【今後に向けた改善点とは】ミラン対バルセロナ【2023-24プレシーズン】
今回はアメリカツアー第3戦、ミラン対バルセロナのマッチレビューを行います。
スタメン

ベースフォーメーション:
ミラン「4-3-3」
バルセロナ「4-3-3」
今回のマッチレビューは、今後に向けた改善点にフォーカスを当てていきたいと思います。
まずはミランの攻撃(ボール保持)についてです。
前回のユベントス戦では左サイドで数的優位を作り、そこを突破口とする形が見られましたが、バルサは片側サイド(主にミラン側左)へボールを誘導し、プレッシャーを厳しくかけてくる形を志向。よって、同サイドを起点にそのまま前進していく流れを作り出すのは難しいものがありました。

――シーン1:ハイプレスを仕掛けるバルセロナ。
そこで、ミランは比較的手薄になりがちな中盤エリアを利用する形を志向。このツアーを通してやっている、(右)SBが中盤化する動きなどで人数をかけ、フリーの味方を作り出して前進していこうとしました。
しかし、左サイドから中央への展開に際してトモリが以下のようなミスを犯します。

――その後の場面。トモリが中盤でフリーのロフタスチークにパスを通そうとする

――しかしボールは相手に渡り、危険なシーンを迎えた
トモリはマドリー戦でも同様のミスをし、その時は失点に繋がるなど、このツアー中はパス能力がかなり悪目立ちしている印象です。

――シーン2:別の場面。ここではトモリからサイドのテオに向けパスが出されるも、相手にカットされる

――一気にバルサのカウンターとなり、決定機を迎えた
ミランがビルドアップにおいて新しい形を試す中、その重要な構成員であるCBのパスが中々安定しないというのは懸念材料といえます。メニャンやチャウが持ち前の積極的なパスを披露しているだけに、トモリも攻撃面でもっと安定感を上げていきたいですね。
続いてミランの守備についてです。
プレッシングにおいて、ミランはジルーがファーストDFとしてビルドアップの方向を制限しつつ、両サイド(レオン、プリシッチ)が適宜縦スライドして前線のプレッシャーの圧力を高める形。それに対してバルサはフリーになり易いSBを活かしながらプレスを回避していきます。

――シーン3:ミランのプレスによりボールを左サイドへ

――その後の場面。右CBへとボールを展開するバルサに対し、レオンが縦スライドで対応。ただし、これにより相手右SBがフリーになる

――その後の場面。ボールはアンカーを経由し、フリーの右SBへ展開された
そこでミランとしては、高い位置でボールを奪うには後方の積極的なスライド対応により継続的に相手にプレッシャーをかけ続けることが求められたところ、SB(テオ、フロレンツィ)はサイドに張る相手WGの牽制により中々前に出られず。よってバルサSBにボールが展開された時点でラインを下げざるを得ない状況が続きます。
このレベルの相手に対しては、チーム全体の連動性や守備強度をまだまだ上げていく必要があるでしょう。
一方、継続的にプレスをかけ続けることが出来たシーンも少ないながら存在し、数少ない決定機はそうしたプレッシングによるボール奪取から生まれました。

――シーン4:ハイプレスを仕掛けるミランに対し、バルサは例によって中盤を経由してSBへの展開を狙う

――その後の場面。ここで相手インサイドハーフをマークしていたラインデルスは、そのままSBへと継続的にプレスをかけに行く

――その後の場面。ラインデルスが相手SBからボールを奪い、決定機に繋がるカウンターを作り出した
後半になるとバルサは数人の選手交代を実行。その中でも左サイドに配されたファティとバルデのスピーディーなコンビ2人が対面のフロレンツィを苦しめ、結果として55分にファティがこの試合の決勝ゴールをマークしました。
現在の状況下でフロレンツィを先発起用する理由は分かりますが、加齢や怪我によりスピードとキレを欠くようになった彼の守備力は相当心許ないです。今後もフロレンツィを起用していくなら、スピーディーな相手と対峙した時に苦戦する可能性は高まるでしょう。
そして失点後、ミランもフロレンツィを含む数選手を交代させますが、そこでクルニッチも交代させたことで中盤の守備の安定感が更に低下。
相手にライン間にてフリーで受けられたり、最終ラインとの連携が上手くいかなかったりと、適切にスペースを埋められずに危険なシーンを数回作られてしまいます。
結局、試合はそのまま終了。
ミラン0-1バルセロナ
この試合で見られたネガティブな部分を列挙していきましたが、重要なことはこれら改善ポイントを如何に修正していくかです。
シーズン開幕まで3週間近く残されているため、現時点で個人・チームパフォーマンスに至らない点があっても致し方ないですし、時間が解決してくれる部分も少なくないでしょう。
その一方、オカフォーが出られないため依然として発展性の見られないCFや、クルニッチのワンオペでは限界の見えるアンカーなど、早急に対応すべきであるにも関わらず手つかずの問題も残されています。
残り約3週間で果たしてどこまで準備できるのか…。少なくとも各種問題につき対応策をしっかりと用意・実践し、時間経過と共に解決が望めるような態勢作りだけは行ってもらいたいですね。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
スタメン

ベースフォーメーション:
ミラン「4-3-3」
バルセロナ「4-3-3」
今回のマッチレビューは、今後に向けた改善点にフォーカスを当てていきたいと思います。
攻撃面
まずはミランの攻撃(ボール保持)についてです。
前回のユベントス戦では左サイドで数的優位を作り、そこを突破口とする形が見られましたが、バルサは片側サイド(主にミラン側左)へボールを誘導し、プレッシャーを厳しくかけてくる形を志向。よって、同サイドを起点にそのまま前進していく流れを作り出すのは難しいものがありました。

――シーン1:ハイプレスを仕掛けるバルセロナ。
そこで、ミランは比較的手薄になりがちな中盤エリアを利用する形を志向。このツアーを通してやっている、(右)SBが中盤化する動きなどで人数をかけ、フリーの味方を作り出して前進していこうとしました。
しかし、左サイドから中央への展開に際してトモリが以下のようなミスを犯します。

――その後の場面。トモリが中盤でフリーのロフタスチークにパスを通そうとする

――しかしボールは相手に渡り、危険なシーンを迎えた
トモリはマドリー戦でも同様のミスをし、その時は失点に繋がるなど、このツアー中はパス能力がかなり悪目立ちしている印象です。

――シーン2:別の場面。ここではトモリからサイドのテオに向けパスが出されるも、相手にカットされる

――一気にバルサのカウンターとなり、決定機を迎えた
ミランがビルドアップにおいて新しい形を試す中、その重要な構成員であるCBのパスが中々安定しないというのは懸念材料といえます。メニャンやチャウが持ち前の積極的なパスを披露しているだけに、トモリも攻撃面でもっと安定感を上げていきたいですね。
守備面
続いてミランの守備についてです。
プレッシングにおいて、ミランはジルーがファーストDFとしてビルドアップの方向を制限しつつ、両サイド(レオン、プリシッチ)が適宜縦スライドして前線のプレッシャーの圧力を高める形。それに対してバルサはフリーになり易いSBを活かしながらプレスを回避していきます。

――シーン3:ミランのプレスによりボールを左サイドへ

――その後の場面。右CBへとボールを展開するバルサに対し、レオンが縦スライドで対応。ただし、これにより相手右SBがフリーになる

――その後の場面。ボールはアンカーを経由し、フリーの右SBへ展開された
そこでミランとしては、高い位置でボールを奪うには後方の積極的なスライド対応により継続的に相手にプレッシャーをかけ続けることが求められたところ、SB(テオ、フロレンツィ)はサイドに張る相手WGの牽制により中々前に出られず。よってバルサSBにボールが展開された時点でラインを下げざるを得ない状況が続きます。
このレベルの相手に対しては、チーム全体の連動性や守備強度をまだまだ上げていく必要があるでしょう。
一方、継続的にプレスをかけ続けることが出来たシーンも少ないながら存在し、数少ない決定機はそうしたプレッシングによるボール奪取から生まれました。

――シーン4:ハイプレスを仕掛けるミランに対し、バルサは例によって中盤を経由してSBへの展開を狙う

――その後の場面。ここで相手インサイドハーフをマークしていたラインデルスは、そのままSBへと継続的にプレスをかけに行く

――その後の場面。ラインデルスが相手SBからボールを奪い、決定機に繋がるカウンターを作り出した
後半になるとバルサは数人の選手交代を実行。その中でも左サイドに配されたファティとバルデのスピーディーなコンビ2人が対面のフロレンツィを苦しめ、結果として55分にファティがこの試合の決勝ゴールをマークしました。
現在の状況下でフロレンツィを先発起用する理由は分かりますが、加齢や怪我によりスピードとキレを欠くようになった彼の守備力は相当心許ないです。今後もフロレンツィを起用していくなら、スピーディーな相手と対峙した時に苦戦する可能性は高まるでしょう。
そして失点後、ミランもフロレンツィを含む数選手を交代させますが、そこでクルニッチも交代させたことで中盤の守備の安定感が更に低下。
相手にライン間にてフリーで受けられたり、最終ラインとの連携が上手くいかなかったりと、適切にスペースを埋められずに危険なシーンを数回作られてしまいます。
結局、試合はそのまま終了。
ミラン0-1バルセロナ
雑感
この試合で見られたネガティブな部分を列挙していきましたが、重要なことはこれら改善ポイントを如何に修正していくかです。
シーズン開幕まで3週間近く残されているため、現時点で個人・チームパフォーマンスに至らない点があっても致し方ないですし、時間が解決してくれる部分も少なくないでしょう。
その一方、オカフォーが出られないため依然として発展性の見られないCFや、クルニッチのワンオペでは限界の見えるアンカーなど、早急に対応すべきであるにも関わらず手つかずの問題も残されています。
残り約3週間で果たしてどこまで準備できるのか…。少なくとも各種問題につき対応策をしっかりと用意・実践し、時間経過と共に解決が望めるような態勢作りだけは行ってもらいたいですね。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。