カルディナーレはザニオーロよりツィエク派?
その理由の一つは「競合クラブの存在」であり、前回の記事でも触れたようにプレミアのボーンマスが「3000万ユーロ+ボーナス」という移籍金を用意してローマとクラブ間合意に達しています。
そうなると当然、ローマ側としてはミランにもザニオーロ放出に際して同額を希望するわけですが、ミランには同額を払う意思もとい経済的余裕が無さそうです。
ミランはザニオーロの獲得レースから撤退することを決定し、これ以上の改善オファーを出すことはないだろう――Di Marzio
『Tuttosport』によるとカルディナーレはマルディーニと電話で話し、以下の3点を理由にザニオーロ獲得に疑問を呈したそうです。
・ここ数シーズンのザニオーロは怪我が多く、既に十字靭帯を2度も断裂している。成長していくための身体的な耐久性に疑問がある
・時に気性の荒さを見せるなど、精神面が未知数
・経済的理由(※先述の通り)
カルディナーレが本当に上記を指摘したのかはさておき、懸案事項自体はいずれも的を射ているように感じます。
というのも数年前に自身のポテンシャルの高さを実証してみせたザニオーロですが、それからは大怪我もあり伸び悩み、現在はコンスタントに結果を残すことに苦戦中。だからこそ今のミランに獲得のチャンスがあるとも言えますが、今季のミランの負傷者状況を考慮するとザニオーロが怪我なく継続的にプレーできるかは疑問の余地があります。
また気性の荒さについては、今季のELベティス戦での退場シーンが適例でしょうか。その時はボールと関係のないところで相手選手を蹴り、一発退場しています。
こういうのは環境の変化によって改善することもありますが、確かに気がかりな点ではありますね。
以上を踏まえつつ、オーナーが最も気にしているであろう経済的側面を考慮すれば、カルディナーレがザニオーロ獲得に否定的であることは想像に難くありません。ただでさえミランは今夏の新戦力を未だ一人も主力に組み込めず、補強に関するオーナーの心証を著しく損なっているわけですしね。
個人的には、現在のチームの閉塞感を打破するための「起爆剤」として、そして何よりその「ポテンシャル」に期待してザニオーロ獲得に賛成寄りの立場なのですが、大分リスキーな取引であるとも感じています。そのため、この件についてはオーナーのストップが入っても致し方ないのかなぁと。
一方、同ソースによるとカルディナーレはマルディーニ&マッサーラに対し、ツィエクの獲得交渉を再開させてはどうかと提案したとのことです。
ツィエクも獲得のハードルは決して低くないわけですが、確かにザニオーロに比べれば金銭面で有利な条件を引き出せる可能性はあるかもしれません。
チェルシーはツィエクの移籍金を2000万ユーロに設定しているが、値段は交渉の余地がある。また、ミランはツィエクと2年以上の契約を結べば成長令の恩恵を受けることができ、この取引にかかる総費用の削減が可能だ――SportMediaset
まぁ結局のところ、これまで通り年俸額について合意が得られず交渉不成立という流れが濃厚ですが…。駆け込み補強は果たして実現するのでしょうか。