【22-23】CLナポリ戦プレビュー2回目~相手エース復帰、要注意のキックオフ直後、貴重な機会~
いつものプレビュー記事とは形式を少し変え、選手と監督の試合前インタビューを参照しつつ展望していきたいと思います。
オシムヘン復帰
ケアー「オシムヘンの復帰による変化?そこまでは大きくならないだろう。確かに彼は素晴らしいクオリティを持った選手で、とても速くとても強い。最高のシーズンを送っているし、我々も彼への準備を行った。でも基本は同じなんだ。みんなで守ってみんなで攻めるということさ。」
ナポリとの過去2戦と今回とで生じる大きな変化の一つとして、ナポリのエースである「オシムヘンの復帰」が注目されるのは間違いありません。
しかし、ケアーが述べる通りオシムヘンの在否がミランの採用する守備コンセプトに大きな影響を与えることはないでしょう。
ピオリ「ボール被保持時において常に重視されるべきポイントは、個々のディフェンダーの仕事ではなくチームワークにあるんだ。我々全員がコミュニケーションを取りながら、決意を持って相手のボール保持者に強いプレッシャーをかけ続ければ、非常に強力な相手アタッカー(オシムヘン)と対峙するディフェンダーの負担だって軽くなる」
過去2戦(特に1戦目)のミランは多くの時間帯、ナポリに中盤エリアで自由を許すことはなく、それが前線へのボール供給の制限に繋がり延いては2試合連続無失点という結果の要因の一つとなりました。
前線にいるのが例えオシムヘンであろうと、組織的なプレッシングにより相手ボールホルダーを苦しめ、前線に出るパスのタイミングやコース・精度を限定できれば彼の脅威も減らせます。そのためケアーやピオリの発言通り、過去2戦と同様に「コレクティブな守備」の実践が何より重要になってくるでしょうね。
無論、オシムヘンの存在が要注意であることに変わりありません。
というのも前回の対戦にてCFを務めたエルマスだと、相手DFラインの背後を効果的に突く動きがほとんどなく、その部分に限ってはミランDF陣からすればだいぶ楽な状況でした。
一方、オシムヘンが相手であれば背後のスペースへの警戒度はマックスになって然るべきですし、いざボールが出された時にCB(多分トモリとケアー)を中心にしっかりと守り切れるかどうかというのも非常に重要なポイントです。一時的・瞬間的にであれ1対1が生じる場面も起こるでしょうから、そこで負けない(ぶち抜かれない)ことが求められますね。
小さなアドバンテージ
ピオリ「我々は小さなアドバンテージ(ファーストレグで記録した1点)を持っている。だが、今季のナポリはCLの舞台でフランクフルト、レンジャーズ、アヤックス、リバプールといった相手と戦いながら平均で3点以上も奪っているんだ。引き続きトップレベルの試合が待ち受けていることは間違いない」
実質1点リードという状態から試合がスタートすることはミランにとってもちろんアドバンテージですが、先日のボローニャ戦のように開始から30秒で失い得る程度のリードであることも確かです。
ケアー「我々はコンパクトに、連動しないといけない。それはファーストレグの最初の10分間のような難しい場面であってもだ」
振り返ればボローニャ戦だけでなく、ファーストレグのナポリ戦も立ち上がりは非常に危険でした。特に開始1分足らずで生じたナポリの決定機が決まっていれば、ファーストレグの結果に大きく影響していたかもしれません。
2試合連続でキックオフ直後に大ピンチを迎えているのは要改善点ですし、貴重なアドバンテージを活かすためにも早々の失点だけは何としても避けたいですね。
貴重な機会
ケアー「今回のような試合を次にいつ経験できるか分からない。良くも悪くも一生忘れられない思い出になるだろう。だから僕たちはサッカーをするんだ。先日のサンシーロでの一戦は僕のキャリアの中でも最高の体験だった。明日はまた少し異なるけど、他では得られない感動を与えてくれるよ」
現在ミランに在籍する選手の多くはCLの経験が少なく、ましてベスト4進出を懸けた一戦ともなればほとんどが未経験です。此度の1戦はどういう結果になろうと選手たちを成長させてくれるでしょうね。
また、僕たちファンからしてもこれは貴重な観戦経験になります。
ミランが前回ベスト8に進んだのは11年前で、ここからもしベスト4進出となればあのCL制覇を成し遂げた2006-07シーズン以来の快挙です。
今後いつまた同様のチャンスが訪れるかは分かりませんし、この試合は必見ですね。