【2022-23シーズン前半戦】ミラン選手のパフォーマンス評価【GK編】
今回から6~7回に分け、2022-23シーズン前半戦におけるミラン選手のパフォーマンスを振り返っていきたいと思います。
1回目となる今回はGKについてです。

ミランでの2シーズン目となった今季、メニャンにとってはここまで満足いく出来だとは言い難いものがあります。
9月下旬の代表戦でふくらはぎを負傷してから離脱を余儀なくされ、前半戦の公式戦出場数は9試合に止まることに。この怪我が原因でW杯への参加も叶いませんでした。
また、出場9試合の内に達成したクリーンシート(無失点試合)の数はわずか「2つ」。無論、その理由については組織的な瑕疵に因るところが大きかったわけですが、メニャン個人のパフォーマンスも昨季の怪物的なソレと比べてしまうと少し気になるところです。
この点に関し、昨季の今季の主要スタッツを比較して見てみましょう。

――参考1『fbref』
2つ並んだ数字の内、左が「セリエA・2021-22シーズン(昨季)」、右が「セリエA・2022-23シーズン(今季)」でメニャンが記録した数値です。こうして見比べると、やはり今季の数値は全体的に昨季のソレを下回っていることが分かります。
特に注目したいのがデータ上部にて示されている「セービング」関連のスタッツで、例えば「セービング率」は昨季の「81.2%」に対して今季ここまでは「68.2%」。また最上部に記載される「失点期待値-実失点」については昨季の「+0.13」に対して今季ここまでは「+0.03」と低下しています。
昨季にメニャンが記録したセービング関連の数値はその多くがリーグトップクラスであるため、それと比べて見劣りしてしまうからといって現在のプレーを「悪い」と評するのは酷でしょう。
しかしながら、メニャンの実力を考慮すればより支配的なプレーでもってチームを攻守に支えることが出来るはずですし、来る今シーズン後半戦には前半戦以上のパフォーマンスを求めたいところです。

先述の通りメニャンが9月下旬の代表戦にて負傷したことで、10月からはタタルシャヌがミランのゴールマウスを担当。全体的にまずまずのパフォーマンスを披露してくれたのではないかと思います。
特にCLでは多くのセービングを披露。グループリーグ突破を懸けた最終節のザルツブルク戦では6つのシュートを防ぎ、チームの勝利に貢献しています。
また、彼はチームの攻撃に際しても無難にボール回しに絡んでビルドアップに関与。モンツァ戦では正確なロングパスで前方のブラヒムにボールを預け、彼のゴールをアシストしました。

――シーン1:モンツァ戦の一場面。相手が前からの圧力を強める中、その背後のスペースを認識したタタルシャヌはそこへのパスを選択

――その後の場面。タタルシャヌのロングパスが当該スペースに位置するブラヒムに渡った
しかしながら、タタルシャヌのプレーにいくつか物足りなく感じた部分があったのも事実です。
例えばビルドアップの局面では、プレス耐性が十分でないため、相手に寄せられた際にはパス精度が大きく落ちてしまう場面が一度ならず見られています。加えてボール回しへの積極性やレジスタ的資質をあまり備えておらず、プレー選択についてもやや画一的な印象を受けました。
他方、守備面においても反応速度に限界を感じさせ、セットプレーから少なくない失点も喫するなど、安心感という点には個人的に疑問符を付けたくなりますね。
とは言え、プレッシャーのかかる重要な試合でも無難にプレーできる冷静さは流石ですし、セカンドGKとしての献身性も文句ありません。
「CLグループリーグ突破」というシーズン前半戦最大の目標に貢献したことを考えると、十分に自らの役目を果たしてくれたと思います。
1回目となる今回はGKについてです。
マイク・メニャン

・セリエA
7試合・8失点
・CL
2試合・2失点
ミランでの2シーズン目となった今季、メニャンにとってはここまで満足いく出来だとは言い難いものがあります。
9月下旬の代表戦でふくらはぎを負傷してから離脱を余儀なくされ、前半戦の公式戦出場数は9試合に止まることに。この怪我が原因でW杯への参加も叶いませんでした。
また、出場9試合の内に達成したクリーンシート(無失点試合)の数はわずか「2つ」。無論、その理由については組織的な瑕疵に因るところが大きかったわけですが、メニャン個人のパフォーマンスも昨季の怪物的なソレと比べてしまうと少し気になるところです。
この点に関し、昨季の今季の主要スタッツを比較して見てみましょう。

――参考1『fbref』
2つ並んだ数字の内、左が「セリエA・2021-22シーズン(昨季)」、右が「セリエA・2022-23シーズン(今季)」でメニャンが記録した数値です。こうして見比べると、やはり今季の数値は全体的に昨季のソレを下回っていることが分かります。
特に注目したいのがデータ上部にて示されている「セービング」関連のスタッツで、例えば「セービング率」は昨季の「81.2%」に対して今季ここまでは「68.2%」。また最上部に記載される「失点期待値-実失点」については昨季の「+0.13」に対して今季ここまでは「+0.03」と低下しています。
昨季にメニャンが記録したセービング関連の数値はその多くがリーグトップクラスであるため、それと比べて見劣りしてしまうからといって現在のプレーを「悪い」と評するのは酷でしょう。
しかしながら、メニャンの実力を考慮すればより支配的なプレーでもってチームを攻守に支えることが出来るはずですし、来る今シーズン後半戦には前半戦以上のパフォーマンスを求めたいところです。
チプリアン・タタルシャヌ

・セリエA
8試合・7失点
・CL
4試合・5失点
先述の通りメニャンが9月下旬の代表戦にて負傷したことで、10月からはタタルシャヌがミランのゴールマウスを担当。全体的にまずまずのパフォーマンスを披露してくれたのではないかと思います。
特にCLでは多くのセービングを披露。グループリーグ突破を懸けた最終節のザルツブルク戦では6つのシュートを防ぎ、チームの勝利に貢献しています。
また、彼はチームの攻撃に際しても無難にボール回しに絡んでビルドアップに関与。モンツァ戦では正確なロングパスで前方のブラヒムにボールを預け、彼のゴールをアシストしました。

――シーン1:モンツァ戦の一場面。相手が前からの圧力を強める中、その背後のスペースを認識したタタルシャヌはそこへのパスを選択

――その後の場面。タタルシャヌのロングパスが当該スペースに位置するブラヒムに渡った
しかしながら、タタルシャヌのプレーにいくつか物足りなく感じた部分があったのも事実です。
例えばビルドアップの局面では、プレス耐性が十分でないため、相手に寄せられた際にはパス精度が大きく落ちてしまう場面が一度ならず見られています。加えてボール回しへの積極性やレジスタ的資質をあまり備えておらず、プレー選択についてもやや画一的な印象を受けました。
他方、守備面においても反応速度に限界を感じさせ、セットプレーから少なくない失点も喫するなど、安心感という点には個人的に疑問符を付けたくなりますね。
とは言え、プレッシャーのかかる重要な試合でも無難にプレーできる冷静さは流石ですし、セカンドGKとしての献身性も文句ありません。
「CLグループリーグ突破」というシーズン前半戦最大の目標に貢献したことを考えると、十分に自らの役目を果たしてくれたと思います。