カラブリア、セードルフが指摘するミランの守備の問題

昨夜のPSG戦にて「0-3」と完敗を喫したミラン。

内容・結果共に反省すべき点が数多く見られた一戦であり、試合後には有識者だけでなく選手自身も反省点を多く口にしています。

今回はマッチレビュー記事に先立ち、指摘された内容のうち「戦術的側面」を見ていきましょう。

戦術的問題


カラブリア「現状を理解しなければならない。強豪チームに対し、最近の僕たちは失点が多すぎるのに得点が少なすぎる。(戦術的な観点については)ボール保持をもっと上手くできたはずだし、このタイプの相手に対して1対1を受け入れるなど、非常にアンバランスだった」



邪推すれば戦術批判とも受け止められる発言ですが、いずれにせよチームのカピターノであるカラブリアは攻守において反省点を述べています。が、ここでは守備面にフォーカスを当てていきましょう。

この試合のミランは例によってアグレッシブなプレッシングをベースに試合に臨んだものの、前半4分には早くもチャウが後方での1対1に対処し切れずイエローカードを貰うなど、戦術的なリスクが随所に見受けられました。

強豪チームに対するチャウのハイライン対応に陰りが見られるのはつい先日のユベントス戦でも露見されたところ、そうした部分を戦術的に修正することなく同様のミスが繰り返されているのは確かに気になりますね。
例えば全体のライン設定を下げるなり、後ろを5枚にして最終ラインの負担を減らすといった対策は可能だったはずですが、今回も普段と同様の戦い方に徹しました。

しかしミランのレジェンドであるクラレンス・セードルフ氏は、そうした不動のスタンスに疑問を投げかけています。

セードルフ「PSGのようなチームに対し、セリエAでのそれと同じようにプレーすることはできない。レベルが違うし、そんな余裕はない。多くの選手がポジションを外れているから、危険なシーンが頻繁に生じている」



1失点目は正にセードルフの指摘通りのシーンといえるかもしれません。
ミドルサード高めにてプレッシングの圧を強めたミランでしたが、ラインデルスが対面のエメリに付ききれずにマークを外され被速攻に。カバーも間に合わずに前進を許し、最後はエンバペがトモリとの駆け引きを制して素晴らしいシュートをネットに突き刺しました。

一方で、当の監督であるピオリは試合後、「技術的なクオリティの差」を敗因として挙げています。
確かにそれもあるとは思いますが、上記で見てきたような戦術的な側面に果たして瑕疵はなかったのか、今一度考えるべきではないかと感じますね。

それこそ昨季のCLではトッテナムに対し5バック、ナポリに対しては(普段と比べて)かなり受動的な守備対応で勝利をもぎ取っているわけで、対戦相手に応じた戦術的調整はもっと柔軟に行って欲しいと思います。

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