【セリエA第10節】 ミラン対サンプドリア 【マッチレポート】
スタメン

前半
〇両チームのシステムと、ミラン優勢の理由、
この試合のミランのシステムは、上述の通り4-4-2といういつも(4-3-3)とは違うものでした。
しかし攻撃の際のプレー原則はいつもと変わらず、後方からしっかりと繋いでいくというもの。
しかし普段であれば相手のプレスに苦しめられるミランですが、この試合(の特に序盤)では比較的すんなり回せていました。
思うに、その主な理由はミランとサンプドリアのシステムの噛み合わせにあるのではないかと。

ミランは後方中央にCBとボランチを合わせて4人が位置。
一方、サンプドリアは守備時にも4-3-1-2の陣形を崩すことはないため、前線の第1プレスには2トップとトップ下が担当していました(ちなみに両インサイドハーフはミランのSBを担当)。
つまり、システム上、中央は常に4対3の数的優位が生まれているわけですね。
また、今日のSBには対面の相手を交わそうとする意識が強く、特に左SBのリカロドは好調からかほとんどボールを奪われることはありませんでした。ビリアのサポートも効いていたと思います。
さらに言うと、そもそもサンプドリアはあまり前線からプレスをかけるチームというよりは、縦にも横にもコンパクトなゾーンディフェンスを主な守備戦術として採用しているというのも理由としてはあるでしょう。この試合でも、リトリート時には見事なゾーンディフェンスを披露していました。
〇幸先の良い先制点と大ベテランの妙技
さて、試合展開に目を向けますと17分、スソの最高のクロスからクトローネが得意のヘッドで決めて優勢だったミランが先制します。
スソとクトローネは昨年から好連係を見せていますし、相性がよさそうですね。
しかしその数分後の21分、後方からのロングボールを完璧にトラップしたクアリャレッラがカウンターを開始。エリア内でサポナーラに渡ると、そのサポナーラがカラブリアとの駆け引きを制してゴール右隅にシュートを突き刺しました。
その十分後の31分、今度はサポナーラが右サイドからエリア内へクロス。そのボールをクアリャレッラがボレーで決めてあっさりとサンプドリアが逆転に成功します。
元ミランのサポナーラも素晴らしいプレーでしたが、個人的にクアリャレッラの落ち着き払ったプレーぶりにはただただ驚嘆するばかりです。
一瞬で仕事をしますからね。これぞセリエAのストライカーです。
〇スソとクトローネとイグアイン
サンプドリア2点目の前後から、彼らは前から厳しくプレスをかけるようになったため、ミランはそれまでのようなボール回しが出来にくくなっていたかと思います。
そんな中36分、スソのロングボールを起点に、クトローネとイグアインがワンツーで中央エリアを崩して最後はイグアインが同点弾を決めてくれました。
前日のプレビュー記事で「2トップの関係性」、「スソのパフォーマンス」を注目ポイントに挙げていましたが、結論を簡潔に言います。
どちらも最高でしたね。
そして試合は2-2で前半を終えました。
後半
〇2人のMOM
後半も前半とおおむね同じ展開に。
この試合のミランの主な崩しの形として、サイドチェンジの多用というものがありました。
これは前半からでしたが、ミランはサンプドリアのコンパクトな陣形に対し、逆サイドで空いている選手に頻繁にロングボールを送り込むことでプレスを回避しチャンスに繋げていましたね。
そしてこの攻撃戦術は3点目に繋がりました。

62分、リカロドからのロングフィードを受けたスソが、対面のDFとの駆け引きで圧倒。そのまま得意の形で得意のコースにシュートを突き刺しミランが逆転します。
この試合のリカロドは間違いなくリーグ最高のSBだったと思います。
安定したパス出し、粘り強い守備、そしてこのシーンの美しいロングフィード。
何よりこの試合に勝つという気迫を感じましたし、本当に本当に素晴らしかったです。
ちなみに「2人のMOM」とはスソとリカロドのことです。やや矛盾した表現ですが、どちらも本当に甲乙つけがたい出色のプレーだったのでご容赦ください(笑)
その後はサンプドリアが前に出てきて同点弾を狙いますが、中をしっかり固めたミランを相手に決定機はほぼ皆無だったかと思います。
一方ミランはスソを中心にカウンターから惜しいチャンスを作りだしていました。
試合はそのまま終了。ミランが3-2でサンプドリアを破りました。
まとめ
インテル戦は緊張からか、ベティス戦はダービー敗戦のショックからかほとんど良いプレーを見せられずに敗北。
そういった2試合を経てのこの試合でしたが、選手たちからは気迫を感じました。ようやくガットゥーゾのミランが戻ってきたという感じです。
次に新システムの4-4-2についてですが、今後はこのシステムを基本軸に据えても良いのではないかと個人的には思います。
この試合ではチームの攻撃の中心であるイグアイン、スソが躍動。そこにミランの宝であるクトローネが絡んで更に攻撃力を高めました。
今季、ここまで4失点だったサンプドリア相手に3点を奪ったわけですからね。とにかくこの3人は素晴らしかったと思います。
守備についてはまたしても失点してしまいましたが、これまでの4-1-4-1と4-4-2(もしくは4-3-1-2)を状況に応じて使い分けるシステムに比べ、そのまま4-4-2で守備する今の方がシンプルですし守りやすいのではないかなと思います。
このシステムを成熟させていければ、念願のクリーンシート達成もいけるのではないでしょうか。
さて、この試合の勝利によりミランはなんと5位に浮上。他チームの試合との兼ね合いもありますが、未消化分のジェノア戦に勝利すれば4位浮上もあり得ます。
ジェノアもまた難敵ですし、決して油断はできません。しかし勢いそのままに勝利してほしいと思います。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
〇両チームのシステムと、ミラン優勢の理由、
この試合のミランのシステムは、上述の通り4-4-2といういつも(4-3-3)とは違うものでした。
しかし攻撃の際のプレー原則はいつもと変わらず、後方からしっかりと繋いでいくというもの。
しかし普段であれば相手のプレスに苦しめられるミランですが、この試合(の特に序盤)では比較的すんなり回せていました。
思うに、その主な理由はミランとサンプドリアのシステムの噛み合わせにあるのではないかと。

ミランは後方中央にCBとボランチを合わせて4人が位置。
一方、サンプドリアは守備時にも4-3-1-2の陣形を崩すことはないため、前線の第1プレスには2トップとトップ下が担当していました(ちなみに両インサイドハーフはミランのSBを担当)。
つまり、システム上、中央は常に4対3の数的優位が生まれているわけですね。
また、今日のSBには対面の相手を交わそうとする意識が強く、特に左SBのリカロドは好調からかほとんどボールを奪われることはありませんでした。ビリアのサポートも効いていたと思います。
さらに言うと、そもそもサンプドリアはあまり前線からプレスをかけるチームというよりは、縦にも横にもコンパクトなゾーンディフェンスを主な守備戦術として採用しているというのも理由としてはあるでしょう。この試合でも、リトリート時には見事なゾーンディフェンスを披露していました。
〇幸先の良い先制点と大ベテランの妙技
さて、試合展開に目を向けますと17分、スソの最高のクロスからクトローネが得意のヘッドで決めて優勢だったミランが先制します。
Cutrone's goal pic.twitter.com/XnxVGtO7g2
— #FreeLocatelli (@semo33) 2018年10月28日
スソとクトローネは昨年から好連係を見せていますし、相性がよさそうですね。
しかしその数分後の21分、後方からのロングボールを完璧にトラップしたクアリャレッラがカウンターを開始。エリア内でサポナーラに渡ると、そのサポナーラがカラブリアとの駆け引きを制してゴール右隅にシュートを突き刺しました。
その十分後の31分、今度はサポナーラが右サイドからエリア内へクロス。そのボールをクアリャレッラがボレーで決めてあっさりとサンプドリアが逆転に成功します。
元ミランのサポナーラも素晴らしいプレーでしたが、個人的にクアリャレッラの落ち着き払ったプレーぶりにはただただ驚嘆するばかりです。
一瞬で仕事をしますからね。これぞセリエAのストライカーです。
〇スソとクトローネとイグアイン
サンプドリア2点目の前後から、彼らは前から厳しくプレスをかけるようになったため、ミランはそれまでのようなボール回しが出来にくくなっていたかと思います。
そんな中36分、スソのロングボールを起点に、クトローネとイグアインがワンツーで中央エリアを崩して最後はイグアインが同点弾を決めてくれました。
Gonzalo Higuain 😍 pic.twitter.com/fBdO1Ihx9y
— Team Milan AC (@TeamMilanAC) 2018年10月28日
前日のプレビュー記事で「2トップの関係性」、「スソのパフォーマンス」を注目ポイントに挙げていましたが、結論を簡潔に言います。
どちらも最高でしたね。
そして試合は2-2で前半を終えました。
後半
〇2人のMOM
後半も前半とおおむね同じ展開に。
この試合のミランの主な崩しの形として、サイドチェンジの多用というものがありました。
これは前半からでしたが、ミランはサンプドリアのコンパクトな陣形に対し、逆サイドで空いている選手に頻繁にロングボールを送り込むことでプレスを回避しチャンスに繋げていましたね。
そしてこの攻撃戦術は3点目に繋がりました。

62分、リカロドからのロングフィードを受けたスソが、対面のDFとの駆け引きで圧倒。そのまま得意の形で得意のコースにシュートを突き刺しミランが逆転します。
Suso’s goal against Sampdoria [via @TVACM]pic.twitter.com/UP8H8ZFxxZ
— Milan Eye (@MilanEye) 2018年10月28日
この試合のリカロドは間違いなくリーグ最高のSBだったと思います。
安定したパス出し、粘り強い守備、そしてこのシーンの美しいロングフィード。
何よりこの試合に勝つという気迫を感じましたし、本当に本当に素晴らしかったです。
ちなみに「2人のMOM」とはスソとリカロドのことです。やや矛盾した表現ですが、どちらも本当に甲乙つけがたい出色のプレーだったのでご容赦ください(笑)
その後はサンプドリアが前に出てきて同点弾を狙いますが、中をしっかり固めたミランを相手に決定機はほぼ皆無だったかと思います。
一方ミランはスソを中心にカウンターから惜しいチャンスを作りだしていました。
試合はそのまま終了。ミランが3-2でサンプドリアを破りました。
まとめ
インテル戦は緊張からか、ベティス戦はダービー敗戦のショックからかほとんど良いプレーを見せられずに敗北。
そういった2試合を経てのこの試合でしたが、選手たちからは気迫を感じました。ようやくガットゥーゾのミランが戻ってきたという感じです。
次に新システムの4-4-2についてですが、今後はこのシステムを基本軸に据えても良いのではないかと個人的には思います。
この試合ではチームの攻撃の中心であるイグアイン、スソが躍動。そこにミランの宝であるクトローネが絡んで更に攻撃力を高めました。
今季、ここまで4失点だったサンプドリア相手に3点を奪ったわけですからね。とにかくこの3人は素晴らしかったと思います。
守備についてはまたしても失点してしまいましたが、これまでの4-1-4-1と4-4-2(もしくは4-3-1-2)を状況に応じて使い分けるシステムに比べ、そのまま4-4-2で守備する今の方がシンプルですし守りやすいのではないかなと思います。
このシステムを成熟させていければ、念願のクリーンシート達成もいけるのではないでしょうか。
さて、この試合の勝利によりミランはなんと5位に浮上。他チームの試合との兼ね合いもありますが、未消化分のジェノア戦に勝利すれば4位浮上もあり得ます。
ジェノアもまた難敵ですし、決して油断はできません。しかし勢いそのままに勝利してほしいと思います。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。