ブラヒム・ディアスとミランの3年間~成長の要因とプレースタイルの変化~
先日、ブラヒム・ディアスのレアルマドリー復帰が発表されました。
ミランでは3シーズン在籍し、2シーズン目からは10番を与えられるなどかなりの厚遇を受けながらプレー。計124試合に出場して18ゴール・15アシストを記録しています。
今回はブラヒムがミランでの3シーズンを通してどのような要因によって成長し、プレースタイルを変化させてきたのかについて、様々な観点から振り返っていきたいと思います。
・フィジカル面の強化
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— Real Madrid C.F. (@realmadrid) June 10, 2023
ミランでは3シーズン在籍し、2シーズン目からは10番を与えられるなどかなりの厚遇を受けながらプレー。計124試合に出場して18ゴール・15アシストを記録しています。
今回はブラヒムがミランでの3シーズンを通してどのような要因によって成長し、プレースタイルを変化させてきたのかについて、様々な観点から振り返っていきたいと思います。
目次
1.プレースタイル変化の要因
1-1.フィジカル面の強化
1-2.トランジション時の意識向上
1-3.戦術的側面
2.今後の改善点
2-1.スペースへのパス
2-2.プレー選択
2-3.シュート精度
3.おわりに
1.プレースタイル変化の要因
1-1.フィジカル面の強化
1-2.トランジション時の意識向上
1-3.戦術的側面
2.今後の改善点
2-1.スペースへのパス
2-2.プレー選択
2-3.シュート精度
3.おわりに
プレースタイル変化の要因
・フィジカル面の強化
まずはブラヒム自身の肉体的変化として「フィジカル面の強化」が挙げられます。
小柄なブラヒムはフィジカルを強みとするタイプではありませんが、それでもシーズンを経るごとに筋肉を増やし、フィジカルコンタクトを改善していきました。
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— De Marke Sports (@demarkesports) October 8, 2022
というのも指揮官のピオリはフィジカルを重要視する監督であり、特に守備時にはトップ下にも実質的な守備貢献を求めます。
そのため2シーズン目までのブラヒムは、強度の高いチーム(例えばアタランタやヴェローナ)が相手の時にはスタメンを外れる傾向が強く、代わりにケシエやクルニッチ、時にはメイテといったフィジカルを強みとする選手たちが起用されました。
ピオリがブラヒムにフィジカル面の強化を求めていたことはほぼ確実で、その要求に真摯に応えた結果が2022—23シーズンです。
監督からの完全な信頼を掴んだブラヒムは大一番ではほぼ毎回先発し、より守備時の走力が求められる右サイドでも起用されるようになるなど随分と重用されました。計2684分という今季のプレー時間は、ミランでの在籍3シーズンの中で最長です。
無論、フィジカルの強化が攻撃面でもポジティブな影響を与えたことは間違いなく、以前よりも球際に強くなったことでボールキープ力が上がり、延いてはチャンスメイクへと繋がる場面が増加したように見受けられました。

――シーン1:第36節サンプドリア戦の一場面。相手のロングボールのこぼれ球にブラヒムが反応

――その後の場面。ルーズボールに対して相手と競り合うも、ブラヒムは背中でブロックして有利な位置を確保する

――その後の場面。2人目の相手選手がルーズボールに反応してくるも、ブラヒムが優れたボディバランスとテクニックで先にボールに触れ、相手を躱す

――その後の場面。ブラヒムから裏に抜け出したレオンへと完璧なパスが通り、レオンが先制点を挙げた
・トランジション時の意識向上
ブラヒム個人の変化は先述の外見的なものだけでなく内面的な部分も大きかったように思われます。例えばそれは「トランジション時の意識」です。
ポジティブトランジションにおいてブラヒムは、素早く周囲のスペースと相手の状況を認識してパスを引き出し、相手のカウンタープレスを外してスペースへとボールを持ち運んでいくプレーを十八番としています。これはチーム全体がトランジションを重要視する中でそのための能力が意識的にも鍛えられ、守備の段階でしっかりとボール奪取後の自分の動きをイメージ出来ているからでしょう。
ユベントス戦でのゴール(※1)、ナポリ戦での2つのドリブル(※2、3)といった今季のブラヒムが見せた名プレーはいずれもトランジション時のものであり、彼のトランジション時の意識向上を象徴するプレーだったのではないでしょうか。
(※1当該シーン:1分28秒~)
(※2当該シーン:19秒~)
(※3当該シーン:1秒~)
他方、ネガティブトランジションにおいてもブラヒムは素早く反応し、相手の危険なカウンターの芽を摘もうとする積極的なプレーを見せます。先述した「フィジカル面の強化」により、実質的な守備貢献が出来るようになったことでチームの守備の安定に一役買っていました。

――シーン2:第24節アタランタ戦の一場面。メシアスのロストによりアタランタがカウンターを開始。ここで危険を察知したブラヒムは迅速な帰陣を見せる。

――その後の場面。ブラヒムが相手のカットインを阻止することで攻撃を遅らせ、事なきを得た
・戦術的側面
続いて、ブラヒムに関する戦術的な変化についてです。
1、2シーズン目までのブラヒムは、「チャルハノールの控え/後任」として強く位置付けられていたように見受けられ、故にピッチ上での役割も2シーズン目まではチャルハノールのように広範囲を動いてパスを引き出すゲームメーカー的な側面が強いものがありました。

――参考1:2021-22シーズンにおけるブラヒムのヒートマップ
しかしながら、チャルハノールのようなビジョンや配給能力を持っていないブラヒムではそうした役割を十分にこなせず、プレーエリアが広い(制約が少ない)ことでボールホルダーに寄り過ぎるといった悪癖が露呈することも頻発しました。
一方、3シーズン目となる今季は右ハーフスペースを基本位置とすることが多くなり、年明け以降はその傾向が明確になります。

――参考2:2022-23シーズンにおけるブラヒムのヒートマップ
基本となるプレーエリアが縮小したことで、周囲の味方との位置関係が把握し易くなり、また対面の相手との駆け引きにもより集中できるようになったはずです。その結果、持ち味とする「ライン間でのパスの引き出し」や「プレス回避からのドリブル前進」等といったプレーの精度が向上したと考えられます。
今後の改善点
さて。ここまでブラヒムのプレースタイルについてポジティブに変化した部分を振り返ってきました。
一方、ミランでの3シーズンを通しても十分に伸び切らず、今後の課題として残った部分があるようにも思います。最後にその点について触れておきましょう。
・スペースへのパス
まずは「パス精度」についてです。

――シーン:第38節ヴェローナ戦の一場面。左サイドから中に運んできたレオンからパスを受けるブラヒム

――その後の場面。カラブリアへと展開するブラヒム。ここでカラブリアの前方にはスペースがあり、そこにボールを出せれば攻撃を加速できるが、ブラヒムはカラブリアの足元(しかもやや後方)にパス

――その後の場面。カラブリアは前方のスペースを狙っていたが、これにより減速を余儀なくされる
ブラヒムは味方の足元に送るパスは問題ないものの、走り込む味方に合わせるための「スペースへのパス」が度々ズレます。
一応味方にパスは通っているため「パス成功率」という部分には表れませんが、これはチームの円滑な攻撃の流れを阻害するという点で決して看過できない問題です。

――シーン:第26節アタランタ戦の一場面。先ほどと同様に逆サイドへの中継点となるブラヒム。ここでCBトモリが前方のスペースへと狙いを付けており、ブラヒムからパスを引き出す

――その後の場面。しかしブラヒムのパスは思ったより手前側に入り、トモリは急停止。これにより攻撃の勢いが減速した
・プレー選択
他にも、「プレー選択」については改善の余地ありといえます。
先述の通りブラヒムはドリブルを持ち味とし、またキープ力も向上した事で積極性が増したように見受けられますが、その一方でドリブル(キープ)を重視するあまりパスを選択すべきタイミングを逸する場面が散見されますね。

――シーン:第38節ヴェローナ戦の一場面。カウンタープレスからブラヒムにボールが渡る。ここで相手の左WBが前に出ており、右サイドのメシアスの前方にはスペースがある状態

――その後の場面。メシアスに出せる状況でもブラヒムはボールキープを選択し、パスを出さなかった
これはプレースタイルに密接に関わる部分であるためデリケートな問題といえるものの、チャンスメーカーとして一皮剥けるためにはクリアすべき課題といえそうです。
・シュート精度
最後に挙げるのは「シュート精度」です。
「両利きのブラヒムはどちらの足でも遜色なくシュートを撃てる」という触れ込みが当初ありましたが、正直言ってどちらの足でもシュート精度は高くありません。特にダイレクトシュートの精度はかなり低く、これまでに至近距離のシュートを何度となく外しています。この点についてはユーロダービーでのあのシーン(※4)が象徴的でしょうか。
(※4当該シーン:30秒~)
チャンスに顔を出せる運動量や積極性、そして何より自らシュートチャンスを作り出せる打開力はあるので、もし今後シュート精度を改善できるならシーズン2桁ゴールは十分に達成可能ではないでしょうか。
おわりに
学習能力・意欲共に高いブラヒムは、現状だと良くも悪くもピオリの指導力を体現した選手だといえるかもしれません。
ブラヒムにとってみれば彼の下で学べること(守備時のポジショニング、インテンシティ、トランジション時の意識など)は既にきっちりと習得したようですし、更なる選手としてのレベルアップを目指すためには技術指導に長けた新監督・コーチの下でプレーすることが肝要だと思います。
もし最後のトピックで挙げた技術的な課題やプレー選択を改善できるなら、マドリーでも定位置を確保する可能性は高まるでしょう。
「マドリーで活躍する」という彼の夢が実現すると良いですね。
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ブラヒム個人の変化は先述の外見的なものだけでなく内面的な部分も大きかったように思われます。例えばそれは「トランジション時の意識」です。
ポジティブトランジションにおいてブラヒムは、素早く周囲のスペースと相手の状況を認識してパスを引き出し、相手のカウンタープレスを外してスペースへとボールを持ち運んでいくプレーを十八番としています。これはチーム全体がトランジションを重要視する中でそのための能力が意識的にも鍛えられ、守備の段階でしっかりとボール奪取後の自分の動きをイメージ出来ているからでしょう。
ユベントス戦でのゴール(※1)、ナポリ戦での2つのドリブル(※2、3)といった今季のブラヒムが見せた名プレーはいずれもトランジション時のものであり、彼のトランジション時の意識向上を象徴するプレーだったのではないでしょうか。
(※1当該シーン:1分28秒~)
(※2当該シーン:19秒~)
(※3当該シーン:1秒~)
他方、ネガティブトランジションにおいてもブラヒムは素早く反応し、相手の危険なカウンターの芽を摘もうとする積極的なプレーを見せます。先述した「フィジカル面の強化」により、実質的な守備貢献が出来るようになったことでチームの守備の安定に一役買っていました。

――シーン2:第24節アタランタ戦の一場面。メシアスのロストによりアタランタがカウンターを開始。ここで危険を察知したブラヒムは迅速な帰陣を見せる。

――その後の場面。ブラヒムが相手のカットインを阻止することで攻撃を遅らせ、事なきを得た
・戦術的側面
続いて、ブラヒムに関する戦術的な変化についてです。
1、2シーズン目までのブラヒムは、「チャルハノールの控え/後任」として強く位置付けられていたように見受けられ、故にピッチ上での役割も2シーズン目まではチャルハノールのように広範囲を動いてパスを引き出すゲームメーカー的な側面が強いものがありました。

――参考1:2021-22シーズンにおけるブラヒムのヒートマップ
しかしながら、チャルハノールのようなビジョンや配給能力を持っていないブラヒムではそうした役割を十分にこなせず、プレーエリアが広い(制約が少ない)ことでボールホルダーに寄り過ぎるといった悪癖が露呈することも頻発しました。
一方、3シーズン目となる今季は右ハーフスペースを基本位置とすることが多くなり、年明け以降はその傾向が明確になります。

――参考2:2022-23シーズンにおけるブラヒムのヒートマップ
基本となるプレーエリアが縮小したことで、周囲の味方との位置関係が把握し易くなり、また対面の相手との駆け引きにもより集中できるようになったはずです。その結果、持ち味とする「ライン間でのパスの引き出し」や「プレス回避からのドリブル前進」等といったプレーの精度が向上したと考えられます。
今後の改善点
さて。ここまでブラヒムのプレースタイルについてポジティブに変化した部分を振り返ってきました。
一方、ミランでの3シーズンを通しても十分に伸び切らず、今後の課題として残った部分があるようにも思います。最後にその点について触れておきましょう。
・スペースへのパス
まずは「パス精度」についてです。

――シーン:第38節ヴェローナ戦の一場面。左サイドから中に運んできたレオンからパスを受けるブラヒム

――その後の場面。カラブリアへと展開するブラヒム。ここでカラブリアの前方にはスペースがあり、そこにボールを出せれば攻撃を加速できるが、ブラヒムはカラブリアの足元(しかもやや後方)にパス

――その後の場面。カラブリアは前方のスペースを狙っていたが、これにより減速を余儀なくされる
ブラヒムは味方の足元に送るパスは問題ないものの、走り込む味方に合わせるための「スペースへのパス」が度々ズレます。
一応味方にパスは通っているため「パス成功率」という部分には表れませんが、これはチームの円滑な攻撃の流れを阻害するという点で決して看過できない問題です。

――シーン:第26節アタランタ戦の一場面。先ほどと同様に逆サイドへの中継点となるブラヒム。ここでCBトモリが前方のスペースへと狙いを付けており、ブラヒムからパスを引き出す

――その後の場面。しかしブラヒムのパスは思ったより手前側に入り、トモリは急停止。これにより攻撃の勢いが減速した
・プレー選択
他にも、「プレー選択」については改善の余地ありといえます。
先述の通りブラヒムはドリブルを持ち味とし、またキープ力も向上した事で積極性が増したように見受けられますが、その一方でドリブル(キープ)を重視するあまりパスを選択すべきタイミングを逸する場面が散見されますね。

――シーン:第38節ヴェローナ戦の一場面。カウンタープレスからブラヒムにボールが渡る。ここで相手の左WBが前に出ており、右サイドのメシアスの前方にはスペースがある状態

――その後の場面。メシアスに出せる状況でもブラヒムはボールキープを選択し、パスを出さなかった
これはプレースタイルに密接に関わる部分であるためデリケートな問題といえるものの、チャンスメーカーとして一皮剥けるためにはクリアすべき課題といえそうです。
・シュート精度
最後に挙げるのは「シュート精度」です。
「両利きのブラヒムはどちらの足でも遜色なくシュートを撃てる」という触れ込みが当初ありましたが、正直言ってどちらの足でもシュート精度は高くありません。特にダイレクトシュートの精度はかなり低く、これまでに至近距離のシュートを何度となく外しています。この点についてはユーロダービーでのあのシーン(※4)が象徴的でしょうか。
(※4当該シーン:30秒~)
チャンスに顔を出せる運動量や積極性、そして何より自らシュートチャンスを作り出せる打開力はあるので、もし今後シュート精度を改善できるならシーズン2桁ゴールは十分に達成可能ではないでしょうか。
おわりに
学習能力・意欲共に高いブラヒムは、現状だと良くも悪くもピオリの指導力を体現した選手だといえるかもしれません。
ブラヒムにとってみれば彼の下で学べること(守備時のポジショニング、インテンシティ、トランジション時の意識など)は既にきっちりと習得したようですし、更なる選手としてのレベルアップを目指すためには技術指導に長けた新監督・コーチの下でプレーすることが肝要だと思います。
もし最後のトピックで挙げた技術的な課題やプレー選択を改善できるなら、マドリーでも定位置を確保する可能性は高まるでしょう。
「マドリーで活躍する」という彼の夢が実現すると良いですね。
まずは「パス精度」についてです。

――シーン:第38節ヴェローナ戦の一場面。左サイドから中に運んできたレオンからパスを受けるブラヒム

――その後の場面。カラブリアへと展開するブラヒム。ここでカラブリアの前方にはスペースがあり、そこにボールを出せれば攻撃を加速できるが、ブラヒムはカラブリアの足元(しかもやや後方)にパス

――その後の場面。カラブリアは前方のスペースを狙っていたが、これにより減速を余儀なくされる
ブラヒムは味方の足元に送るパスは問題ないものの、走り込む味方に合わせるための「スペースへのパス」が度々ズレます。
一応味方にパスは通っているため「パス成功率」という部分には表れませんが、これはチームの円滑な攻撃の流れを阻害するという点で決して看過できない問題です。

――シーン:第26節アタランタ戦の一場面。先ほどと同様に逆サイドへの中継点となるブラヒム。ここでCBトモリが前方のスペースへと狙いを付けており、ブラヒムからパスを引き出す

――その後の場面。しかしブラヒムのパスは思ったより手前側に入り、トモリは急停止。これにより攻撃の勢いが減速した
・プレー選択
他にも、「プレー選択」については改善の余地ありといえます。
先述の通りブラヒムはドリブルを持ち味とし、またキープ力も向上した事で積極性が増したように見受けられますが、その一方でドリブル(キープ)を重視するあまりパスを選択すべきタイミングを逸する場面が散見されますね。

――シーン:第38節ヴェローナ戦の一場面。カウンタープレスからブラヒムにボールが渡る。ここで相手の左WBが前に出ており、右サイドのメシアスの前方にはスペースがある状態

――その後の場面。メシアスに出せる状況でもブラヒムはボールキープを選択し、パスを出さなかった
これはプレースタイルに密接に関わる部分であるためデリケートな問題といえるものの、チャンスメーカーとして一皮剥けるためにはクリアすべき課題といえそうです。
・シュート精度
最後に挙げるのは「シュート精度」です。
「両利きのブラヒムはどちらの足でも遜色なくシュートを撃てる」という触れ込みが当初ありましたが、正直言ってどちらの足でもシュート精度は高くありません。特にダイレクトシュートの精度はかなり低く、これまでに至近距離のシュートを何度となく外しています。この点についてはユーロダービーでのあのシーン(※4)が象徴的でしょうか。
(※4当該シーン:30秒~)
チャンスに顔を出せる運動量や積極性、そして何より自らシュートチャンスを作り出せる打開力はあるので、もし今後シュート精度を改善できるならシーズン2桁ゴールは十分に達成可能ではないでしょうか。
おわりに
学習能力・意欲共に高いブラヒムは、現状だと良くも悪くもピオリの指導力を体現した選手だといえるかもしれません。
ブラヒムにとってみれば彼の下で学べること(守備時のポジショニング、インテンシティ、トランジション時の意識など)は既にきっちりと習得したようですし、更なる選手としてのレベルアップを目指すためには技術指導に長けた新監督・コーチの下でプレーすることが肝要だと思います。
もし最後のトピックで挙げた技術的な課題やプレー選択を改善できるなら、マドリーでも定位置を確保する可能性は高まるでしょう。
「マドリーで活躍する」という彼の夢が実現すると良いですね。
最後に挙げるのは「シュート精度」です。
「両利きのブラヒムはどちらの足でも遜色なくシュートを撃てる」という触れ込みが当初ありましたが、正直言ってどちらの足でもシュート精度は高くありません。特にダイレクトシュートの精度はかなり低く、これまでに至近距離のシュートを何度となく外しています。この点についてはユーロダービーでのあのシーン(※4)が象徴的でしょうか。
(※4当該シーン:30秒~)
チャンスに顔を出せる運動量や積極性、そして何より自らシュートチャンスを作り出せる打開力はあるので、もし今後シュート精度を改善できるならシーズン2桁ゴールは十分に達成可能ではないでしょうか。
おわりに
学習能力・意欲共に高いブラヒムは、現状だと良くも悪くもピオリの指導力を体現した選手だといえるかもしれません。
ブラヒムにとってみれば彼の下で学べること(守備時のポジショニング、インテンシティ、トランジション時の意識など)は既にきっちりと習得したようですし、更なる選手としてのレベルアップを目指すためには技術指導に長けた新監督・コーチの下でプレーすることが肝要だと思います。
もし最後のトピックで挙げた技術的な課題やプレー選択を改善できるなら、マドリーでも定位置を確保する可能性は高まるでしょう。
「マドリーで活躍する」という彼の夢が実現すると良いですね。