ラファエル・レオンは勢いを取り戻せるか~3試合ぶりのスタメン復帰へ~

ラファエル・レオン

レオンの先発復帰?


先日のインテル戦に引き続き、ミランは次節のトリノ戦でも3バックを継続する予定です。
しかし、先発メンバーは少なくない変化が予想され、前線の配置についても調整が加えられると報じられています。

ミランは前節に披露した3-5-2のアイディアを完全に捨てることはしないが、3-4-1-2に変更する可能性がある。その場合、前線はレオンとジルーの背後にブラヒムを置く形となるだろう。
中盤についてはベナセルの復帰が間に合わないと見られるため、トナーリとクルニッチがダブルボランチを組むはずだ。両WBはテオとカラブリアで、CBはティアウもしくはガッビアがカルル&ケアーと組むことになると見られる(現在はガッビアがスタメン争いをリード)。
――Di Marzio



タタルシャヌやジルー等が当たり前のようにスタメン予想され続ける戦力事情に改めて危機感を覚えるわけですが、まぁもうそれを嘆いたところで今季はどうしようもありません。

とりあえずレオンの3試合ぶりとなるスタメン入りは濃厚という事で、彼の能力をしっかりと活かせるかどうかがトリノ戦の行方を左右することになりそうです。

次節の展望


レオンを中心に次節の内容を具体的に予想していくと、まず攻撃面では「速攻とカウンター」の局面が鍵を握るでしょう。

トリノはアウェーでもミランに対しアグレッシブに前からプレッシングを仕掛けてくることが予想されますが、それに対しミランの上記の先発メンバー+システムでは後方から効果的にパスを繋げる可能性はかなり低いです。故にビルドアップフェーズの多くは大雑把なロングボールにより打開を図る形になると予想されます。

そこから速攻(チャンス)へと繋げるには前線のアタッカー陣の頑張りが不可欠であり、ジルーの空中戦やレオンのスピード・裏抜けなどを活かすことで何とかマイボールにすることが求められる、と。
カウンターの局面然りスペースがあればレオンは活きますし、それは不調と評される現在でも変わりません(先日のインテル戦でも数少ないカウンターチャンスから決定機を演出。ジルーが台無しにしましたが)。よって速攻・カウンターの局面を多く作れればレオンが躍動する可能性は高まり、結果として得点チャンスは増えるでしょうね。

一方、自陣に引いた相手をポゼッションにより崩すフェーズも試合の中ではもちろん生じるでしょうが、その際にレオンに期待できることは多くありません(というよりチーム自体に期待できない)。
おそらくビルドアップを確立できた場合には3-4―3的な感じの配置になると予想されますが、ピオリの采配傾向からしてジルーとレオンの距離を離すことは考え辛く、ゴール前の狭いスペースで窮屈そうにプレーするレオンの姿が想像できます。


続いて守備の局面について。レオンのカウンター時における重要性や守備意識の低さから考えて、これまで通りレオンの守備負担を減らすようにシステムが構築されることが濃厚です。
そのため、先述の報道にもあるようにジルーとレオンの2トップで第一プレッシャーラインを構成する形は考えられます。

他方、この点でポイントになるのはブラヒムの役割で、「前線から相手に圧力をかける役割」、「味方の中盤をサポートする役割」のどちらに力点を置かせるかによってチームの基本となる振る舞いも変わってくるはずです。
例えば前者を重視するならシステム表記は3-4―3といえるものになり、前線の3トップで相手の3バックを抑えにいく(アグレッシブな振る舞いになり易い)形が基本となるでしょう。一方で後者を重視するなら、味方ダブルボランチと協同して相手のボランチやその周辺のスペースを管理する形が基本となり、チームとしての振る舞いは相対的にディフェンシブになり得ますね。

もちろん試合状況やボールの位置などに応じて両者を柔軟かつ的確に使い分けられればベストですが、練度の低いシステムを採用する上に選手個々のパフォーマンスも落ちている今、明確な戦術的指示の下でプレーしないとリスクが大きいです。例えバックラインの枚数を増やそうが、前後の距離間が開き危険なスペースを与えてしまえば効果は限りなく低いですし、その辺がしっかりしているかどうかは非常に重要なポイントといえますね。



さて。年明け以降のレオンはここまで公式戦8試合に出場して2ゴール1アシストと、エースとしてはかなり物足りない数字に止まっています。
しかしチームが守備崩壊の立て直しに重きを置く中、攻撃面ではレオン個人に懸かる責任と期待が高まるのは必然でしょう。

是非とも次節は勝利に貢献する活躍を披露し、自身と共にチームの勢いも取り戻して欲しいと思います。

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