【セリエA23節】 ミラン対カリアリ 【マッチレポート】

〇カリアリの拙攻とミランの好守
プレビュー記事にてカリアリの不調ぶりについて言及しましたが、実際は想像以上でしたね…。
まず攻撃は前線に張るパヴォレッティへの雑なロングボールと、左サイドからの単調な放り込みクロスのみ。
ボランチのイオニタとバレッラが中央でほとんどゲームを組み立てることが出来ず(前方にほとんどパスコースがないので可哀そうでしたが)、サイドにボールを流すだけの非常に単調な攻撃に終始しました。

上図はこの試合におけるカリアリのヒートマップ(左攻め。WhoScoredより)ですが、これを見るとバイタルエリアでボールを持つことはほとんどできず、サイド(特に左)からの攻めに頼り切りであることがわかります。

こちらはミランのヒートマップ(右攻め。WhoScoredより)ですが、こうして見比べると違いは一目瞭然ですね。
カリアリの拙攻に関しては、ミランの守備戦術もその原因の1つでしょうね。ミランはここ最近やっている4-5-1のミドルブロックを継続し、プレスは控えめで引いて守る守備でした。つまりロングボールを放り込んでもその周囲にはミランの選手が多くいるので、セカンドボールを拾ってからの二次攻撃がまるで機能しませんでしたね。
ちなみに、この試合で2トップの一角に入ったパヴォレッティさんが空中戦に挑んだ回数は驚愕の14回(守備時を含めれば15回)でした。

両チーム合わせたランキングはこのようになっています(WhoScoredより)。さらに言うとパヴォレッティさんは空中戦勝利も7回と断トツの数字を誇っていました。チャンスにはほとんど繋がらなかったものの、彼の奮闘ぶりは素晴らしかったですね。
〇ミランの攻撃とカリアリの拙守
上記のカリアリの拙攻とミランの攻守により、継続的に良い形でボールを奪うことに成功したミランはカウンターを連発。ケシエが普段よりも活き活きとしていました(最後の精度はいつも通りでしたが。笑)
ポゼッション時もピッチを幅広く使いつつ、サイドチェンジを織り交ぜながら相手を押し込んでいく安定したものでした。前にも書きましたがパケタとチャルハノールの関係性が素晴らしく、このコンビなら流動的にスペースに動いて相手守備ブロックを崩してくれるのでポゼッションも機能しますね。
ただしこの点に関してはカリアリの守備も酷かったです。まずリトリート後のライン設定が低いように感じましたし、プレスも緩いのでミランとしては比較的自由にパスを回すことが出来ました。下がり目に位置するスソに対するマークも甘く、そこで起点を作られたのも大きかったですね。
そんな中12分、スソが得意のコースからシュート。一度はキーパーに弾かれるも、そのこぼれ球がDFに当たってオウンゴール。ミランが先制に成功しました。
更に22分、ドフリーのカラブリアが右からファーサイドへ完璧なクロスを送ると、走りこんできたパケタがダイレクトで合わせて追加点。正直この時点で勝手ながら勝利を確信しました(笑)
その後もピョンテクが決定機を迎えるなどしてカウンターから惜しいチャンスを作ったミラン。対するカリアリは徹底的に左サイドから攻め、SBのペッレグリーニと中央から流れてきたペドロが何とか頑張ってクロスを入れていきますが1つを除き決定機を作れず。
前半はミランの2-0リードで終了。
後半
後半は取りたてて書くことも少ない内容でしたのでサラッと流します(笑)
〇3試合連続ゴール
試合展開はほとんど変わらず。カリアリは相変わらず徹底的に左サイドから攻めていきましたし、ミランはカウンター主体でチャンスを作っていきました。
そして60分、遂にカリアリが左サイドをぶち破っていい形でクロスを供給し、中央のペドロに繋がりましたがシュートはバーに嫌われゴールならず。
すると62分、ゴール前でのゴタゴタから最後はピョンテクが決めてミランが決定的な3点目を奪い、実質試合終了。
ピョンテクはこれで3試合連続ゴール。少ないチャンスをものにできる彼の決定力の高さは本当に素晴らしいですね。
〇後半中盤~終盤の攻防
ミランはカラブリア、ピョンテクに代えてコンティ、クトローネを投入。
右サイドを中心に攻め、スソやチャルハノールが決定機を迎えますが決めきれず。
カリアリは終盤になってようやくブラダリッチを投入し、4-3-1-2に変更。すると途端にバランスが良くなりました(笑)
しかし一矢報いるには時間が足らず、試合はそのまま終了。
まとめ
ミランが3-0の大勝を収め、順位も4位に浮上しました。
ドンナルンマ様が相変わらずのハイパフォーマンスでクリーンシート達成に貢献してくれましたし、ピョンテクとパケタもゴールを決めるなど好調を維持してくれています。
相手のパフォーマンスの悪さにも大いに助けられた感はありますが、こうして素晴らしい結果を収められたのは今後に向け大きな自信に繋がるのではないでしょうか。
さて。次節の相手は好調アタランタです。
ミランとは勝ち点差わずかに「1」の5位につけるチームであり、彼らの強さはチームの総得点数がリーグNO1であるという事実が証明しています(50得点。ちなみにミランは32得点)。
とは言えCL権獲得のためには絶対に負けられない1戦であり、ミランの真後ろにはアタランタだけではなくローマとラツィオ(いずれもアタランタと同勝ち点)が迫っていることを踏まえれば、アウェーとは言え勝利が求められるでしょう。
厳しい戦いになることは必至ですが、ミランには何とかして勝利を収めて欲しいと思います。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。