新システムにおけるカラブリアのポジションについて
これまで負傷離脱していた選手が続々と戦列復帰を果たしている最近のミラン。
次節のフィオレンティーナ戦ではベナセルとカラブリアも戻ってくるそうです。
これにより、ミランは今シーズン初めてフルメンバーが揃ったことになります。長かったですね…。
しかしながら、カラブリア復帰に際して1つの疑問が生じています。それは「カラブリアをどのポジションで起用するべきか?」という点です。
というのも、此度のカラブリア離脱と時を同じくしてミランは基本システムを「3-4-2-1」に変更しており、右SBを本職とする彼の起用法について議論の余地があるわけですね。
この点、『GdS』は以下のように報じています。
また、彼は離脱前最後の試合となったトリノ戦だとサレマと交代で右WBに入り、数分間プレーしていました。よって、差し当たり起用の可能性があるのはこの2ポジションということになります。
新システムにおけるカラブリアのポジションを考えていく上では、これまでの彼が担っていた基本的な「役割」を想起する必要があります。
ここ数年の彼は右SBのレギュラーとして継続的にプレーしてきましたが、一口に右SBといっても彼の受け持つ役割やその比重、それに応じた動き方は対戦相手や試合状況に応じて様々です。例えばビルドアップにおいては通常の4バックの一角(※1)としてだけではなく、2CBと3バックを構成(※2)しながら後方のビルドアップに深く関与することもありましたし、また時には中盤に潜り込んでパスコースを作り出す(※3)といった形も必要に応じて行っています。

――※1。サレルニターナ戦の一場面

――※2。ウディネーゼ戦の一場面

――※3。昨季のアタランタ戦の一場面
一方、後方のビルドアップへの関与はほどほどに、ミドルサードより上のエリア(高い位置)に積極的にポジショニングする試合(展開)もあります。その際には、大外を起点に味方との連携からボールを敵陣深くまで運んでクロスを上げたり(※4)、もしくは自らゴール前に飛び込んでシュートを放ったり(※5)といった仕事が多くなりますね。
――※4。サッスオーロ戦のアシストシーン(59秒~)
――※5。レッチェ戦のゴールシーン(2分15秒~)
こうした様々な役割をそつなくこなすことが出来る「バランス感覚・多機能性」といった部分がカラブリアの長所の一つだと個人的には思いますし、したがって新システムにおけるカラブリアのポジションも、彼にどんな役割を主に任せたいかによって決まるのではないかと考えます。
具体的に見ていくと…。まず右CBであれば、後方のビルドアップへの関与の比重が大きくなるでしょう。前方のWB(メシアス)、ボランチ(ベナセル)、アタッカー(ブラヒム)との関係性は従来と大きく変わることはなく、おそらくほとんど違和感なくプレーできるのではないかと思います。
また、スタートポジションが後方の内寄りがとなる右CBは、カラブリアのプレースタイル・特徴を活かし易い位置といえるはずです。先日のアタランタ戦で同ポジションを務めたカルルが見せたように、そこからサイドに開いたり高い位置を取ったりといった形でチームに流動性をもたらしつつ、積極的にボールを受けてボールの前進を主導する役目を担うことになるかなと。
他方、このポジションだとカラブリアが守備時にCBとしてプレーすることになる点に疑問の声が挙がっていますが、個人的にはそこまで問題にはならないと思っています。鋭く縦スライドに出る時と引く時の判断は十分で、最終ラインの一員としての基本的な振る舞いも身に付けているため、立ち位置の調整に手間取らなければ大丈夫でしょう。
ただ強いて言えば、相手チームがクロスを用いた攻撃を得意とし、かつ相手アタッカーに空中戦の強い長身の選手がいるような場合は起用を控えた方が良いかもしれませんね。
続いてカラブリアを右WBとして起用した場合についてですが、その際は攻撃的な役割の比重が大きくなります。
周囲との関係性を見てもボールを受ける位置は比較的高くなるでしょうし、それ故に攻撃面での直接的な貢献がより求められるはずです。ちなみに、先日のアタランタ戦では両WB(テオ、メシアス)がそれぞれゴールを決めましたね。
とは言え、カラブリアに先日のテオやメシアスのような類のゴールが期待できるかというと難しいところで、またドリブルで仕掛けてチャンスメイクするようなタイプでもないため、彼の攻撃力を活かすには周囲との連係プレーがより重要になってくるでしょう。
実際のところは、WBに守備を重視させたいときにカラブリア、攻撃(得点力)に重点を置くときにメシアスと使い分けるのが妥当かもしれませんね。
最後に。基本システムの変更に伴い、カラブリアの起用法にも多少なり変化が生じることになりました。
以前のスタメン確実といった立場からは後退したようにも見受けられますが、正直その方がチームの安定という観点からは良さそうです。
というのも、カラブリアは連戦になると大きくパフォーマンスを落としたり怪我をしやすくなったりと、絶対的レギュラーと位置付けるにはタフネスに物足りなさを感じるところがありました。そのため、ローテーションに組み込まれた方が安定したパフォーマンスを発揮できるはずです。
無論、それはいずれにせよカラブリアが新システムにおいても実力を発揮することが前提ですし、復帰後の彼のポジションとパフォーマンスには注目ですね。
次節のフィオレンティーナ戦ではベナセルとカラブリアも戻ってくるそうです。
ベナセルとカラブリアは本日(3月1日)、ミラネッロでグループ練習に参加した。両選手は週末のフィオレンティーナ戦、延いてはトッテナム戦に向けて完全回復する予定だ――Milannews
これにより、ミランは今シーズン初めてフルメンバーが揃ったことになります。長かったですね…。
カラブリアの起用法
しかしながら、カラブリア復帰に際して1つの疑問が生じています。それは「カラブリアをどのポジションで起用するべきか?」という点です。
というのも、此度のカラブリア離脱と時を同じくしてミランは基本システムを「3-4-2-1」に変更しており、右SBを本職とする彼の起用法について議論の余地があるわけですね。
この点、『GdS』は以下のように報じています。
ピオリはカラブリアを3-4-2-1の右CBとして起用し、現在ほぼフル稼働しているカルルの代役を確保するつもりかもしれない
また、彼は離脱前最後の試合となったトリノ戦だとサレマと交代で右WBに入り、数分間プレーしていました。よって、差し当たり起用の可能性があるのはこの2ポジションということになります。
📰 #Gazzetta: Here is where Davide Calabria could play pic.twitter.com/ym14ZCIa9U
— Milan Posts 🏆🇮🇹 (@MilanPosts) March 1, 2023
カラブリアのプレースタイル・役割
新システムにおけるカラブリアのポジションを考えていく上では、これまでの彼が担っていた基本的な「役割」を想起する必要があります。
ここ数年の彼は右SBのレギュラーとして継続的にプレーしてきましたが、一口に右SBといっても彼の受け持つ役割やその比重、それに応じた動き方は対戦相手や試合状況に応じて様々です。例えばビルドアップにおいては通常の4バックの一角(※1)としてだけではなく、2CBと3バックを構成(※2)しながら後方のビルドアップに深く関与することもありましたし、また時には中盤に潜り込んでパスコースを作り出す(※3)といった形も必要に応じて行っています。

――※1。サレルニターナ戦の一場面

――※2。ウディネーゼ戦の一場面

――※3。昨季のアタランタ戦の一場面
一方、後方のビルドアップへの関与はほどほどに、ミドルサードより上のエリア(高い位置)に積極的にポジショニングする試合(展開)もあります。その際には、大外を起点に味方との連携からボールを敵陣深くまで運んでクロスを上げたり(※4)、もしくは自らゴール前に飛び込んでシュートを放ったり(※5)といった仕事が多くなりますね。
――※4。サッスオーロ戦のアシストシーン(59秒~)
――※5。レッチェ戦のゴールシーン(2分15秒~)
こうした様々な役割をそつなくこなすことが出来る「バランス感覚・多機能性」といった部分がカラブリアの長所の一つだと個人的には思いますし、したがって新システムにおけるカラブリアのポジションも、彼にどんな役割を主に任せたいかによって決まるのではないかと考えます。
右CB
具体的に見ていくと…。まず右CBであれば、後方のビルドアップへの関与の比重が大きくなるでしょう。前方のWB(メシアス)、ボランチ(ベナセル)、アタッカー(ブラヒム)との関係性は従来と大きく変わることはなく、おそらくほとんど違和感なくプレーできるのではないかと思います。
また、スタートポジションが後方の内寄りがとなる右CBは、カラブリアのプレースタイル・特徴を活かし易い位置といえるはずです。先日のアタランタ戦で同ポジションを務めたカルルが見せたように、そこからサイドに開いたり高い位置を取ったりといった形でチームに流動性をもたらしつつ、積極的にボールを受けてボールの前進を主導する役目を担うことになるかなと。
他方、このポジションだとカラブリアが守備時にCBとしてプレーすることになる点に疑問の声が挙がっていますが、個人的にはそこまで問題にはならないと思っています。鋭く縦スライドに出る時と引く時の判断は十分で、最終ラインの一員としての基本的な振る舞いも身に付けているため、立ち位置の調整に手間取らなければ大丈夫でしょう。
ただ強いて言えば、相手チームがクロスを用いた攻撃を得意とし、かつ相手アタッカーに空中戦の強い長身の選手がいるような場合は起用を控えた方が良いかもしれませんね。
右WB
続いてカラブリアを右WBとして起用した場合についてですが、その際は攻撃的な役割の比重が大きくなります。
周囲との関係性を見てもボールを受ける位置は比較的高くなるでしょうし、それ故に攻撃面での直接的な貢献がより求められるはずです。ちなみに、先日のアタランタ戦では両WB(テオ、メシアス)がそれぞれゴールを決めましたね。
とは言え、カラブリアに先日のテオやメシアスのような類のゴールが期待できるかというと難しいところで、またドリブルで仕掛けてチャンスメイクするようなタイプでもないため、彼の攻撃力を活かすには周囲との連係プレーがより重要になってくるでしょう。
実際のところは、WBに守備を重視させたいときにカラブリア、攻撃(得点力)に重点を置くときにメシアスと使い分けるのが妥当かもしれませんね。
最後に。基本システムの変更に伴い、カラブリアの起用法にも多少なり変化が生じることになりました。
以前のスタメン確実といった立場からは後退したようにも見受けられますが、正直その方がチームの安定という観点からは良さそうです。
というのも、カラブリアは連戦になると大きくパフォーマンスを落としたり怪我をしやすくなったりと、絶対的レギュラーと位置付けるにはタフネスに物足りなさを感じるところがありました。そのため、ローテーションに組み込まれた方が安定したパフォーマンスを発揮できるはずです。
無論、それはいずれにせよカラブリアが新システムにおいても実力を発揮することが前提ですし、復帰後の彼のポジションとパフォーマンスには注目ですね。