デ・ケテラーレのトップ下適性について
ミランが4-2-3-1へシステム回帰したことで、デ・ケテラーレが再び10番として起用される可能性が生じている。ピオリはこのポジションがデ・ケテラーレのベストポジションだと常々語ってきた。
ブラヒムがナポリ戦後に違和感を訴えており、休養の必要性があることから、週末のエンポリ戦では早速デ・ケテラーレにチャンスが訪れるかもしれない――GdS
トップ下と一口に言っても、そのポジションに課される攻撃時の役割・機能は様々なものが考えられます。
ただし、大雑把に言えば「中盤に下がるなどしてゲームメイクに積極的に参加する(組み立ての)」役割と「ファイナルサードで積極的にボールを受け、得点に絡む(崩しの)」役割とに大別でき、これら役割の比重をチームの戦術的事情や起用選手の特徴などに応じて適切に調整することが重要だと思います。
上記を前提にデ・ケテラーレの現状について考えていくと、まず彼は後者の役割を得意とする選手だということができるでしょう。
ファイナルサードや相手のライン間にて良い形でボールを受け、仕掛けたときのクオリティの高さは現時点でも(断続的ながら)披露することが出来ており、実際に「パスによるチャンス創出の平均回数」は今季セリエAの攻撃的MFの中でも上位クラスに位置しています(『fbref』)。

――参考1:今季のセリエAにおけるデ・ケテラーレのシュート機会の創出(SCA)に関するスタッツ、及び同リーグの攻撃的MFを対象としたパーセンタイル
その一方、チームの組み立ての局面における彼の貢献は非常に限定的です。
例えば前から積極的にプレッシングを仕掛けてくるような相手と対峙した際、今のミランのトップ下に課される主な役割は「後方からのビルドアップの出口となる」ことで、それにより速攻へと繋げる働きが期待されます。
ブラヒムはそうした役割を得意としていますし、先日のナポリ戦でトップ下として先発したベナセルもまた、そうした役割をブラヒムと協力してこなしていました。

対するデ・ケテラーレはそうした局面で中々持ち味を発揮できていません。
例えば、彼が最後に先発した1カ月前の第25節フィオレンティーナ戦について振り返ると…。前からのアグレッシブなプレッシングを仕掛けるヴィオラに対し、デ・ケテラーレは主にアムラバトに注意深くマークされると存在感が希薄に。
ビルドアップがままならないミランはそのままヴィオラの圧力に呑まれ、最終的に2-1で敗れました。

――シーン1:当該フィオレンティーナ戦の一場面。アムラバトにマークされるデ・ケテラーレ
この点について、そもそもデ・ケテラーレにこうした役割を課すのは適切なのか?という疑問が僕の中で生じています
というのも、先述の通り彼はアタッカー色の濃い選手であり、従来求めるべきはよりゴールに近いエリアでの貢献のはず。
であればそうした持ち味が発揮できるように(周囲との組み合わせやシステム変更など)環境を整えるのが道理ですが、僕の見る限りデ・ケテラーレの役割はブラヒムのソレをほとんどそのまま当てはめているようにしか思えません。
相手のプレッシャーを躱し、前を向いてドリブルで運んでいくブラヒムの得意スタイルを真似るのは難しいですし、そもそもデケテラーレは(少なくとも現時点だと)下がってゲームを組み立てるのに秀でたタイプでないことが窺えます。すなわち現チー厶におけるデ・ケテラーレのトップ下適性について疑問の余地があるわけですね(念のため強調しておきますが、デ・ケテラーレ自体に適性がないといっているわけではありません)。
率直に言って、僕はデ・ケテラーレのCF起用が見たいです。
それならシンプルに高めの位置でのプレーが可能となり、彼個人の持ち味が発揮しやすくなるでしょうし、チームとしてもジルー起用時には期待できない「1トップの流動的な動き」を起点とする組織的な崩しがレパートリーに加わる可能性が生じます。
現時点でジルーがCFの1番手であることに異存はありませんが、オリギや(今の)レビッチを次点に置くくらいならデ・ケテラーレにチャンスを与えて欲しいと常々思っているのですが…。最初に触れた報道を見るに、残念ながらあくまでも監督にとって彼は「ブラヒムの『代役』」であり、今後も適切とは思えない役割を課せられそうな感じですね。
ただし、大雑把に言えば「中盤に下がるなどしてゲームメイクに積極的に参加する(組み立ての)」役割と「ファイナルサードで積極的にボールを受け、得点に絡む(崩しの)」役割とに大別でき、これら役割の比重をチームの戦術的事情や起用選手の特徴などに応じて適切に調整することが重要だと思います。
上記を前提にデ・ケテラーレの現状について考えていくと、まず彼は後者の役割を得意とする選手だということができるでしょう。
ファイナルサードや相手のライン間にて良い形でボールを受け、仕掛けたときのクオリティの高さは現時点でも(断続的ながら)披露することが出来ており、実際に「パスによるチャンス創出の平均回数」は今季セリエAの攻撃的MFの中でも上位クラスに位置しています(『fbref』)。

――参考1:今季のセリエAにおけるデ・ケテラーレのシュート機会の創出(SCA)に関するスタッツ、及び同リーグの攻撃的MFを対象としたパーセンタイル
その一方、チームの組み立ての局面における彼の貢献は非常に限定的です。
例えば前から積極的にプレッシングを仕掛けてくるような相手と対峙した際、今のミランのトップ下に課される主な役割は「後方からのビルドアップの出口となる」ことで、それにより速攻へと繋げる働きが期待されます。
ブラヒムはそうした役割を得意としていますし、先日のナポリ戦でトップ下として先発したベナセルもまた、そうした役割をブラヒムと協力してこなしていました。

【完勝】ナポリ対ミラン【2022-23シーズン・セリエA第28節】
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例えば、彼が最後に先発した1カ月前の第25節フィオレンティーナ戦について振り返ると…。前からのアグレッシブなプレッシングを仕掛けるヴィオラに対し、デ・ケテラーレは主にアムラバトに注意深くマークされると存在感が希薄に。
ビルドアップがままならないミランはそのままヴィオラの圧力に呑まれ、最終的に2-1で敗れました。

――シーン1:当該フィオレンティーナ戦の一場面。アムラバトにマークされるデ・ケテラーレ
この点について、そもそもデ・ケテラーレにこうした役割を課すのは適切なのか?という疑問が僕の中で生じています
というのも、先述の通り彼はアタッカー色の濃い選手であり、従来求めるべきはよりゴールに近いエリアでの貢献のはず。
であればそうした持ち味が発揮できるように(周囲との組み合わせやシステム変更など)環境を整えるのが道理ですが、僕の見る限りデ・ケテラーレの役割はブラヒムのソレをほとんどそのまま当てはめているようにしか思えません。
相手のプレッシャーを躱し、前を向いてドリブルで運んでいくブラヒムの得意スタイルを真似るのは難しいですし、そもそもデケテラーレは(少なくとも現時点だと)下がってゲームを組み立てるのに秀でたタイプでないことが窺えます。すなわち現チー厶におけるデ・ケテラーレのトップ下適性について疑問の余地があるわけですね(念のため強調しておきますが、デ・ケテラーレ自体に適性がないといっているわけではありません)。
率直に言って、僕はデ・ケテラーレのCF起用が見たいです。
それならシンプルに高めの位置でのプレーが可能となり、彼個人の持ち味が発揮しやすくなるでしょうし、チームとしてもジルー起用時には期待できない「1トップの流動的な動き」を起点とする組織的な崩しがレパートリーに加わる可能性が生じます。
現時点でジルーがCFの1番手であることに異存はありませんが、オリギや(今の)レビッチを次点に置くくらいならデ・ケテラーレにチャンスを与えて欲しいと常々思っているのですが…。最初に触れた報道を見るに、残念ながらあくまでも監督にとって彼は「ブラヒムの『代役』」であり、今後も適切とは思えない役割を課せられそうな感じですね。