【2022-23シーズン前半戦】ミラン選手のパフォーマンス評価【ストライカー編】

今回は、2022-23シーズン前半戦におけるミランのストライカーについて、そのパフォーマンスを振り返っていきたいと思います。

7回に渡って書いてきた本シリーズもこれが最終回です。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。


オリヴィエ・ジルー


ジルー1

・セリエA
13試合(768分) 5得点 3アシスト

・CL
6試合(431分) 4得点 2アシスト



今シーズン前半戦における、ミランのMVP候補の1人といって差し支えないと思います。

シーズン開幕こそコンディション調整の遅れによりベンチスタートとなりましたが、第3節のボローニャ戦でスタメン復帰を果たすと、その後は驚異の12試合連続先発。同ポジションのライバルが中期間の負傷離脱を余儀なくされていた中、超過密日程にも関わらずフル稼働を続けました。

更に、そうした状況下でもしっかりと結果を残していたというのも特筆すべきでしょう。例えば9月に行われた試合では5戦中4戦でゴールを決め、その中にはインテルとのダービーマッチやナポリ戦でのゴールも含まれています。


(※得点シーン:1分31秒~)

流石に10月に入ると連戦による疲労の色が濃くなりましたが、中旬頃にはオリギが復帰を果たしたことでローテーションを組めるようになり、ようやくジルーも休むことが出来ました。
すると、11月には再び勢いを取り戻すことに成功。第13節スペツィア戦では見事なボレーシュートで決勝点を挙げ、更にCL第6節のザルツブルク戦では2ゴール・2アシストの大活躍でチームを決勝トーナメントに導いています。

たとえ疲れていてもファーストディフェンダーとしての仕事をサボることがないジルーは非常に献身的な選手といえますが、それよりも今季前半戦は「ストライカーとしての側面」が目立っていたように感じます。
ゴールへの意欲の高さは多くの試合で見受けられましたし、先述したザルツブルク戦ではハットトリックを狙いに最後の最後までゴール前へ走り込んでいたのがとても印象的でした。

ファン・ダイク「ジルーには最も苦戦させられた」

ファン・ダイク「ジルーには最も苦戦させられた」

※関連記事



さて。現在のジルーのスコアポイントは9ゴール・5アシストという事で、このままのペースでいければ昨季(14ゴール・4アシスト)以上の成績を残すことが出来ます。

W杯参加による肉体的・精神的疲労が懸念されますが、おそらくジルーの経験とプロ意識であればシーズン後半戦もしっかりとチームに貢献してくれるでしょう。
昨季の個人記録を上回る活躍に期待したいですね。


アンテ・レビッチ


・セリエA
10試合(424分) 3得点 2アシスト

・CL
4試合(232分) 0得点 0アシスト



プレシーズンマッチでしっかりと調整し、万全の状態で迎えた今シーズン。
開幕のウディネーゼ戦にて1トップで起用されたレビッチは、ドッピエッタの活躍で期待に応えました。

そのまま今シーズンは勢いに乗るかと思われましたが、開幕から約2週間後に軽度のヘルニアを発症して1カ月強の離脱を余儀なくされることに。

戦列復帰後は持ち前のユーティリティー性を活かし、前線の様々なポジションでプレー。特に今季は負傷者の関係もあり右サイドを担当することが多く、CL第5節・6節では同ポジションでチームの大勝に貢献しています。

レビッチの右サイド起用について

レビッチの右サイド起用について

※関連記事



しかしながら、全体を通してみると物足りなさがあったのは否めません。活躍シーンの多くはトランジションの局面(それもサポートの役割)に限定されており、一方でボールポゼッションの際に精度の低いトラップやパスが散見される試合というのが少なくありませんでした。

そこでシーズン後半戦に向け、今一度レビッチにはコンディションを高めてもらう必要があると感じます。
また、後半戦のパフォーマンスというのはシーズン後の去就にも深く関わってくるでしょうから、その意味でも注目したいですね。


ディヴォック・オリギ


・セリエA
10試合(433分) 1得点 1アシスト

・CL
4試合(69分) 0得点 0アシスト



今夏から新たに加入したオリギ。
レギュラー扱い(※チームトップの年俸)でミランに迎え入れられたものの、その貢献度は決して高くありませんでした。

不振の要因として挙げられるのは「怪我」です。ミラン加入前から怪我を抱えていたオリギは、プレシーズンマッチの大部分を欠場。今シーズン開幕には何とか間に合わせたものの、チーム戦術の習熟や味方との相互理解に時間を割けず、不十分な形でシーズンインを余儀なくされています。

そしてレビッチと同じく8月下旬に負傷し、約1カ月の戦線離脱。復帰を果たした10月以降はようやく継続的に出場することが可能となり、第11節のモンツァ戦では1ゴール1アシストを記録しました。


(※得点シーン:1分38秒~)

しかしながら、全体を通してみれば活躍は瞬間的なものに止まっています。オリギの個の力が発揮されるシーンはあれど、飛び抜けた力でもないためそれだけで継続的にチャンスを作ることは出来ません。

そのため、シーズン後半戦は如何に戦術理解度を高めつつ、チームメイトとの連携を深めるかが鍵になるはずです。まして、そうした部分の習熟が得意ではないように見受けられるオリギにとって、現在の準備期間を活用することがとても重要になってきますね。

しかし、彼は先日またしても負傷してしまったとのこと。早くもシーズン後半戦に暗雲が垂れ込めていますが、何にせよ出来るだけ早く戦列復帰して欲しいと思います。

0Comments