本人と恩師が語る、デ・ケテラーレの現状について
今回はそんな彼のコメントを、先日デ・ケテラーレ本人がベルギーメディアに語った内容と合わせて見ていきたいと思います。
苦戦と変化
スフリューデル:デ・ケテラーレ獲得はミランのミスなのかって?絶対に違う。彼はトッププレーヤーになる男だ。セリエAの物理的なインパクトに適応するために1年を費やせば、彼は大きく改善するだろう
デ・ケテラーレ:ここまでネガティブなシーズンを送ってしまっていることは間違いない。その原因については、環境、より高いレベルのサッカー、様々な事への適応…それにピッチ外の生活など色々ある。自分が変化した部分としては、最近はよりプロフェッショナルな方法で身体をケアするようになったよ。ブルッヘにいた頃よりもずっとトレーニングの前後に気を使い、たくさん身体を鍛えたり食生活に気を配ったりしたおかげで体調が良くなっているんだ
交渉の長期化により、デ・ケテラーレがミランに加入したのはセリエA開幕直前のことでした。
そのため、プレシーズンを通したチームメイトとの相互理解やチームの戦術理解といった重要な作業を行うことがほとんどできないままシーズンインを余儀なくされるなど、結局のところそうした準備不足が尾を引いてしまっている感は否めませんね。
現在は肉体強化や食事による体質改善に意欲的だそうですし、この出番が限られている時期にしっかりとフィジカルコンディションを整えるというのは良いことだと思います。特にデ・ケテラーレの場合は身体的なポテンシャルも高いですし、更なる筋肉を付けると共に動きのキレを維持・向上してパフォーマンスを高めていって欲しいですね。
ピッチ上
スフリューデル:デ・ケテラーレがミランで得点機を逃していることは知っているが、本当は得点の取り方を分かっている選手だ。彼は右サイドでもプレーできるけど、私からすれば彼はセカンドストライカーだね。ゆっくりしているようにも見えるが、実際ピッチ上の彼はとても速いよ
デ・ケテラーレ:ベルギーリーグと比較してイタリアはレベルもインテンシティも高く、相手のペナルティエリアに侵入するのがより難しくなっている。試合はより戦術的で、常に集中していないといけない。トレーニングでもベルギー時代と比べてより戦術に重点を置いているよ
その巨大なポテンシャルを部分的に披露することが出来ている一方、継続性に欠けているというのがデ・ケテラーレの現状ですが、その原因の一部にはやはりリーグレベルや求められる精度・集中力に違いがあるようです。
正直、デ・ケテラーレ(のようなタイプの選手)が本領を発揮できていないのは彼個人の適応スピードだけではなく、監督・コーチ陣の指導能力にも少なからず問題があると個人的には思います。が、いずれにせよセリエAで継続的に活躍していくためにはプレー精度や戦術理解度を高めていく必要があるわけで、めげることなく改善に取り組んでもらいたいです。
性格
スフリューデル:彼はサッカーに全てを捧げている知的な選手といえるね。夜にパーティーをするような男ではなく、一見するとシャイにも見えるが、私と一緒にいた時は懸命にハードワークして戦っていた。礼儀正しく冷静な一方、負けず嫌いでとても競争意識が強い勝者だよ。
デ・ケテラーレ:ここ数カ月で人としてより成熟できたと思っている。自然な流れで、自分の中に落ち着きが生まれてきたんだ。自分にできることが何かを自覚し、感情に流されないようになったよ
第11節のモンツァ戦を始め、決定機を逃した際にデ・ケテラーレがピッチ上でフラストレーションを露にするシーンは少なくありませんでした。
そうした感情が瞬間的なものであれば良いものの、仮に引きずるようだとメンタル的にどんどん厳しくなりそうだなぁと懸念していたのですが…。どうやら本人のコメントを聞く限りメンタルコントロールは問題なさそうです。
また、スフリューデルのコメントにある通り、デ・ケテラーレの素行の良さについては関係者が口を揃えています。そうした性格が必ずしも成功を保証してくれるわけではありませんが、大成と継続的な活躍の要因になることは往々にしてあるため、引き続き彼の将来性には大いに期待していきたいと思います。