【単純な力負け】スペツィア対ミラン【2022-23シーズン・セリエA第35節】
今回はセリエA第35節、スペツィア対ミランのマッチレビューを行います。
スタメン

ベースフォーメーション:
スペツィア「3-5-2」
ミラン「4-2-3-1」
これまでの傾向からして(ミランにとって)凡戦になるであろうことは試合前から想像がつきましたが、予想通りだとしてもやはり腹立たしいものがあります。
そんな試合内容について、ここで改めて詳しく振り返るまでもないでしょう。
レオンを欠いたチームは攻め手を欠き、ポジショナルな攻撃のフェーズはいつも通り組織的にグダグダ。また、相手のチームスタイルに助けられたラツィオ戦とは異なり良い形でのカウンター攻撃もほとんどなく、頼みの綱であったテオによる個での打開も不発。
残る見どころはブラヒムのドリブルですが、彼のファイナルサードでの精度の低さは相変わらず。数回惜しい形こそ作れどもチャンスをモノにできず、最終的にチームはノーゴールという十分に予想できた結果に終わってしまった、と。
その一方で、予想外といえる出来事もありました。それはミランが「単純にスペツィアに力負けしたこと」です。
今までの対プロヴィンチャでは「序盤から引き気味に構えて主導権を譲ってくる相手に対し、ボールを握れども攻め切れないミラン」という構図が一般的でしたが、この試合のスペツィアは一味違いました。
というのもスペツィアは攻守にメリハリのある動きを披露し、攻撃に際しては2トップの馬力を活かしつつスピーディーな攻撃を展開。後方からのビルドアップでミランのプレッシングを躱し、速攻へ持ち込むシーンも一度ならず見られています。
守備においても最終ラインを高めに保つことを意識していたように見受けられ、最初からミランのボール支配を許容する気は無さそうでした。
そうした積極性が功を奏し、スペツィアは2-0でミランに対し快勝を収めることに成功。主要スタッツを見ても両チームのシュート数は「14対14」の互角(※枠内シュートに限れば4対3でスペツィアが優勢)であり、ポゼッション率もスペツィアが先制ゴールを決める75分までは「44対56」という事で、普段のプロヴィンチャ戦とは様相が異なったわけです。

――参考1:この試合における両チームのゴール期待値(xG)、及び実際のスコア。ミランのxGは0.88で、スペツィアのxG(1.62)に劣っている
「試合開始から守備(失点しないことを)を重視する相手から点を取るのは難しい」という主張は一理ありますし、それを今季のミランが中下位クラブ相手に勝ちきれない「言い訳」としてピオリが使っていたのを何度か目にしていますが、実際のところは今回のように「勝ちにきた」スペツィア(18位)にも負けています。
確かにこの試合のスペツィアは攻守にフレッシュなパフォーマンスで良いゲームを披露しました。しかし、裏を返せば積極的な分だけいつもより比較的スペースが残されていたわけで、ミランとしてはそのスペースを利用してチャンス創出延いては得点を奪う事が可能だったはずです。百歩譲って勝てなかったのはまだしも、得点もといロクなシュートチャンスすら生み出せなかったのはどういう事でしょうか。
――参考2:3月以降のリーグ戦11試合で、ミランが勝利したのは3試合のみ。勝利を逃した8試合の中には(当時)12位、16位、10位、14位、19位、18位との試合が含まれ、その8試合いずれも1得点以下に終わっている。
ターンオーバーの実行によるチームパフォーマンスの低下といった事情はあれど、それだけで中下位ましてや降格圏のチームに対して毎試合のように大苦戦することを正当化できるはずもありません。
結局のところ今回の試合も、「攻撃組織の未熟さ」という以前から続く課題を解決できていない(もはやピオリではその解決に期待できない)ことを改めて知らしめた一戦だったといえるのではないでしょうか。
スペツィア2-0ミラン
勝ち点3が必須の試合を落としたことにより、ミランの4位浮上は極めて難しい状況となりました。
ユーヴェ(※今季の勝ち点マイナスが無い場合)、インテルはそれぞれ残り試合で勝ち点「5」、ラツィオは残り「6」を積むとミランが彼らを上回ることは不可能になってしまう、と。CLに続き、リーグ戦もいよいよ追い込まれています。
まぁとりあえずは来るミッドウィークのCLに集中という事で…。次のインテルとの決戦ではピオリの「命綱」であるレオンが復帰予定とのことで、チームはわずかな可能性に縋ることができます。
全員の力を結集させ、大逆転突破への強い意思を感じさせるパフォーマンスを見せて欲しいですね。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
スタメン

ベースフォーメーション:
スペツィア「3-5-2」
ミラン「4-2-3-1」
想定内の試合展開
これまでの傾向からして(ミランにとって)凡戦になるであろうことは試合前から想像がつきましたが、予想通りだとしてもやはり腹立たしいものがあります。
そんな試合内容について、ここで改めて詳しく振り返るまでもないでしょう。
レオンを欠いたチームは攻め手を欠き、ポジショナルな攻撃のフェーズはいつも通り組織的にグダグダ。また、相手のチームスタイルに助けられたラツィオ戦とは異なり良い形でのカウンター攻撃もほとんどなく、頼みの綱であったテオによる個での打開も不発。
残る見どころはブラヒムのドリブルですが、彼のファイナルサードでの精度の低さは相変わらず。数回惜しい形こそ作れどもチャンスをモノにできず、最終的にチームはノーゴールという十分に予想できた結果に終わってしまった、と。
予想外の展開
その一方で、予想外といえる出来事もありました。それはミランが「単純にスペツィアに力負けしたこと」です。
今までの対プロヴィンチャでは「序盤から引き気味に構えて主導権を譲ってくる相手に対し、ボールを握れども攻め切れないミラン」という構図が一般的でしたが、この試合のスペツィアは一味違いました。
というのもスペツィアは攻守にメリハリのある動きを披露し、攻撃に際しては2トップの馬力を活かしつつスピーディーな攻撃を展開。後方からのビルドアップでミランのプレッシングを躱し、速攻へ持ち込むシーンも一度ならず見られています。
守備においても最終ラインを高めに保つことを意識していたように見受けられ、最初からミランのボール支配を許容する気は無さそうでした。
そうした積極性が功を奏し、スペツィアは2-0でミランに対し快勝を収めることに成功。主要スタッツを見ても両チームのシュート数は「14対14」の互角(※枠内シュートに限れば4対3でスペツィアが優勢)であり、ポゼッション率もスペツィアが先制ゴールを決める75分までは「44対56」という事で、普段のプロヴィンチャ戦とは様相が異なったわけです。

――参考1:この試合における両チームのゴール期待値(xG)、及び実際のスコア。ミランのxGは0.88で、スペツィアのxG(1.62)に劣っている
「試合開始から守備(失点しないことを)を重視する相手から点を取るのは難しい」という主張は一理ありますし、それを今季のミランが中下位クラブ相手に勝ちきれない「言い訳」としてピオリが使っていたのを何度か目にしていますが、実際のところは今回のように「勝ちにきた」スペツィア(18位)にも負けています。
確かにこの試合のスペツィアは攻守にフレッシュなパフォーマンスで良いゲームを披露しました。しかし、裏を返せば積極的な分だけいつもより比較的スペースが残されていたわけで、ミランとしてはそのスペースを利用してチャンス創出延いては得点を奪う事が可能だったはずです。百歩譲って勝てなかったのはまだしも、得点もといロクなシュートチャンスすら生み出せなかったのはどういう事でしょうか。
#ACMilan have won just 3 of their last 11 games, having beaten - from March onwards - only Napoli, Lecce and Lazio. pic.twitter.com/iD2r9efWus
— MilanData📊 (@acmilandata) May 13, 2023
――参考2:3月以降のリーグ戦11試合で、ミランが勝利したのは3試合のみ。勝利を逃した8試合の中には(当時)12位、16位、10位、14位、19位、18位との試合が含まれ、その8試合いずれも1得点以下に終わっている。
ターンオーバーの実行によるチームパフォーマンスの低下といった事情はあれど、それだけで中下位ましてや降格圏のチームに対して毎試合のように大苦戦することを正当化できるはずもありません。
結局のところ今回の試合も、「攻撃組織の未熟さ」という以前から続く課題を解決できていない(もはやピオリではその解決に期待できない)ことを改めて知らしめた一戦だったといえるのではないでしょうか。
スペツィア2-0ミラン
雑感
勝ち点3が必須の試合を落としたことにより、ミランの4位浮上は極めて難しい状況となりました。
ユーヴェ(※今季の勝ち点マイナスが無い場合)、インテルはそれぞれ残り試合で勝ち点「5」、ラツィオは残り「6」を積むとミランが彼らを上回ることは不可能になってしまう、と。CLに続き、リーグ戦もいよいよ追い込まれています。
まぁとりあえずは来るミッドウィークのCLに集中という事で…。次のインテルとの決戦ではピオリの「命綱」であるレオンが復帰予定とのことで、チームはわずかな可能性に縋ることができます。
全員の力を結集させ、大逆転突破への強い意思を感じさせるパフォーマンスを見せて欲しいですね。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。