ボナベントゥーラ復帰後のシステムについて~4-3-1-2の可能性~
数日後にアタランタとの1戦を控えるミラン。
アタランタと言えば、ケシエ、コンティを始め今のミランには元アタランタの選手が多数在籍しています。
その中の1人がジャコモ・ボナヴェントゥーラです。
現在膝の負傷で長期離脱中。今シーズン中の復帰はおろか来シーズンの開幕にも間に合わない可能性が噂される彼ですが、復帰を果たせばチームの大きな戦力になることは間違いないでしょう。
今回は、ボナベンが復帰し、今のチームに組み込む場合のミランの最適と思われるシステムについて考えていきたいと思います。
なお、考える上での前提として…
・特に言及のない限りは、前線と最終ラインはいつもの(スソ、ピョンテク、チャルハノール、カラブリア、ムサッキオ、ロマニョーリ、リカロド)メンバー
・ボナベントゥーラのコンディションが戻っている
・復帰は来シーズン以降のため補強・放出でメンバーはほぼ間違いなく入れ替わっているでしょうが、今季のメンバーを基準に考えます

今季序盤、彼とビリアが離脱するまでは不動であった構成。
8試合で3ゴール1アシストという数字からも分かる通り、このシステムでのボナベンはかなり活き活きとしていました。
1トップのため飛び出すスペースがありますし、しかも当時は下がってくるプレーを好みペナルティエリア内への侵入が消極的だったイグアインがそこを務めていたこともあり、ボナベンが積極的に前線・ペナルティエリア内へと飛び出すことができましたね。
ポゼッションサッカーに極度に拘っていた当時ですら比較的機能していましたから、この構成で裏抜け主体の縦に速いサッカーをすればかなり強力でしょうね。
②ボナベントゥーラ、バカヨコ、ビリア(4-3-3)

そして、今ならばビリアを一列上げてバカヨコアンカーでも十分に機能すると思います(志向する戦術はもちろん①と同じ)。
今の1トップはエリア内での積極的な駆け引きに特長のあるピョンテクですし、ボナベン・ピョンテクの2人と片方のウィンガーがエリア内でクロスのターゲットとなり、ビリアがそのこぼれ球対策も兼ねてバイタルエリアに構えるという形は中々良いのではないでしょうか(ビリアは強烈なミドルを持っていますし)。
③バカヨコ、ビリア、ボナベントゥーラ、チャルハノール(4-3-1-2)

4-3-1-2をこよなく愛する僕が個人的に1番見てみたいシステムがコチラです。
ポゼッション時は主に左サイドでボナベン、チャルハノール、パケタが流動的に動いて相手守備陣を打ち崩します。
チャルハノールはライン間でボールを引き出すのが上手く、前線には原則2つのパスコース(パケタ、ピョンテク)があるため得意のパスも活きるでしょう。
ボナベンはドリブルでボールを運べますし、サイドに流れてクロスを上げることも(彼は地味にクロスも上手い)パケタが空けたエリア内に飛び出すこともできるのでかなり適任。
パケタはサイドにも流れられるし下がってボールを受けることもでき、かつフリーランの質も高そうなので上記2人のポジションを見た上で気の利いた動きをすることができるでしょう。もちろんFWとしてアシストや得点も期待できます(ただし2トップの1角としてのプレーを未だ見ていないのでやや未知数ですが)。
ピョンテクはスピードを活かした裏抜けと、フィニッシャーとしての仕事がメイン。
そもそも4-3-1-2が機能しないチームの大半は攻撃に流動性が全くなく、中央から無理やり攻めてボールを奪われ、挙句に手薄なサイドをカウンターで破られて決定機を作られて……といったパターンに大いに苦しみます(バッカ・ルイスアドリアーノコンビ、バッカ・バロテッリコンビ時代のミランがその典型)。
その点、上記の中盤と前線の組み合わせなら流動性という面に関しては何の問題もありませんし、ビリアとバカヨコがバランスを取ってくれるのでカウンターケアという側面もクリアできるはずです。
守備に関しては、相手が戦力的に格下であればローラインで4-3ブロックを作り、ボール奪取からの素早いロングカウンターで粉砕できるはずです(守備と守→攻の切り替えがしっかりと組織されていれば)。
前線にテクニックと走力のあるパケタとチャルハノール、スピードと決定力のあるピョンテクがいますからね。
ただし相手が同格以上であれば、トップ下のチャルハノールが中盤に下がって4-4の守備ラインを作るなどの工夫が必要になりそうです(それでもピョンテク、パケタがいるのでカウンターはある程度機能するでしょう)。
さて。ここまで願望と想像を垂れ流してきましたが(笑)最後にこのシステムの問題点について考えます。
1つはチャルハノールです。ご存知の通り、今の彼はファイナルサードでのプレーにとてつもない課題を抱えており、今よりも更に決定的なプレーが求められるトップ下のポジションで機能するかという問題があります。
本来であれば十分機能すると思うんですけどね。この点に関しては本人のコンディション次第だと思います。
もう1つはパケタですね。先述したように2トップの一角としてのプレーを僕は観たことがないので、実際にどうなるかは未知数です。あのワンタッチパスのスキルやテクニック、運動量なら能力的に十分に可能だと思っているんですけどね。
パケタに代わるFWがいればトップ下で起用するのも面白いですね。
3つ目の問題として、このシステムだとスソの起用が不可能だという点です。
おそらくこれが最大の問題ですし、それゆえにこのシステムが実現することはないでしょうね…。
まとめ
以上、3つの構成を見てきましたが、一番実現可能性の低いシステムについての説明が記事の大半を占めてしまいました(笑)
まぁ最初の2つは無難なシステム(それ故に実現可能性も高い)ですからね。一見、突飛に思える3つ目のシステムについて僕の考える事を詳述させていただきました。
3バック時の構成も考えたりしたのですが流石に冗長かなと思ったので割愛します。
中盤の選択肢が増えてきた現状においても、ボナベントゥーラが今なお重要な戦力であることは変わらないでしょう。
1日でも早く怪我を治して欲しいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。