【EL第3節】 ミラン対ベティス 【マッチレポート】

スタメン

ミラン ベティス1

前半

ベティスの攻めと先制点

前半を通じてミランは拙攻に終わり、枠内シュート0という記録を達成してしまったため省略。まずはベティスの攻め方を見ていきましょう。
ベティスの有効だった攻め手は大きく分けて2つ。1つは中途半端に高いミランのDFラインの裏(特にCB-SB間)へのパス。そしてもう1つがサイドに張っている両ウィングバックへの(ロング)パスです。

この試合のミランの守備がいつも以上に緩慢(というより極めて受動的)だったこともあり、ベティスは両サイドや裏へ素早くパスを展開することでチャンスを作っていたかと思います。

そんなこんなで30分、ベティスが先制。

ミラン ベティス2

上図はベティスの先制ゴールを決める少し前のシーンを図示したものです。このシーンでも彼らは左ウィングバックへのロングパスを起点にしてゴールに繋げました。

話は少しそれますが、このシーンのミランの守備はかなり酷いと感じました。これだけ前掛かりかつ中央に人が密集しているにも関わらず、相手への寄せが非常に甘いというのはどうなのでしょう。
カナレスのマークを担当しているはずのボナベンでしたが、このシーンではなぜか一端プレスを躊躇し、その後ゆっくりとプレスをかけにいっています。
そのため大したプレッシャーのないカナレスは悠々と正確なロングボールを送り込めていました。


2つ疑惑のシーン

先制後もベティスは2つの決定機を迎えたわけですが、1つはオフサイド、もう1つはGKレイナのエリア外への勇気ある飛び出しによっていずれもゴールとはなりませんでした。

しかし、前者に関しては明らかにオンサイドのように見えましたし、後者に関してもレイナがハンドを犯していたのではないかという疑惑がありました。


試合はベティス優勢のまま前半終了。


後半

決定的な2点目

後半からミランはボリーニ、バカヨコに代えてクトローネとスソを投入。
フォーメーションを4-4-2(もしくは3-4-3?)に変更して勝負に出ます。

しかしその十分後、ロ・チェルソに見事なゴールを決められ2点差に広げられました。

ミラン ベティス3

上図は2点目の少し前のシーンですが、この場面でミランは上手くプレスをかけて相手を追い詰めることに成功しています。
しかし、カルヴァ―リョのボールを奪いに行ったビリアが交わされ、ファールで止めようとしたものの止められずに突破を許し、一転してピンチを迎えてその流れから失点してしまいました。

こういう失敗が積み重なると選手たちのメンタルに悪影響を与え、プレスにも積極果敢にいかなくなりそうで嫌ですね…。


クトローネの孤軍奮闘

最低でも2点が必要となったミランは攻勢を強めていき、ベティスがやや勢いを落としたこともあり押し込んでいきます。
その際のフォーメーションは随分とカオスでしたね。おそらくクトローネとイグアインが横並びの2トップで並び、その右付近にスソが位置し、中央にはビリアとボナベンがポジショニング。左サイドはラクサールが走り回り、中央~右サイドをカスティジェホが動き回るといった形でしょうか。

そして、この状況の中で一番輝いていたのが間違いなくクトローネでした。単騎でのプレスはあまり効果的ではありませんでしたがやる気は感じましたし、それまでのミランに欠けていた積極的なオフザボールでの動き出しにより何とか点を取ろうと頑張っていました。

すると83分、カスティジェホのクロスに合わせて得点を奪取。素晴らしい活躍でした。


しかし試合はというと、ミランはこれ以上の追加点を挙げることはできずに試合終了。ベティスに敗戦を喫しました。


まとめ

う~ん…。正直ミランにとっては酷い内容の試合だったなぁというのが率直な感想です。
ベティスは個々のクオリティは高かったもののパスミスも少なくありませんでしたし、そこまで調子は良くなかったはず。それにもかかわらず、本拠地でゲームを支配されるというのはかなり情けない話です。


また、ELとはいえ流石に今のバカヨコとボリーニをスタメンで出すというのも疑問です。それならばいっそのこと、調子の良いクトローネを始めから出すために4-4-2システムで臨んでも良かったんじゃないかなと思います。

確かにその場合は純粋なCFの控えがいなくなるという問題はありますが、それに囚われた結果、最善を尽くさずに目の前の試合に負けるというのは本末転倒かなという気がします。


今日の敗戦により首位陥落、そして3位オリンピアコスとの勝ち点差が「2」に縮まってしまいました。
ともすればGLで敗退という可能性も否定できません。

幸か不幸か、次節は敵地でのベティス戦です。
今度こそ彼らに勝利し、首位を奪還してほしいですね!


最後まで読んでいただきありがとうございました。

0Comments