トナーリ、ニューカッスル移籍の噂について~交渉は早くも最終局面へ?~

サンドロ・トナーリ
現在、ミランに関するメルカートニュースの中で最も注目すべきは「トナーリのニューカッスル移籍の噂」といって良いと思います。

・ニューカッスルはトナーリ獲得のため5500~6000万ユーロのオファーをミランに提示し、選手には650万ユーロ+ボーナスで最大750万ユーロに達する年俸を提示した。ミランの要求する移籍金は8000万ユーロだが、ニューカッスルはその額に近づく必要があることを認識している――Daniele Longo

・ニューカッスルと契約するかどうか、トナーリの選択が重要になる。決めるのは選手だ――Fabrizio Romano


話題が極めてセンシティブなだけに、冷静に1つずつ情報を整理して見ていきたいと思います。
まずは移籍金について。「約8000万ユーロ」と報じられるミランの要求金額がトナーリの総合的な価値と釣り合うかどうかはさておき、この金額自体はとても魅力的です。

卑近な例を挙げれば、フラッテージやミリンコビッチサビッチの獲得に凡そ3000万ユーロ前後の移籍金が必要と報じられるところ、8000万ユーロの資金があれば両獲りの可能性すらも視野に入ります(もちろん、売却益の大部分を補強資金に回すことが前提ですが)。

先日、「今夏のミランがビッグディールを成立させることは難しいかもしれない」という旨の記事を上げましたが、上記の通りトナーリ売却という事態になれば話が変わります。元々の補強予算に売却益を加えることで、大胆な立ち回りが可能になるでしょう。


続いて年俸について。ニューカッスルはトナーリに約700万ユーロを提示しており、場合によっては増額も辞さない構えだと伝えられています。
トナーリがミランへの完全移籍を果たすために減俸をも了承したエピソードから分かるように、彼はお金を最優先に考えるタイプの選手ではありません。しかし、現年俸の数倍となる金額のオファーすら一顧だにしないというのは現実的とはいえず、またオファー元のニューカッスルは今をときめくプレミアリーグに所属し、今季はそのリーグで4位に入るほどのチーム力も有しています。要するにお金だけでなくスポーツ的な魅力も兼ね備えているため、トナーリがそうした両方のメリットに惹かれる可能性は否定できないのではないかなと。


無論、この件の是非を上記2つの金銭的側面のみから判断することは出来ません。現在のミランのチーム事情でトナーリを手放すリスクはとても大きいからです。

具体的には、「中盤の陣容が更に不安定になる」というのがリスクの1つに挙げられます。ただでさえレギュラーのベナセルが長期離脱により来シーズン前半戦の欠場が濃厚とされる中、トナーリをも失えば今季のレギュラークラスはクルニッチ1人だけになってしまいます。その場合に間違いなく来るであろう優秀な新加入選手にしても、あの監督の下ですんなりとチームにフィットする保証はありません。

今季のトナーリはチームで最も多くの時間プレーした選手であるわけで、そのような選手を欠くことになればチームの安定感が低下するのは避けられないでしょう。


また、そうした戦力的な観点だけではなく、トナーリを失うことは精神的にも多方面にネガティブな影響を与えかねません。
信頼を寄せていたマルディーニとマッサーラが解任されただけでなく、それに引き続いて中心選手の1人がチームを去った場合、残された選手たちは何を思うでしょうか。例え新強化担当のフルラーニがトナーリ売却資金を元手に更なる戦力強化を図ったとしても、もし在籍選手たちの士気やクラブへの忠誠心が低下してしまったら元も子もありません。

同様の影響はファン・サポーターにも及びます。これまで「ミラン愛」を言動で示してきたトナーリの人気はとても高く、彼のことを将来のカピターノ候補と見なしてその長きに渡るミランでの活躍を予期していたファンは多いでしょう。
そうした選手を失うことで、最初に挙げた金銭的メリットなどどうでも良いと思うほど苦痛を感じるファン・サポーターの方も少なくないはずです。

ちなみに僕はというと、既にマルディーニの一件でメンタルを破壊されているため今回はかなり冷静に(というか冷めた目で)動向を見守っています。が、トナーリの移籍(可能性)に嫌悪感を抱く方の気持ちは分かっているつもりです。


最後に。今回の一件はかなり情報が錯綜している部分もあり、まだまだ予断を許さない状況といえます。少なくとも印象として言えるのは、ニューカッスルがトナーリの獲得にかなり熱心であり、ミランもオファー次第では売却を受け入れる用意はあるといったところでしょうか。
このまま急ピッチで話が進んでいくのか、それとも交渉が行き詰まるのか分かりませんが、要注目の一件であることは確かですね。

追記


上記の内容を書き上げた後、再び移籍情報に目を通したら何と急ピッチで話が進んでいました。

・ニューカッスルはミランとのクラブ間合意に自信を持っている。提示金額は約7000~7500万ユーロ。なおトナーリ個人とは年俸700万ユーロの5年契約で合意に達した――Nicolò Schira

・トナーリのニューカッスル移籍に関しては、ここからの24時間が決め手になるだろう。契約はほぼ完了している――Matteo Moretto

・トナーリは年俸800万ユーロ+ボーナス200万ユーロの6年契約を受諾。ミランへのオファーは7000万ユーロ+ボーナス500万ユーロ。今夜までに更にボーナスが加算され、計8000万ユーロで交渉が成立する可能性もある――Di Marzio

・ニューカッスルは2倍以上の年俸をトナーリに提示した。更にボーナスも契約に盛り込む。後はミラン次第だ。ミランは交渉成立に向け7000万ユーロ以上を望み、ボーナスを含む形について交渉中だ――Fabrizio Romano

・トナーリはニューカッスルと経済的な合意に達し、移籍を受け入れる決意を固めた。当初トナーリはニューカッスルに移籍するかどうか迷っていたが、ミランが自身の売却に前向きであることを知り、考えが変わった――Sky



ロマーノ氏を含む複数ソースが報じていることから、交渉はもはや最終局面に移っているように感じられます。
どうやら想定以上の早さで交渉の結末が明らかになるという事で、今週中にも正式発表があるかもしれませんね。

0Comments