ヤシン・アドリ、アンカーポジションに活路を見出せるか

アドリはオリギやバロトゥーレ、サレマ等構想外組とは異なり、今プレシーズンを通してチーム練習・試合に参加。またシーズン開幕後の2試合でも出番こそありませんでしたがベンチ入りはするなど、少なくとも戦力の一部として計算されているようには見受けられます。

この点について、チームの戦力的・戦術的観点から考えてみましょう。
今プレシーズンマッチにて、アドリはクルニッチの控えとしてアンカーポジションを主戦場としていましたが、当該ポジションの層はかなり薄いです。ベナセルが長期離脱中であり、かつ今夏のアンカー補強が無かったことを考えると、報道通りしばらくはアドリをクルニッチの第一サブとして起用していく腹積もりがあると思われます。

クルニッチとアドリでは強みとするプレーが異なりますし、クルニッチのように中盤に安定感をもたらすプレーを（少なくとも今の）アドリに強く期待することは出来ません。一方、アドリにはクリエイティブなパス出しが期待でき、逆にこれはクルニッチが有していない特長といえますね。

例えば今後、背後やライン間のスペースを優先して消しにかかる受動的な相手と対戦する際、アドリのアンカー起用がハマる可能性が考えられます。比較的フリーでボールを持てるであろうアンカーの位置からアドリが創造性を発揮し、パスや飛び出しにより相手の守備組織を崩すといった形の貢献です。

いずれにしてもアンカーポジションをクルニッチ1人で務め上げるのは不可能ですし、早ければ連戦の始まる9月にもアドリが一定の出場機会を得るようになる可能性はあるでしょう。

個人的には今なおアドリに大いに期待していますし、昨季の苦戦を経て彼がアンカーポジションに活路を見出してくれることを願っています。