ミラン、不振のアウェー戦と好調のホーム戦
今季セリエA第10節、ヴェローナ戦までのミランは「アウェー戦で負けないチーム」として注目を集めていました。
ヴェローナ戦での勝利を以て、ミランは2022年に行われたリーグ戦アウェーマッチの14戦で10勝4分を記録。当時は5大リーグで唯一、同年で無敗を維持しているチームとなっていたわけですね。
しかしその後のトリノ戦で1-2の敗北を喫してしまい、同記録の更新はストップ。続くアウェーのクレモネーゼ戦でもスコアレスドローを演じた事で、現在のミランはアウェーで「負けない」ことではなく「勝てない」ことに主眼が置かれ始めています。
「2022年」から「2022-23シーズン」に対象期間をズラした場合、今季ここまでのミランはアウェー7試合で3勝3分1敗を記録。既に4試合(アタランタ、サッスオーロ、トリノ、クレモネーゼ)に勝てていません。
この点ついて、過去2シーズンのミランの成績と比較すると興味深い事実が浮上します。
まず言及したいのは、20—21シーズン・21-22シーズン共に、ミランはホームよりもアウェーでの戦績の方が良いというデータです(※『transfermarkt』より)

――参考1

――参考2
特に20—21シーズンは顕著で、「参考1」を見るとホームとアウェーの平均獲得勝ち点に「1」もの差が付いていますね。
それに対して、今季ここまでのミランは先述の通りアウェー戦での取りこぼしが多くなっています。そのため現時点で既に一昨季のアウェー戦「引き分け&負け総数(3)」を上回っており、また昨季の同戦績にもあと「1引き分け」と迫ってしまっている、と。
しかしながら、今季ここまでの平均獲得勝ち点「2.14」というのは過去2シーズンの間くらいに位置する数字です。すなわち、今季のミランはアウェーであまり勝てていない分ホームでの戦績が良く、ホーム戦を含めたトータルで過去2シーズンと同水準の成績を保っているといえますね。

――参考3
実際、ミランの今季ここまでのホーム成績は6勝1敗。首位を快走するナポリにこそ敗れてしまったものの、それを除けばミラノダービー・ユベントス戦を含む6戦全勝です。
そして、ここまでホーム戦で獲得した平均勝ち点は「2.57」と、過去2シーズンをいずれも上回っています。
「アウェーよりもホームの方が成績は良い」というのは一般的に自然なことであるものの、ミランの場合は過去2シーズンと比較して逆転現象が起きているわけで、この傾向は興味深いですね。
ホームの成績改善の理由として考えられるのは、やはり「観客の多さ」という事になるでしょうか。
今季は例年以上の過密日程が続いており、肉体的・精神的疲労が蓄積する中で試合を行わなければならない選手たち。そんな彼らにとって、毎回約7万人のサポーターが見守るホームスタジアムでの試合は大きなモチベーションとなり、かつ疲労を和らげる要因にもなっているはずです。
つまり、この特殊なシーズンではサポーターという「12人目の選手」の存在がより重要性を増しているのかなぁと。
何にせよ本拠地で強いに越したことはありませんし、この傾向は是非とも今シーズン後半戦以降も続いて欲しいですね。
それでいてかつ、今季はこれからアウェー戦の成績を上げていくことが重要になってくるでしょう。
おそらくCLや国内カップ戦との兼ね合いもあり、今後も勝ち点を取りこぼすリスクはホームと比較すると高くなりそうですが…。「決定力を向上させて然るべきときに点を奪いながら、試合終盤には守備を重視してリードを守り切る」といった手堅い形でも勝てるようになっていけると良いですね。
それでは今回はこの辺で。
ヴェローナ戦での勝利を以て、ミランは2022年に行われたリーグ戦アウェーマッチの14戦で10勝4分を記録。当時は5大リーグで唯一、同年で無敗を維持しているチームとなっていたわけですね。
しかしその後のトリノ戦で1-2の敗北を喫してしまい、同記録の更新はストップ。続くアウェーのクレモネーゼ戦でもスコアレスドローを演じた事で、現在のミランはアウェーで「負けない」ことではなく「勝てない」ことに主眼が置かれ始めています。
今季と過去2季の比較
「2022年」から「2022-23シーズン」に対象期間をズラした場合、今季ここまでのミランはアウェー7試合で3勝3分1敗を記録。既に4試合(アタランタ、サッスオーロ、トリノ、クレモネーゼ)に勝てていません。
この点ついて、過去2シーズンのミランの成績と比較すると興味深い事実が浮上します。
アウェー戦績
まず言及したいのは、20—21シーズン・21-22シーズン共に、ミランはホームよりもアウェーでの戦績の方が良いというデータです(※『transfermarkt』より)

――参考1

――参考2
特に20—21シーズンは顕著で、「参考1」を見るとホームとアウェーの平均獲得勝ち点に「1」もの差が付いていますね。
それに対して、今季ここまでのミランは先述の通りアウェー戦での取りこぼしが多くなっています。そのため現時点で既に一昨季のアウェー戦「引き分け&負け総数(3)」を上回っており、また昨季の同戦績にもあと「1引き分け」と迫ってしまっている、と。
ホーム戦績
しかしながら、今季ここまでの平均獲得勝ち点「2.14」というのは過去2シーズンの間くらいに位置する数字です。すなわち、今季のミランはアウェーであまり勝てていない分ホームでの戦績が良く、ホーム戦を含めたトータルで過去2シーズンと同水準の成績を保っているといえますね。

――参考3
実際、ミランの今季ここまでのホーム成績は6勝1敗。首位を快走するナポリにこそ敗れてしまったものの、それを除けばミラノダービー・ユベントス戦を含む6戦全勝です。
そして、ここまでホーム戦で獲得した平均勝ち点は「2.57」と、過去2シーズンをいずれも上回っています。
「アウェーよりもホームの方が成績は良い」というのは一般的に自然なことであるものの、ミランの場合は過去2シーズンと比較して逆転現象が起きているわけで、この傾向は興味深いですね。
サポーターの重要性
ホームの成績改善の理由として考えられるのは、やはり「観客の多さ」という事になるでしょうか。
今季は例年以上の過密日程が続いており、肉体的・精神的疲労が蓄積する中で試合を行わなければならない選手たち。そんな彼らにとって、毎回約7万人のサポーターが見守るホームスタジアムでの試合は大きなモチベーションとなり、かつ疲労を和らげる要因にもなっているはずです。
つまり、この特殊なシーズンではサポーターという「12人目の選手」の存在がより重要性を増しているのかなぁと。
何にせよ本拠地で強いに越したことはありませんし、この傾向は是非とも今シーズン後半戦以降も続いて欲しいですね。
それでいてかつ、今季はこれからアウェー戦の成績を上げていくことが重要になってくるでしょう。
おそらくCLや国内カップ戦との兼ね合いもあり、今後も勝ち点を取りこぼすリスクはホームと比較すると高くなりそうですが…。「決定力を向上させて然るべきときに点を奪いながら、試合終盤には守備を重視してリードを守り切る」といった手堅い形でも勝てるようになっていけると良いですね。
それでは今回はこの辺で。