苦境が続くオリギについて
ここまでチームトップの年俸に見合う活躍を見せてない彼にとって挽回を期する一戦となりましたが、今回もチャンスを活かすことはできず、63分にピッチを退いています。
また、この試合ではポジティブな結果を出すことが出来なかった一方で、以下のような不名誉な記録を残してしまいました。
モンツァ戦のオリギは63分間ピッチに立ったが、成功したパス本数はわずか1本、成功率にして25%だ。セリエAで60分以上出場した選手の中で、これより悪い成績を残した者はいない――GdS
オリギのパフォーマンス
~VSモンツァ~
ミランの攻撃(ポゼッション)が機能しなかった理由については前回のマッチレビュー記事にて言及済みですが、そもそもオリギに対して十分なサポートが行われなかった側面はあると思います。
しかしながら、もちろんオリギ個人に物足りなさを感じたのも事実であって、例えばそれは以下のようなポストプレーの場面です。

――シーン1
上記はミランが上手くボールを前進させたシーンです。2トップの内レオンがサイドに開いて相手を引き付け、中央にいるオリギへと縦パスが差し込まれます。

――その後の場面
その後、オリギはワンタッチパスを選択。ここで背後のスペースへとボールを転がせればチャンスシーンに繋がり得たわけですが、方向を誤り手前の相手選手に引っかけフイになりました。
これ以外にも楔のパスへの反応に遅れて相手にインターセプトされるなど、彼のポストプレー精度の低さというのが一度ならず見られています。
他方、ジルーとのプレースタイルの比較という観点から、オリギの機動力に対し多少なりポジティブな印象は受けました。
この試合では相手の裏のスペースを突く(突ける)シーンは少なかったものの、それでも裏抜けから深い位置にボールを運んだり、サイドに流れてボールをキープしたりといったプレーを何度か披露。そこからチャンスメイクにまでは至りませんでしたが、ジルーと異なるプレースタイルを有する彼は貴重な戦術的オプションになり得ますね。

――シーン2:サイドに流れたオリギにスルーパスが通る。オリギは相手マーカーをいったん振り切り、この後サイド深い位置でキープした

――シーン3:後半の速攻の場面。裏に抜け出したオリギへブラヒムからスルーパスが通る。パスはサイド方向に流れるも、この後オリギは追いつきクロスを送った
とはいえ正直なところ、今後ミランが更なるチーム力アップを果たすには、こうしたオリギのプレーを「ハイレベル」にこなす選手が必要だと思います。
また報道だと、ミランは今夏こそエースとなり得る有望な即戦力ストライカーの補強に動くつもりがあるようですし、それがもし実現すればオリギのミランでの立場というのは危うくなるでしょう。
モンツァ戦でデ・ケテラーレがまたしても決定機を逃したのは残念だが、ミランがそれでもなお彼を信じるのは正しいことだろう。一方、オリギは経験がある中でのプレーであり、デ・ケテラーレよりも弁解の余地は少ない――MilanNews
中堅のオリギが自らの価値を証明するための時間は多くない可能性が高いですし、ミランでの地位を守りたいなら早急な活躍が必須といえますね。