注目のミラノダービー、トモリの代役はカルル?ケアー?

ピエール・カルルシモン・ケアー
来る代表ウィーク後のミラノダービーに向け、ミランにとってポイントの1つになるのが「CBの人選」です。

今シーズン開幕(より正確に言うと昨シーズン最終盤)からミランのCBはトモリとチャウのコンビがレギュラーとしてプレーしてきましたが、先日のローマ戦でトモリがレッドカードを受けたことにより、次節のインテル戦は出場することが出来ない、と。

そこでトモリの代役として、「カルルとケアーのどちらを起用すべきか」という話になります。

トモリの代役はカルルが務めることになりそうだ。昨シーズンのジェットコースターのような(浮き沈みの激しい)状況を経験した後、彼は再び安定性を取り戻したいと考えている。一方でケアーは代表に招集され、不足している出場時間を補っている。それでも、ミラネッロに留まり準備しているカルルがスタメン争いをリードしているだろう――GdS

インテル戦においては、ミランCB個人に懸かる責任は普段よりも大きいといえるでしょう。
というのも昨シーズンに頻繁に見られたように、ミランは得てしてインテルの前線(当時はラウタロとジェコ)にいいようにやられます。その原因については前線からのプレッシングや中盤のカバーが十分に機能していないことも度々ありましたが、やはりミランの最終ラインがインテルの前線に対し個人で劣勢に陥りやすかった点も看過できません。

例えばトモリはジェコのフィジカルや流動的かつテクニカルなプレーに対応し切れず、起点となるポストプレーを許したりファールを誘発させられたりといった場面が目立ちましたし、ケアーはラウタロの敏捷性やスピードに対処し切れないというシーンが一度ならず見られました。

一方で前線からのアグレッシブなプレッシングを志向するミランの場合、相手の楔のボールを処理する際にはCBによる個人ベースの守備が求められる局面が多くなります。この点、先のトリノ戦ではペッレグリを、ローマ戦ではベロッティとエルシャーラウィを(トモリが退場するまでは)CB2人がしっかりと封じ込めることで安定した守備を実現していました。

インテル相手ですとその難易度は大きく上がるわけですが、それでもやるべき方向性自体は変わらないでしょう。今回も普段と同様の守備スタイルで挑むのなら、如何にして前線からのプレッシングで相手のビルドアップに負荷をかけつつ、後方が然るべき対応でボールを回収していくかが鍵になるはずです。


さて。このように考えていくと、個人的にトモリの代役としてはカルルが妥当ではないかと感じます。
確かにカルルはやや安定感を欠くきらいがあるものの、フィジカル、スピードといった身体能力は(先述のスタイルで挑むなら)インテルと戦う際に極めて重要になってくるはずです。この点スピードに欠け、敏捷性などにも陰りが見えてきた現在のケアーですと、どうしても後手に回らざるを得ない状況・リスクが増えることが考えられます。

そのため、チャウとカルルのコンビでまずはアグレッシブに挑みつつ何とかリードを奪い、劣勢が予想される終盤に全体のラインを下げてケアーを投入。そして彼にDFラインを引き締めてもらい、集中して守り抜くという形が個人的には理想かなぁと。昨季に唯一インテルに勝利した試合の展開に近いですね。

【「流れ」を制した王者】ミラン対インテル【2022-23シーズン・セリエA第5節】

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報道によるとカルルは軽い筋肉系の負傷を負ってしまったそうで、ダービー戦の出場も不透明となっていますが、個人的には何とかコンディションを整えてダービーまでに復帰して欲しいと思います。

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