ミランが改善すべき「数的優位時」のプレー

先日のCLナポリ戦にて、相手選手の退場による約20分間の数的優位を活かせなかったミラン。
こうした現象が偶々であればいいのですが、データを参照するとこれがちょっとしたチームの問題点となっていることが分かります。



上掲のジュゼッペ・パストーレ氏のツイートによれば、ミランは「11対10」の数的優位でプレーした時間が過去3年間で計222分あったそうです(アディショナルタイムを除く)。しかし、その中で記録したオープンプレーによる得点はわずか2つ、逆に同時間帯には4失点を喫するなど、数的優位を十分に活用できていないことが指摘されています。
なお、数的優位時(11対10)における得点は2020年のナポリ戦で記録したハウゲのゴール、及び2021年のボローニャ戦で記録したカラブリアのゴールとされ、失点については同じボローニャ戦で2つ、2021年のELレッドスター戦で1つ、そして今年のイタリア杯トリノ戦で喫した1つが該当するとのこと。
最終的に勝利したボローニャ戦やアウェーゴール差で事なきを得たレッドスター戦はまだしも、トリノ戦はその失点により敗退を余儀なくされているわけで、今後安定した結果を求める上で決して看過できない問題といえますね。

ところで、近年のミランが数的優位時に記録した数少ないゴールの1つである当該ナポリ戦について、当時の自分が書いたマッチレビュー記事によれば「采配が的中していた」そうです。

【10年ぶりのサンパオロ攻略】 ナポリ対ミラン 【2020-21シーズン・セリエA第8節】

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詳しくは上掲の記事内における「采配的中」のトピックを読んでいただきたいのですが、ここでその内容を要約すると「ハウゲを2トップの一角に敢えて配置し、トランジション時にスペースが空きがちになるナポリのサイドのスペースを彼に突かせる」というものでした。

奇しくもその試合で指揮を執ったのがボネーラ代行監督だったという事で、そのことが数的優位時の采配に影響した可能性もあるのかもしれません。いずれにせよ、数的優位という状況を活かすにはただ闇雲にアタッカーを増やしたりフレッシュな選手を投入したりするだけでなく、狙うべきスペースを教示することでチームの意識を統一させて効率的な攻撃を行うなど、より具体的かつ効果的な采配が求められる気がしますね。

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