アッレグリ・ミランの「4-3-1-2」 ~11-12シーズン~
今回は前回の番外編のようなもので、これまでに成功したミランの4-3-1-2システムを紹介しようと思います。
私がミランのサッカーを見始めるようになってから、アンチェロッティ、レオナルド、アッレグリ、(暫定監督として一試合だけ)タソッティ、セードルフ、インザーギ、ミハイロビッチと6(7)人の監督がミランの指揮官を務めました。
この中で、4-3-1-2を主軸にしてシーズンを戦い、素晴らしい成績を収めたのがアンチェロッティ(以下カルロ)とアッレグリです。
カルロ・ミランに関しては、一言でいえば「ピルロ・システム」。あまりに有名なものですのでさほど解説の必要はないでしょう。
それでは、アッレグリ・ミランはどのようなシステムだったのでしょうか。見ていきましょう。

上図が、11-12シーズンにおけるミランのベストメンバーです(注:ただし、このシーズンのミランは怪我人続出によりまともにベストメンバーを組めたのがほんの数試合しかありませんでした)。
次に、システムの特徴を解説していきます。
■攻撃戦術
まず2トップの2人が頻繁にサイドに流れ、そこでボールを受け起点となります(主にイブラ)。
そして、プリンスやノチェリーノといった運動量豊富な中盤の選手が、空いた中央のスペースに飛び出してチャンスを作るというのが主な攻撃戦術。

(※白い丸がボール、棒線がパス方向、点線が選手の動きをそれぞれ示しています)
図に表すとこのような流れ。私の作図能力がアレなのでかなりごちゃごちゃしていますが・・・笑
空いたスペースに中盤の選手が侵入してくるので、相手はそれに対し後手に回らざるを得ず、加えてパスの出し手がイブラやロビーニョというこれまた個の突破も極めて優れた選手ですから、こちらに対しても気を抜くことはできない。
選手の個々の特徴を活かす素晴らしい戦術でしたね。
この戦術がいかに機能していたかは数字が証明しています。
ノチェリーノはセリエAだけで10得点、プリンスも怪我による離脱を繰り返しながらもシーズン通算9ゴールの活躍を見せました(数字のソースはいずれもWikipedia様)。
この戦術による恩恵を受けたのは2人だけではなく、チームのエースでありこの戦術の核といってもよいイブラも同様です。
セリエAでは28ゴールを記録し、得点王獲得とともに当時の自己最高記録を更新。公式戦通算で35ゴール15アシストという驚異的な記録を残しました。
■守備戦術
基本はローラインの4-3ブロック。相手によってはトップ下が下がって4-4ブロック。
サイドのポジションを置かない場合の3ボランチのフォーメーションで問題となるのは、アンカーの両脇のスペースをいかにして埋めるかというもの。
このシーズンのミランの場合は、基本的に両インサイドハーフが絞ることでスペースを埋めていましたが、そうなると今度は必然的に中盤のサイドが空いてしまいます。
しかし当時のミランには、DFラインにネスタ、チアゴ・シウヴァという世界最高のDFコンビがいました。仮に数的不利によりサイドを突破されても、空中戦において「も」無類の強さを誇る彼らがいるためそれほど大きな問題にはなりませんでした。
守備に関しては、アンカーのファン・ボメルについても触れないわけにはいきません。的確なスペース管理と危機察知能力により
攻撃の芽を摘み取りました。ポゼッション時のボールの散らしも見事なものでした。
以上が2011-2012シーズンにおけるアッレグリ・ミランの特徴ですね。
このシーズンのチーム成績はセリエA2位、CLべスト8、コッパ・イタリアベスト4というもの。
無冠(シーズン前のスーパーカップは獲りましたが)に終わってしまった原因はひとえに怪我人の続出。これに尽きるでしょう。
前シーズンの主力であるカッサーノとガッツは病気によりほぼフルシーズン欠場。ネスタ、プリンス、パトは故障が相次ぐ。他の主力も入れ代わり立ち代わりに復帰しては怪我をしてを繰り返すまさに悪夢でした。
ほぼフルシーズン稼働できたのは、主力の中ではロビーニョ、ノチェリーノくらいでしょう。
これほどの選手と戦術を揃えて無冠に終わってしまったのは非常に悔しく、悲しいものでしたね・・・。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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私がミランのサッカーを見始めるようになってから、アンチェロッティ、レオナルド、アッレグリ、(暫定監督として一試合だけ)タソッティ、セードルフ、インザーギ、ミハイロビッチと6(7)人の監督がミランの指揮官を務めました。
この中で、4-3-1-2を主軸にしてシーズンを戦い、素晴らしい成績を収めたのがアンチェロッティ(以下カルロ)とアッレグリです。
カルロ・ミランに関しては、一言でいえば「ピルロ・システム」。あまりに有名なものですのでさほど解説の必要はないでしょう。
それでは、アッレグリ・ミランはどのようなシステムだったのでしょうか。見ていきましょう。

上図が、11-12シーズンにおけるミランのベストメンバーです(注:ただし、このシーズンのミランは怪我人続出によりまともにベストメンバーを組めたのがほんの数試合しかありませんでした)。
次に、システムの特徴を解説していきます。
■攻撃戦術
まず2トップの2人が頻繁にサイドに流れ、そこでボールを受け起点となります(主にイブラ)。
そして、プリンスやノチェリーノといった運動量豊富な中盤の選手が、空いた中央のスペースに飛び出してチャンスを作るというのが主な攻撃戦術。

(※白い丸がボール、棒線がパス方向、点線が選手の動きをそれぞれ示しています)
図に表すとこのような流れ。私の作図能力がアレなのでかなりごちゃごちゃしていますが・・・笑
空いたスペースに中盤の選手が侵入してくるので、相手はそれに対し後手に回らざるを得ず、加えてパスの出し手がイブラやロビーニョというこれまた個の突破も極めて優れた選手ですから、こちらに対しても気を抜くことはできない。
選手の個々の特徴を活かす素晴らしい戦術でしたね。
この戦術がいかに機能していたかは数字が証明しています。
ノチェリーノはセリエAだけで10得点、プリンスも怪我による離脱を繰り返しながらもシーズン通算9ゴールの活躍を見せました(数字のソースはいずれもWikipedia様)。
この戦術による恩恵を受けたのは2人だけではなく、チームのエースでありこの戦術の核といってもよいイブラも同様です。
セリエAでは28ゴールを記録し、得点王獲得とともに当時の自己最高記録を更新。公式戦通算で35ゴール15アシストという驚異的な記録を残しました。
■守備戦術
基本はローラインの4-3ブロック。相手によってはトップ下が下がって4-4ブロック。
サイドのポジションを置かない場合の3ボランチのフォーメーションで問題となるのは、アンカーの両脇のスペースをいかにして埋めるかというもの。
このシーズンのミランの場合は、基本的に両インサイドハーフが絞ることでスペースを埋めていましたが、そうなると今度は必然的に中盤のサイドが空いてしまいます。
しかし当時のミランには、DFラインにネスタ、チアゴ・シウヴァという世界最高のDFコンビがいました。仮に数的不利によりサイドを突破されても、空中戦において「も」無類の強さを誇る彼らがいるためそれほど大きな問題にはなりませんでした。
守備に関しては、アンカーのファン・ボメルについても触れないわけにはいきません。的確なスペース管理と危機察知能力により
攻撃の芽を摘み取りました。ポゼッション時のボールの散らしも見事なものでした。
以上が2011-2012シーズンにおけるアッレグリ・ミランの特徴ですね。
このシーズンのチーム成績はセリエA2位、CLべスト8、コッパ・イタリアベスト4というもの。
無冠(シーズン前のスーパーカップは獲りましたが)に終わってしまった原因はひとえに怪我人の続出。これに尽きるでしょう。
前シーズンの主力であるカッサーノとガッツは病気によりほぼフルシーズン欠場。ネスタ、プリンス、パトは故障が相次ぐ。他の主力も入れ代わり立ち代わりに復帰しては怪我をしてを繰り返すまさに悪夢でした。
ほぼフルシーズン稼働できたのは、主力の中ではロビーニョ、ノチェリーノくらいでしょう。
これほどの選手と戦術を揃えて無冠に終わってしまったのは非常に悔しく、悲しいものでしたね・・・。
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