ベナセル離脱をカバーするための3つの選択肢

イスマエル・ベナセル
先日のミラノダービーで負傷交代を余儀なくされたベナセル。
怪我の程度が心配されましたが、どうやら想定以上の重傷のようです。

ベナセルはひざの大腿骨外側顆の軟骨に外傷後の病変があることが判明し、関節鏡手術を受けることになった。回復に要する時間は術後に評価されることになるが、最も楽観的な仮説では、復帰まで約2ヶ月と計算されている。しかし同様の問題はかつてジャコモ・ボナベントゥーラにも起こり、彼の場合は7ヶ月以上離脱した――Sky



ベナセルが治療に比較的長く時間をかけるタイプであることを考えると、楽観的な復帰時期の方はあまりアテにできず、復帰に半年程度を要するといったネガティブな可能性も否定できません。
少なくともベナセルの今シーズンは終わりを告げ、ミランはここから凡そ3週間の残りシーズンを彼抜きで戦うことになりました。

3つの選択肢


さて。ベナセルは言うまでもなくボランチのレギュラーメンバーであり、最近はトップ下でも対戦相手によっては重要な役割を担っていただけに、その不在はチームにとって残りの今シーズンを戦い抜く上で大きな問題となります。

ピオリはベナセル(トップ下)に代わる選択肢を3つ有している。1つ目はベナセルに代わりにポベガを起用することである。2つ目はポベガをトナーリと並べて起用し、クルニッチを1列あげるというもの。そして3つ目はブラヒム・ディアスを、これまで何度も起用してきたセンターに再配置することだ――milannews



離脱したベナセルの代替候補として真っ先に挙げられているのはポベガであり、トナーリ&クルニッチとの具体的な組み合わせをどうするかというのが論点となっているようです。

この点、第29節エンポリ戦、30節ボローニャ戦におけるポベガの起用法を見るに、最近のポベガはやや低めの位置から始動して段階的に攻め上がっていく形を掴みつつあり、これは従来ポベガが担っていた役割よりもバランス型といえます。もしこの形を続けていくつもりなのであれば、上記の報道でいうところの「2つ目の選択肢」が妥当するのではないでしょうか。

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しかしクルニッチもボランチ起用(というより出し手としての役割)が板についてきたところがあり、逆にトップ下起用(受け手メイン)の場合はどうしても打開力に欠けるところが目に付くため、発展性を重要視するのであればチームにとっても彼個人にとっても現在の起用法がベターでしょう。

他方、「3つ目の選択肢」の場合はブラヒムをトップ下にスライドし直し、空いた右サイドアタッカーのポジションにメシアス(orサレマ)を置くというパターンですが、これももう発展性をあまり感じない形です。ただボランチのローテーションの必要性を考えると、今後の2試合(スペツィア、インテル)はポベガ、トナーリ、クルニッチの3人を軸にボランチを回したいため、この「3つ目の選択肢」が(少なくともどちらか一方では)採用されるかなぁと思いますね。

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