ミランの”シュート打たれ過ぎ問題”について

先日のモンツァ戦にて4失点を喫したミラン。

これによりミランの今季リーグ戦の失点数は「31」を記録することになり、第25節にして早くもスクデット獲得シーズン(2021—22)における総失点数に並びました。当時も2月時点ではそこまで堅守を確立できていなかったとはいえ、ここから当時の再現を期待するにはあまりに技術的・精神的・組織的な問題が目に余りますね。

「なぜこんなにも失点が多いのか」については様々な観点から考えることが可能ですが、今回はシンプルに「被シュート数の多さ」という側面から言及していきたいと思います。

被シュート数の多さ


ミランの前掛かりなディフェンスは効率的に得点チャンスを生み出す反面、脆さにも繋がっている。というのもミランは1試合平均で13.9本のシュートを相手に許しており、このことが1試合あたり1.24失点という結果に深く関係しているのだ。
また、アウェー戦に限るとミランは24失点を喫しているが、これは最下位サレルニターナと並んでアウェー戦失点数のワースト4位となっている。彼らよりアウェーで失点しているのはフロジノーネ(30失点)、カリアリ(30失点)、サッスオーロ(29失点)のみである
――Milannews



前段の被シュート数に関し、情報を補足していきます。


【23-24】ミラン_被シュート数
――参考1:今季ここまでにおける、セリエAチームの平均被シュート数ランキング

『FBref』のデータによると、ミランの被シュート数は1試合平均で「13.68」。これは今季のリーグ戦で暫定ワースト6位の数字となっています。
また、同スタッツのワースト10の内、ミランを除く9チームは現時点でボトムハーフの順位に位置しているというのも興味深いです。なお失点数で見ても、ミランの「31失点」はトップハーフの中だと暫定ワーストという事で、ミランがいかに特異なスタイルで3位に位置しているかが窺い知れますね。

続いて、「セットプレー(FK、PK)による被シュート数」に焦点を絞って見ていきましょう。


【23-24】ミラン_被FKシュート数
――参考2:FKによる被シュート数ランキング


【23-24】ミラン_被PKシュート数
――参考3:PKによる被シュート数ランキング

ミランはFKによる被シュート数が暫定ワースト1位タイ、PKによる被シュート数もワースト3位タイという事で、これらのデータも示唆に富みます。

つまりこれらの数字は「ゴール前の危険な位置で相手に多くのファールを与えている」と解釈することが可能であり、その原因は何かと考えたとき、個人的にパッと思い浮かぶのは「CBを中心とするバックラインの技術的な対応ミス」以上に「相手優位の危険なシーンを頻繁に作られ、バックラインがゴール前で難しい対応を強いられている」という点です。要するに選手個々のミスもあるけど、組織的な問題が大きいんじゃないかということですね。

先ほども少し言及したように、現在のミランは攻撃偏重の(セリエAでは)特異なスタイルを志向しているように見受けられます。またそれにより一定以上の結果も出ているため、現在の方向性を一概に否定するつもりは個人的にありません。

一方、「セリエAでは守備の堅いチームが優勝する」という法則がある以上、上記問題点はこれから更に上を目指すためには決して看過できないでしょう。「目標はCL出場権だ」としきりに公言するクラブのお偉方は現状でも満足なのかもしれませんが、僕個人としては堅守のチームが見たいので、どうにか来季に繋がるような守備の改善が残りシーズンで見られることを願います。

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