【2022-23シーズン前半戦】ミラン選手のパフォーマンス評価【CB編】
今回は、2022-23シーズン前半戦におけるミランのCB陣について、そのパフォーマンスを振り返っていきたいと思います。

今シーズン前半戦は全ての公式戦に出場。特にCLではグループリーグで(ほぼ)先発フル出場を果たすなど、見事な貢献を果たしてくれています。

また、今シーズン前半戦は彼の持つ「ポリバレント性」が発揮された時期でもありました。
開幕当初こそ昨季に引き続きトモリとCBコンビを組んでいたものの、右SBに負傷者が続出したことでカルルを同ポジションへと移動。10月以降は右SBのレギュラーとしてプレーし、チームに生じた「穴」をしっかりと埋めてくれました。。
逆SBのテオと比べ、カルルが直接的にチームの得点チャンスに絡むシーンこそ少なかったですが、他方で後方からのボール出しの起点やネガティブトランジション時に備えたカバー役として機能。
とりわけ、CLの第6節ザルツブルク戦で見せたカルルのパフォーマンスは個人的に印象に残っています。上記の通りボール出しの起点としてチームの速攻に寄与すると同時に、相手のキーマンであったオカフォーをしっかりとマークして自由なプレーを許しませんでした。
今シーズン後半戦にはカラブリア、フロレンツィが戦線復帰予定のため、カルルの主な起用ポジションは再びCBになると予想されます。しかしながら、彼がチームにとって重要な存在であることは不変でしょうね。

カルルと同様、見事なタフネスっぷりを披露したトモリ。超過密日程の中、CLでの出場停止1試合を除いた全てに出場してくれました。
確かに一時期は失点に絡む頻度が高く多数の批判も受けましたが、持ち前のスピードや縦への反応を活かしたアグレッシブなディフェンスは健在。現チームの守備組織における彼の重要度は依然として非常に高いままでしょう。

――参考1:トモリのディフェンスに関するスタッツ、昨季(左)と今季ここまで(右)の比較
シーズン後半戦に向けての改善点の1つとしては、以前にも言及した通り「ディフェンスリーダー」としての能力、すなわちDFラインの統率力などを高めていくことではないでしょうか。

昨年の12月に負った大怪我からの復帰を果たしたケアー。
今シーズン序盤は怪我明けという事で慎重な起用が続き、10月には2週間の負傷離脱などもありましたが、CLの重要な2試合(5節ザグレブ戦、6節ザルツブルク戦)にはフル出場してチームの無失点に貢献。
ケアーは33歳とベテランであるだけに、復帰後のパフォーマンスについては尚のこと不安視されましたが、大きな問題もなく再び貴重な戦力となってくれました。
ただし怪我前のベストな状態と比較してしまうと、やはりまだ試合勘やフィジカルコンディションを取り戻し切れていないのかなという印象は受けますね。
例えばタックルに関する以下のスタッツを見てみると、怪我前(昨季)と比べて今季ここまでのタックル数や成功回数は大きく減少しています。

――参考2:ケアーのディフェンスに関するスタッツ、昨季(左)と今季ここまで(右)の比較
一方で今シーズン、「ケアーがピッチにいる時間」にチームが喫した失点は「1つ」という事実があるのは見逃せません(※失点したのはサンプドリア戦のみ)
今季前半戦のミランは失点の多さが問題視されるだけに、このようなデータはやはりケアーの重要性を示唆するものといえるでしょうね。
この点、ピオリ監督が常々言及するケアーの「カリスマ性」や「統率力」というのがチームの守備組織を安定させ、延いては(彼のいる時に)チームが失点を減らしている要因と考えられます。
来るシーズン後半戦、そうした彼の能力は引き続きチームにとって貴重なものとなるでしょう。
そして、願わくは彼個人のフィジカルコンディションについても怪我前のベストに近い状態を取り戻して欲しいと思います。
今夏から新たに加入した選手の1人であったティアウですが、シーズン序盤は出番の全く無い日々が続きました。
しかし10月中旬、第10節ヴェローナ戦にてようやく途中交代によるチャンスが到来。7分という短いプレー時間ながらも2度の被決定機を阻止する活躍を見せ、チームの勝利に貢献しました。
その後、シーズン前半戦最後の2試合では先発に抜擢。監督からの評価が徐々に高まってきているように見受けられますね。
そのため、シーズン後半戦はティアウにもっと多くの出場機会が訪れても不思議ではありません。彼の持つ高さという武器は魅力的ですし、身体能力もあるのでチーム戦術にフィット出来れば貴重な戦力になれるはずです。
ガッビアもシーズン序盤はベンチを温める日々が続きましたが、先述したケアーの負傷に伴い10月から出番を得始めます。
特筆すべきはその「集中力」です。
第9節のユベントス戦でシーズン初先発を果たしたガッビアの、それまでのプレー時間はわずかに「7分」。決して良いコンディションで迎えたとは言えないビッグマッチでしたが、ガッビアは手堅いプレーで対面のヴラホビッチを完封。チームの無失点勝利に貢献しています。
こうしたパフォーマンスを披露できるのは、彼が出番のもらえない時でも懸命に練習に取り組み、来るチャンスに向けて準備しているからでしょう。ピッチ内外における集中力の高さが窺えますね。
シーズン後半戦もガッビアはミラン残留が濃厚ですし、頼れるバックアッパーとしての起用が予想されます。
もしCB陣の全員が健在であればおそらくティアウと出場機会を分け合う形となり、プレー時間は限られそうですが…。後半戦もしばらく過密日程が続くことを考えると、チームにとって彼のような存在がいることは心強いですね。
ピエール・カルル

・セリエA
15試合(1035分) 0得点 0アシスト
・CL
6試合(536分) 0得点 0アシスト
今シーズン前半戦は全ての公式戦に出場。特にCLではグループリーグで(ほぼ)先発フル出場を果たすなど、見事な貢献を果たしてくれています。

カルル、ミランと2027年まで契約延長!~パリではなくミランと共に歩む道~
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また、今シーズン前半戦は彼の持つ「ポリバレント性」が発揮された時期でもありました。
開幕当初こそ昨季に引き続きトモリとCBコンビを組んでいたものの、右SBに負傷者が続出したことでカルルを同ポジションへと移動。10月以降は右SBのレギュラーとしてプレーし、チームに生じた「穴」をしっかりと埋めてくれました。。
逆SBのテオと比べ、カルルが直接的にチームの得点チャンスに絡むシーンこそ少なかったですが、他方で後方からのボール出しの起点やネガティブトランジション時に備えたカバー役として機能。
とりわけ、CLの第6節ザルツブルク戦で見せたカルルのパフォーマンスは個人的に印象に残っています。上記の通りボール出しの起点としてチームの速攻に寄与すると同時に、相手のキーマンであったオカフォーをしっかりとマークして自由なプレーを許しませんでした。
今シーズン後半戦にはカラブリア、フロレンツィが戦線復帰予定のため、カルルの主な起用ポジションは再びCBになると予想されます。しかしながら、彼がチームにとって重要な存在であることは不変でしょうね。
フィカヨ・トモリ

・セリエA
15試合(1284分) 1得点 0アシスト
・CL
5試合(378分) 0得点 0アシスト
カルルと同様、見事なタフネスっぷりを披露したトモリ。超過密日程の中、CLでの出場停止1試合を除いた全てに出場してくれました。
確かに一時期は失点に絡む頻度が高く多数の批判も受けましたが、持ち前のスピードや縦への反応を活かしたアグレッシブなディフェンスは健在。現チームの守備組織における彼の重要度は依然として非常に高いままでしょう。

――参考1:トモリのディフェンスに関するスタッツ、昨季(左)と今季ここまで(右)の比較
シーズン後半戦に向けての改善点の1つとしては、以前にも言及した通り「ディフェンスリーダー」としての能力、すなわちDFラインの統率力などを高めていくことではないでしょうか。

ミランの失点が多い原因を考える~VSナポリ~
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シモン・ケアー
・セリエA
7試合(443分) 0得点 0アシスト
・CL
2試合(180分) 0得点 0アシスト
昨年の12月に負った大怪我からの復帰を果たしたケアー。
今シーズン序盤は怪我明けという事で慎重な起用が続き、10月には2週間の負傷離脱などもありましたが、CLの重要な2試合(5節ザグレブ戦、6節ザルツブルク戦)にはフル出場してチームの無失点に貢献。
ケアーは33歳とベテランであるだけに、復帰後のパフォーマンスについては尚のこと不安視されましたが、大きな問題もなく再び貴重な戦力となってくれました。
ただし怪我前のベストな状態と比較してしまうと、やはりまだ試合勘やフィジカルコンディションを取り戻し切れていないのかなという印象は受けますね。
例えばタックルに関する以下のスタッツを見てみると、怪我前(昨季)と比べて今季ここまでのタックル数や成功回数は大きく減少しています。

――参考2:ケアーのディフェンスに関するスタッツ、昨季(左)と今季ここまで(右)の比較
一方で今シーズン、「ケアーがピッチにいる時間」にチームが喫した失点は「1つ」という事実があるのは見逃せません(※失点したのはサンプドリア戦のみ)
今季前半戦のミランは失点の多さが問題視されるだけに、このようなデータはやはりケアーの重要性を示唆するものといえるでしょうね。
この点、ピオリ監督が常々言及するケアーの「カリスマ性」や「統率力」というのがチームの守備組織を安定させ、延いては(彼のいる時に)チームが失点を減らしている要因と考えられます。
来るシーズン後半戦、そうした彼の能力は引き続きチームにとって貴重なものとなるでしょう。
そして、願わくは彼個人のフィジカルコンディションについても怪我前のベストに近い状態を取り戻して欲しいと思います。
マリック・ティアウ
・セリエA
4試合(123分) 0得点 0アシスト
・CL
なし(※メンバー登録外)
今夏から新たに加入した選手の1人であったティアウですが、シーズン序盤は出番の全く無い日々が続きました。
しかし10月中旬、第10節ヴェローナ戦にてようやく途中交代によるチャンスが到来。7分という短いプレー時間ながらも2度の被決定機を阻止する活躍を見せ、チームの勝利に貢献しました。
その後、シーズン前半戦最後の2試合では先発に抜擢。監督からの評価が徐々に高まってきているように見受けられますね。
そのため、シーズン後半戦はティアウにもっと多くの出場機会が訪れても不思議ではありません。彼の持つ高さという武器は魅力的ですし、身体能力もあるのでチーム戦術にフィット出来れば貴重な戦力になれるはずです。
マッティア・ガッビア
・セリエA
6試合(397分) 0得点 0アシスト
・CL
4試合(208分) 1得点 0アシスト
ガッビアもシーズン序盤はベンチを温める日々が続きましたが、先述したケアーの負傷に伴い10月から出番を得始めます。
特筆すべきはその「集中力」です。
第9節のユベントス戦でシーズン初先発を果たしたガッビアの、それまでのプレー時間はわずかに「7分」。決して良いコンディションで迎えたとは言えないビッグマッチでしたが、ガッビアは手堅いプレーで対面のヴラホビッチを完封。チームの無失点勝利に貢献しています。
こうしたパフォーマンスを披露できるのは、彼が出番のもらえない時でも懸命に練習に取り組み、来るチャンスに向けて準備しているからでしょう。ピッチ内外における集中力の高さが窺えますね。
シーズン後半戦もガッビアはミラン残留が濃厚ですし、頼れるバックアッパーとしての起用が予想されます。
もしCB陣の全員が健在であればおそらくティアウと出場機会を分け合う形となり、プレー時間は限られそうですが…。後半戦もしばらく過密日程が続くことを考えると、チームにとって彼のような存在がいることは心強いですね。