ガットゥーゾ・ミランの戦術的な特徴 【導入】

はじめに

 数カ月前に18-19シーズンがスタートし、ここまで12試合が行われたセリエA。
 シーズンの約3分の1を経て、各チームの長所も短所も浮き彫りになってきたかと思われます。

 そこでちょうど代表ウィークということもありますし、今回から4回に分けて、これまでのガットゥーゾ・ミランの戦術的評価を僕なりにしてみようかなと思います。

 【導入】と題した今回は、チームのこれまでの成績と採用したシステムを概観していこうと思います。

 次回はチームの攻撃・守備における基本的なプレー原則を振り返り【前編】、それ以降は攻撃・守備それぞれの局面について、実際に試合中にあった場面に触れながら具体的に分析していけたらと考えています【中編・後編】。

暫定成績(12節終了時点)

順位;5位(4位ラツィオとは勝ち点1差)
勝ち点;21(6勝3分3敗)
得点;21(リーグ6位)
失点;16(リーグ11位)




 個人的に、順位(対戦成績)に関してはさほど文句ありません。
 序盤に3試合連続の引き分けをやってしまったときはどうなるかと思いましたが、現時点では目標の4位との勝ち点差は1です。
 ナポリ、ローマ、インテルといった強豪との試合も既に消化していますしね。

 得点数に関しても、スソにあまりに依存している(4ゴール8アシスト)点は気になりますがまずまずの出来かなと(あくまで得点「数」に関しての感想です。攻撃の内容については今後話すようにあまり納得していません)。

 失点数に関しては改善の必要性が特大です。開幕から10試合連続失点といった事態は今後絶対に繰り返してはいけません。




採用システム

4-3-3

ガットゥーゾミラン1


 昨季に引き続き、開幕から9節のインテル戦までは常にこのシステムで試合をスタートさせていました。
 メンバーについても、怪我等で試合に出られない状況を除けばほぼこの11人で固定されていましたね。

 このシステムの右サイド(カラブリア、ケシエ、スソ)のトリオは昨季からやっていることもあり、時には非常に連動した動きを見せていました。

 一方で、「アンカーの両脇のポジションを相手に利用される」という構造的な弱点に対する解決策は未だ明示されていません。
 今後このシステムに戻すのであれば、この点の修正が求められますね。


4-4-2

ガットゥーゾミラン2


 10節のサンプドリア戦からスタートシステムとして採用。その後も断続的に使用されました。
 このシステムの特長は、何といってもクトローネとイグアインを同時にピッチに送り出せるという点にありましたね。

 メンバーについてはこの時期から負傷者が続出したこともあり、これまでとは違い試合毎に変わっていきました。


3-5-2(3-4-3)

ガットゥーゾミラン3


 ジェノア戦から採用されたシステムですが、この試合では厳密にいうとケシエがWB、スソがウィングに位置する3-4-3の形に近かったです。

 しかし、正直に言うとこのシステムはあまり機能していませんでした…。
 というのも、スソがあまり守備に戻らない(作戦?怠慢?)ため守備時には5-2-3といった形に頻繁になってしまい、中盤に広大なスペースが生じていましたね。



 以上の3つ(3-4-3を含めれば4つ)が、ミランがスタートから採用したシステムでした。



 次回から本題に入っていきたいと思います。


 最後まで読んでいただきありがとうございました。 

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