ミラン守備陣の改善ポイントとダンソ獲得の噂について

ミランはRCランスに所属するケビン・ダンソの獲得レースに参戦したが、彼のことはナポリやフィオレンティーナも狙っている。24歳のダンソは今シーズン公式戦40試合に出場。チームのCL権獲得に貢献し、今ではヨーロッパ中から関心を集めている。ただしミランが他クラブに先駆け、交渉を加速させる可能性もあるだろう。彼の価格は2500~3000万ユーロだ――Footmercato

守備陣の改善点


現在のミランにとって相対的に重要度の低い「CBの補強」ですが、かといって必ずしも磐石とはいえないポジションであることも確かでしょう。

例えば「クロス対応」。今シーズンのミランはクロスから14失点を喫しており、これは36節終了時点ではサンプドリア、エンポリと並んでリーグワーストの記録です。
また「ヘディングによる失点」も多く、今季はここまで10失点。2004-05シーズン以降、ミランが1シーズンでこれより多くのヘディングゴールを許したのは2012-13シーズン(15失点)のみというデータがあります。

これらの失点をCBのみの責任と考えるのは早計ではあるものの、今季を通してレギュラーCB(トモリ、カルル)のパフォーマンスが十分に安定せず、上記の失点シーンにおいても疑問符の付く対応を何度か見せていたのも事実です。
この点、シーズン終盤になるとティアウが攻守に非常に有望なパフォーマンスを見せ、カルルからレギュラーの座を奪取したように思われますが、来季から1シーズンを通して安定するかは分かりません。そのことは、図らずも今季のカルルの苦戦が証明しています。


ダンソ獲得の噂


「緊急性は低いものの、弱点を補える補強があれば望ましい」といった現在のCB事情に際し、今回獲得候補として報じられたのがケビン・ダンソです。



ダンソは190cmと長身でかつ頑健。一見して肉体的な強みを有していることが分かりますね。
それでは空中戦はどうなのかというと、スタッツを見る限りですと無敵というほどではないものの、高い数値を記録しています。

【22-23】ダンソ_空中戦
――参考1:ダンソの空中戦に関する一試合平均スタッツ、及び今季リーグアンのCBを対象としたパーセンタイル

もう一つの注目すべきポイントは「ボール運び」に関するスタッツです。
ダンソは今季のリーグアンにてトップクラスにドリブルでボールを運んでおり、チームのボール保持時において能動的に相手の守備に揺さぶりをかけているものと推測されます。上記のプレー集でも積極的なプレス回避やドリブルによる前進が確認できますね。

【22-23】ダンソ_ボール運び
――参考2:ダンソのボール運びに関する一試合平均スタッツ、及び今季リーグアンのCBを対象としたパーセンタイル

ダンソが今のミランにフィットするかどうか判断するにはもっと様々な観点から総合的に見ていく必要がありますが、とりあえずいくつか興味深い特徴があるよというだけに今回はとどめておきたいと思います。現時点ではあまり信憑性の感じない話でありますしね。

ただし、現CB陣については先述の通りいくつか改善すべきポイントがあるという事で、それらの課題をどう解決しようとするかは注目だと思います。
一番経済的に望ましいのはティアウを始めとする現有CB陣が成長し、チームの守備に更なる安定をもたらすことですが果たしてどうなるでしょうか。

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