【セリエA第17節】 ミラン対フィオレンティーナ 【マッチレポート】
スタメン


前半
〇ヴィオラのハイプレッシングとその弱点
アウェーのヴィオラでしたが、守備時には非常にアグレッシブなプレスをかけて主導権を握ろうとする意図が見えました。
2CBの片方に対しCFのシメオネ、両SBには両WGのミララスとキエーザ、そしてアンカーのマウリには主に右インサイドハーフのベナッシが上がってマークに付き、担当の相手がボールを持った瞬間にハイプレスをかけることでミランのビルドアップを阻害しようとしていたかなと。
しかし特に序盤はハイプレスの連動が上手くいかず、ミランに容易にプレッシャーを突破される場面も目立ちました。
その原因として、相手アンカー(マウリ)や時にCBのマークを担当したベナッシが空けた右サイドのスペースに対する管理ができておらず、そのスペースにいるミラン側左インサイドハーフのチャルハノールへのマークが甘かったことなどが挙げられるでしょう。

これは開始序盤のシーンですが、このシーンではマウリの下がる動きにヴェレトゥとフェルナンデスの2人が対応してしまったことで中盤に大きなスペースが空いてしまいました。
そこでドンナルンマがそのスペースに入ったチャルハノールへロングボールを出すことで容易にプレッシャーを躱し、敵陣へと侵入することができましたね。
〇ヴィオラのマンツーマンディフェンスとその効果
プレスを躱されリトリートした後のヴィオラも、非常にマンツーマンかつアグレッシブな守備の意識が高かったですね。
下がってボールを受けに来るイグアインに対してはほぼ必ずCBが付いてきましたし、下がったり中央に流れたりするWGのスソやカスティジェホに対しても対面のSBが担当スペースを放棄してまで食いついていくシーンが目立ちました。
データ(Whoscoredより)によれば、この試合におけるヴィオラのタックル数は「29」、インターセプト数は「10」。これはミランのタックル数「18」、インターセプト数「5」を大きく上回る数字であり、彼らの守備におけるアグレッシブさを裏付けるデータといえそうです。
しかし、その分守備ラインはかなり乱れがちでしたし、ミランとしてはその空いたスペースを突くことができればよかったのですが……。序盤のカラブリア・スソの良い連携プレーが見られて以降はそういうシーンはかなり少なかったと記憶しています。
ですから、相手のマンツーマンに近いアグレッシブな守備にかなり苦戦していた印象が強いです。特にカスティジェホは完全に沈黙していましたね…。
〇活かせないチャンス
チャンスシーンに目を移しますと、上記の通りヴィオラの守備にはやや緩いところがあったため何度かミランがチャンスを作り出します。
しかし、主にチャルハノールがそれらをふいにしてしまいゴールならず…。
チャルハノールは焦りや不調もあってか、フィニッシュの局面でミスを犯してしまうシーンが頻発しました…。今回は中央付近でプレーできたこともあってチャンスには多く絡めていただけに、普段以上に彼自身の問題点が浮き彫りになってしまった印象です。
よって前半はスコアレスで終了。
後半
〇システム変更の弊害
得点を奪えず痺れを切らしたミランは67分、マウリとカスティジェホに代えてクトローネとラクサールを投入し、システムを4-4-2へと変更します。
しかし、有り体にいってこれは大失敗でした。
まず1つ目の問題は中盤の守備力の低下です。アンカーのマウリを下げて2ボランチに変更、しかもその位置にカラブリア、チャルハノールを置くという超攻撃的もとい無謀な起用をしたことで、中盤で相手の攻撃を押し止めることが出来なくなりました。
そして2つ目の問題として、2トップの守備がほとんど機能していなかったことです。イグアイン、クトローネは2人とも自身の背後にいる相手アンカーへの意識が極めて希薄(いわゆるカバーシャドーが出来ていない)でしたし、そのためDFラインからアンカーへと容易にパスを出されていました。
このようにして守備が更に機能しなくなったために押し込まれてしまい、それによって攻撃にも支障をきたすというまさに悪循環を起こしてしまいました。
そして遂に73分、カラブリアを軽々と躱したキエーザがバイタルエリアから強烈なミドルシュートをネットに突き刺し、ヴィオラが先制に成功します…。
今のミランは一度渡してしまった流れを取り戻せるチームではありません。
その後は勝ち越しはおろか同点弾を奪うこともできずに試合終了。
まとめ
この敗戦によりミランはリーグ戦3試合連続ノーゴール、そして順位も5位に転落ということになりました…。
ガットゥーゾ・ミランから感じる限界についてはここ数日の記事で何度も書いているため割愛します。
さて。次節の相手はフロジノーネです。
19位に沈むチームではありますが、油断して勝てる相手でないことはここ最近のミランの試合内容を見れば明らかです。
ボローニャ戦のように守備を固められた場合、果たして今のミランが得点を奪うことはできるのでしょうか…?
内容にはあまり期待できませんが、ガットゥーゾ監督の進退が懸かった(と言われている)1戦ということもあり、結果には大注目ですね。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
〇ヴィオラのハイプレッシングとその弱点
アウェーのヴィオラでしたが、守備時には非常にアグレッシブなプレスをかけて主導権を握ろうとする意図が見えました。
2CBの片方に対しCFのシメオネ、両SBには両WGのミララスとキエーザ、そしてアンカーのマウリには主に右インサイドハーフのベナッシが上がってマークに付き、担当の相手がボールを持った瞬間にハイプレスをかけることでミランのビルドアップを阻害しようとしていたかなと。
しかし特に序盤はハイプレスの連動が上手くいかず、ミランに容易にプレッシャーを突破される場面も目立ちました。
その原因として、相手アンカー(マウリ)や時にCBのマークを担当したベナッシが空けた右サイドのスペースに対する管理ができておらず、そのスペースにいるミラン側左インサイドハーフのチャルハノールへのマークが甘かったことなどが挙げられるでしょう。

これは開始序盤のシーンですが、このシーンではマウリの下がる動きにヴェレトゥとフェルナンデスの2人が対応してしまったことで中盤に大きなスペースが空いてしまいました。
そこでドンナルンマがそのスペースに入ったチャルハノールへロングボールを出すことで容易にプレッシャーを躱し、敵陣へと侵入することができましたね。
〇ヴィオラのマンツーマンディフェンスとその効果
プレスを躱されリトリートした後のヴィオラも、非常にマンツーマンかつアグレッシブな守備の意識が高かったですね。
下がってボールを受けに来るイグアインに対してはほぼ必ずCBが付いてきましたし、下がったり中央に流れたりするWGのスソやカスティジェホに対しても対面のSBが担当スペースを放棄してまで食いついていくシーンが目立ちました。
データ(Whoscoredより)によれば、この試合におけるヴィオラのタックル数は「29」、インターセプト数は「10」。これはミランのタックル数「18」、インターセプト数「5」を大きく上回る数字であり、彼らの守備におけるアグレッシブさを裏付けるデータといえそうです。
しかし、その分守備ラインはかなり乱れがちでしたし、ミランとしてはその空いたスペースを突くことができればよかったのですが……。序盤のカラブリア・スソの良い連携プレーが見られて以降はそういうシーンはかなり少なかったと記憶しています。
ですから、相手のマンツーマンに近いアグレッシブな守備にかなり苦戦していた印象が強いです。特にカスティジェホは完全に沈黙していましたね…。
〇活かせないチャンス
チャンスシーンに目を移しますと、上記の通りヴィオラの守備にはやや緩いところがあったため何度かミランがチャンスを作り出します。
しかし、主にチャルハノールがそれらをふいにしてしまいゴールならず…。
チャルハノールは焦りや不調もあってか、フィニッシュの局面でミスを犯してしまうシーンが頻発しました…。今回は中央付近でプレーできたこともあってチャンスには多く絡めていただけに、普段以上に彼自身の問題点が浮き彫りになってしまった印象です。
よって前半はスコアレスで終了。
後半
〇システム変更の弊害
得点を奪えず痺れを切らしたミランは67分、マウリとカスティジェホに代えてクトローネとラクサールを投入し、システムを4-4-2へと変更します。
しかし、有り体にいってこれは大失敗でした。
まず1つ目の問題は中盤の守備力の低下です。アンカーのマウリを下げて2ボランチに変更、しかもその位置にカラブリア、チャルハノールを置くという超攻撃的もとい無謀な起用をしたことで、中盤で相手の攻撃を押し止めることが出来なくなりました。
そして2つ目の問題として、2トップの守備がほとんど機能していなかったことです。イグアイン、クトローネは2人とも自身の背後にいる相手アンカーへの意識が極めて希薄(いわゆるカバーシャドーが出来ていない)でしたし、そのためDFラインからアンカーへと容易にパスを出されていました。
このようにして守備が更に機能しなくなったために押し込まれてしまい、それによって攻撃にも支障をきたすというまさに悪循環を起こしてしまいました。
そして遂に73分、カラブリアを軽々と躱したキエーザがバイタルエリアから強烈なミドルシュートをネットに突き刺し、ヴィオラが先制に成功します…。
FT: AC Milan 0-1 Fiorentina (Federico Chiesa 73')
— Info Serie A Italia (@Info_SerieA) 2018年12月22日
(🎥@ESPN_FDJ)
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今のミランは一度渡してしまった流れを取り戻せるチームではありません。
その後は勝ち越しはおろか同点弾を奪うこともできずに試合終了。
まとめ
この敗戦によりミランはリーグ戦3試合連続ノーゴール、そして順位も5位に転落ということになりました…。
ガットゥーゾ・ミランから感じる限界についてはここ数日の記事で何度も書いているため割愛します。
さて。次節の相手はフロジノーネです。
19位に沈むチームではありますが、油断して勝てる相手でないことはここ最近のミランの試合内容を見れば明らかです。
ボローニャ戦のように守備を固められた場合、果たして今のミランが得点を奪うことはできるのでしょうか…?
内容にはあまり期待できませんが、ガットゥーゾ監督の進退が懸かった(と言われている)1戦ということもあり、結果には大注目ですね。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。