パケタ、ミラン退団の背景について

さて。そんなパケタに対し、一ミラニスタとしては彼がミランで真価を発揮し切れなかった事への「悔い」が少なからず残るわけですが…。この点について『calciomercato』によると、ミラン時代のパケタは複数の環境的問題を抱えていたと指摘しています。

若くして母国ブラジルを離れたパケタにとって、イタリアでの新しい生活に適応するのは困難であった。そんな中、彼の同胞にして相談相手であったレオナルドがPSGへと去ったことで、パケタ本人も認めるように「孤独」を感じるにようになってしまった。更に、パケタのプレースタイルがセリエAに特段適したものではなく、当時の監督であったジャンパオロが求めていたものでもなかった。

「海外での生活に苦労する」というのは往々にしてあることで、サッカー界においても外国から来た新加入選手が新天地に適応できず実力を発揮できないケースはよく見られます。

そうならないためには、やはり周囲の人間が積極的にサポートし、選手を落ち着いた環境でプレーさせることが肝要でしょう。
この点、当時のミランは「安定」とはほど遠い環境にありました。監督が代わり、フロントも代わり、結果としてパケタにとっての恩人であるレオナルドがクラブを去ることになってしまった、と。

そして、19－20シーズンにジャンパオロが新監督になったというのもパケタにとって向かい風になりました。
というのも、ジャンパオロは就任後にパケタのプレースタイルについて「ブラジル人過ぎる」と報道陣の前で注文を付け、その改善を要求。それに対してパケタが応戦（と見られる行動を起こす）するなど、両者の関係性は決して良好とは言えないものがありました。

パケタとジャンパオロの確執と、その解決

※関連記事

milan-kakanista22.com

その後ジャンパオロが解任され、監督がピオリになった後もパケタが一度失ったリズムを取り戻すことは叶わず。シーズン後の退団へと繋がります。

---

こうして改めて振り返ると、やはりチーム状況の悪さがパケタのフィットを阻んだ感は否めませんね。

ミランでも最初の半年間はそのポテンシャルを披露することが出来ていたわけで、セリエA（イタリア）自体がパケタに合わなかったわけではないと個人的には思います。
要はタイミングの問題で、もし頼れるブラジル人選手が在籍していたり、クラブが組織として安定している状況下でプレーできたりしていれば違った未来もあったのかなぁと。

とは言え、実際の状況下でパケタを放出したクラブの判断は間違っていなかったと思いますし、その後のパケタの復活を見るに本人にとっても退団は正しい選択だったのでしょうね。