マトリが指摘する、テオとレオンの重要性について

テオ・エルナンデスラファエル・レオン
かつてカリアリやユベントスなどで活躍した、ミランプリマ出身のアレッサンドロ・マトリ。
そんな彼が古巣ミランについて、CLで対戦するナポリと比較しながら一つ興味深いコメントを残しました。

オシムヘンのパフォーマンスがナポリに及ぼす影響よりも、レオンとテオのパフォーマンスがミランに及ぼす影響の方が遥かに大きいと感じる。要するに、もしミランにレオンとテオが本調子でないときが訪れれば、オシムヘンが本調子でない場合のナポリよりも苦労することになるだろう

上記はレオンとテオの重要性を強調したコメントであり、僕も同様の見解を持っています。これは表現を変えれば、ミランはそれだけ両名の個人技(打開力)に依存しているといえるでしょう。

ナポリの場合はテクニックのある選手を中心にして非常に組織的な攻撃を展開しており、オシムヘンはそうしたベースの下で猛威を振るっています。彼の持つ抜群のダイナミズムやエースとしての存在感が他の選手にスペースを与えているのは確かでしょうが、攻撃力の源はあくまで組織にあるというのが僕の印象です。

一方、攻撃に際してミランが最大の強みとするトランジションの局面においては、レオンとテオが鍵を握っており、そのことは先日のナポリ戦でも窺えました。



――ナポリ戦ハイライト

レオンはチームの1点目と3点目を奪う決定的な活躍を披露。十分なスペースの下で彼にボールが与えられれば裏抜けだろうとドリブル突破だろうと点を取ってくれます。

また、テオはレオンよりも低い位置からの飛び出しやドリブルでスペースへとボールを持ち運ぶなど、チームのプレス回避に貢献すると共にチャンスメイクを行いました。


【22-23】ナポリ戦_テオ1
――シーン:ナポリ戦の一場面について。ナポリのハイプレスに対し、クルニッチは中盤エリアのスペースに縦パスを送る


【22-23】ナポリ戦_テオ2
――その後の場面。中盤エリアに入り込んだテオがフリーで前を向き、速攻を開始


【22-23】ナポリ戦_テオ3
――その後の場面。そのままテオがゴール前まで持ち運び、チャンスを演出した

ただし、このようなシチュエーション(レオンやテオが活きる状況)が作れなかった場合の二の手、三の手についてはまだまだ改善の余地がありますし、そもそも彼ら2人を組織的に活かす余地だって十分に残されているはずです(例えばCFにキープ力とパスセンスのある選手を置き、カウンター時に彼らのスピーディーなオフザボールの動きを活かす等)

安定した結果を残す今季ナポリとの「差」の一つは「攻撃時の選択肢や精度(組織力)」にあるといえ、故に両チームのキープレーヤー個人に対する依存度が違うという最初のマトリの話に帰着するわけですね。


CLナポリ戦でもレオンとテオのパフォーマンスが勝敗を左右する可能性が非常に高いため、彼らが出来る限りのベストコンディションで臨んでくれることを願いましょう。

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