります。
MS| Roma 1-1 Milan
— PlayMaker Dergi (@PlayMakerDergi) 2019年2月3日
⚽️26' Piatek
⚽️46' Zaniolo pic.twitter.com/dqLkuzGxgQ
〇VSアタランタ
①

リカロド(緑)がアーリークロスを放つ場面。この時点でピョンテクは対面のDFの背後に位置しています。
②

クロス直後にピョンテクは相手の前へと入り込み、完璧なダイレクトシュートでネットを揺らしました。
上記の一連の場面の映像はコチラです。
WHAT A GOAL BY PIATEK!!! INCREDIBLE!! pic.twitter.com/f88x7DJZA7
— TheMilanBible (@TheMilanBible) 2019年2月16日
これを見ると、実は中央へと飛び込む前に一端ファーサイドに流れるフリをしてマーカーを外に引っ張っているんですよね。
ずば抜けたシュートテクニックの高さばかりに注目が集まりますが、彼のDFとの駆け引きの巧みさも知れる素晴らしい得点でした。
〇VSエンポリ
①

敵陣でボールを奪ったカスティジェホがサイドのケシエに展開した場面。
この時点ではピョンテクはマーカーの前方(つまりマーカーにとってボールとピョンテクを同時に視野に収められる場所)に位置しています。
②

ケシエが裏に抜け出したチャルハノール(黄)へとパス。
ここでピョンテクはマーカーの背後へと移動を開始します。
マーカーも振り切られまいと牽制しますが彼のフィジカルを前に止めきれません。
③

チャルハノールが中央へグラウンダーのクロスを上げる場面ですが、この時点でピョンテクはマーカーの背後への移動を完了。
④

こうしてクロスボールを冷静にゴールへと流し込みました。
上記の一連の場面の映像がコチラ。
Bramka Krzysztofa Piątka w meczu z Empoli
— ACMilan24.com (@ACMilan24com) 2019年2月22日
Źródło: @TVACM #ACMilan #Piątek #MilanEmpoli #włoskarobota pic.twitter.com/PNHYyIGPtX
まとめ
以上3つのゴールシーンを振り返りました。
マークを外すための積極的な動き出し、それを可能にするポジショニングセンスとスピードとフィジカル、そしてシュートのテクニックと精度の高さ…。
ストライカーとして必要なあらゆる能力を高水準で備えているからこそ、彼はどんな状況でもゴールを決め続けることができるのでしょうね。
現在のミランは(ロング)カウンターの精度に課題を抱えており、また戦術の関係上ピョンテクを前線に1人孤立させている状況も少なくありません。
これらの点が改善され、ピョンテクにより多くの得点チャンスを提供できるようになれば更なる活躍を見せてくれることは必定ですし、チームとしてまた1つ上のレベルへと到達できると思います。
そして彼ならば、歴代最高クラスのストライカーであるクリスティアーノ・ロナウドをも上回って得点王を獲ることも決して不可能ではないはずです。
ミランの選手としてはイブラヒモビッチ以来となるこの個人タイトルを是非とも目指してほしいと思います。
今季はリーグ4位以上、コッパ・イタリア優勝、ピョンテク得点王の3冠を獲りましょう!(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました。