ミランの失点の多さに関わる、メニャン不在の影響について
ミランの「失点数の多さ」という点について、最近はメディアでも強く問題視されるようになってきた印象があります。
リーグ戦に限って見ても、現在のミランの失点数「13」というのは上位8チームの中でインテル(17失点)に次ぐワースト2位。また、ここまでのリーグ戦12試合の中でクリーンシートを達成したのは3試合(ボローニャ、サッスオーロ、ユベントス)のみとなっており、その一方で複数失点を4試合(ウディネーゼ、インテル、ナポリ、トリノ)で喫しています。
ミランの失点が止まらない原因の一つとして挙げられるのは、やはり守護神である「メニャンの不在」でしょう。
この点、『milannews』は以下のようにメニャンの重要性を指摘しています。
偉大なGKだけが持つ「存在感・威圧感・カリスマ性」なるものがチームの堅守に寄与するという言説は広く知られているところで、そうした稀有な能力を持つメニャンの不在がミランの守備力低下の原因だというのが上記の趣旨となります
個人的にも異論はありません。メニャンのように存在感があり、かつ主体的なキーパーが後方に控えていることはDF陣に心理的な余裕をもたらすはずで、そのことが選手個々の積極的なプレー、延いてはチームとしての好パフォーマンスへと繋がるのだと思います。
現在、メニャンの代役としてゴールマウスを守るタタルシャヌも一定のパフォーマンスこそ期待できるプレーヤーだとは思うのですが、シュートに対する反応速度やクロス対応、またセットプレーからの失点が多いという現象面なども見るに、メニャンとの差は如実に感じてしまうところです。
この点、「クロス対応」という部分について少し掘り下げていきましょう。
『fbref』が記録しているスタッツの一つに「Crosses Stopped %」(※クロスストップ率)というものがあります。これは「相手チームが放った全クロスに対し、キーパーがそのクロスを止めた(キャッチした/弾いた)割合」を示すものです。
無論、相手チームのクロスにGKが直接介入できる回数というのは限定的ですし、それゆえ今季のセリエAにおける同スタッツの平均は「4.4%」、CLも「4.7%」となっています。
一方、GKが介入できるクロスというのは得てしてゴールにほど近い場所に送られるものであり、そのボールをキーパーが処理できるか否かというのは被決定機創出のリスク、かつ味方DF陣の負担に変動をもたらす重要な問題とも言えますね。
さて。それではこのスタッツについてミラン選手の場合はどうかというと、メニャンのクロスストップ率はセリエAの試合だと「7.7%」、CLも同じく「7.7%」と高水準です。
対するタタルシャヌはセリエAだと「2.0%」、CLに至ってはここまで「0%」となっています。
個人的に、今季のタタルシャヌはクロス対応にかなり消極的なキーパーだと感じていまして、上記のデータは元々チームとして難が見られたクロス対応(※セットプレー含む)を更に困難にしてしまっている原因の一つではないかと考えられます。
「タタルシャヌ出場時にどのようなクロスが何本送られ、そのクロスをキーパーが止められる可能性がどれほどあったか」など、そうした詳細な分析は行っていない浅い考察止まりで恐縮なのですが、一つの示唆的な事実として上のデータを提示させてもらいました。
最後に。メニャンの不在がチームに与えたダメージは大きいですが、彼がミランのゴールマウスに戻ってくるのは早くとも年明け。したがって年内の残り4試合は間違いなくタタルシャヌに託すことになります。
正直不安はあるものの、彼がこれまでチームに一定の貢献を果たしてくれていることも事実。
まずは次戦の大一番・ザルツブルク戦で安定したプレーを見せてもらい、2ndキーパーとしての役目を完遂してもらいたいですね。
それでは今回はこの辺で。
リーグ戦に限って見ても、現在のミランの失点数「13」というのは上位8チームの中でインテル(17失点)に次ぐワースト2位。また、ここまでのリーグ戦12試合の中でクリーンシートを達成したのは3試合(ボローニャ、サッスオーロ、ユベントス)のみとなっており、その一方で複数失点を4試合(ウディネーゼ、インテル、ナポリ、トリノ)で喫しています。
ミランの失点が止まらない原因の一つとして挙げられるのは、やはり守護神である「メニャンの不在」でしょう。
メニャン不在の影響
この点、『milannews』は以下のようにメニャンの重要性を指摘しています。
単にゴールマウスを守る以上の働きを見せるマイク・メニャンの負傷は、ミランの守備パフォーマンスの低下に確実に関係している。彼のセービング、カリスマ性、ピッチ上での存在感、そして味方に自信をもたらす振る舞いが、今のチームには明らかに欠けているのだ。
偉大なGKだけが持つ「存在感・威圧感・カリスマ性」なるものがチームの堅守に寄与するという言説は広く知られているところで、そうした稀有な能力を持つメニャンの不在がミランの守備力低下の原因だというのが上記の趣旨となります
個人的にも異論はありません。メニャンのように存在感があり、かつ主体的なキーパーが後方に控えていることはDF陣に心理的な余裕をもたらすはずで、そのことが選手個々の積極的なプレー、延いてはチームとしての好パフォーマンスへと繋がるのだと思います。
現在、メニャンの代役としてゴールマウスを守るタタルシャヌも一定のパフォーマンスこそ期待できるプレーヤーだとは思うのですが、シュートに対する反応速度やクロス対応、またセットプレーからの失点が多いという現象面なども見るに、メニャンとの差は如実に感じてしまうところです。
クロス対応の差
この点、「クロス対応」という部分について少し掘り下げていきましょう。
『fbref』が記録しているスタッツの一つに「Crosses Stopped %」(※クロスストップ率)というものがあります。これは「相手チームが放った全クロスに対し、キーパーがそのクロスを止めた(キャッチした/弾いた)割合」を示すものです。
無論、相手チームのクロスにGKが直接介入できる回数というのは限定的ですし、それゆえ今季のセリエAにおける同スタッツの平均は「4.4%」、CLも「4.7%」となっています。
一方、GKが介入できるクロスというのは得てしてゴールにほど近い場所に送られるものであり、そのボールをキーパーが処理できるか否かというのは被決定機創出のリスク、かつ味方DF陣の負担に変動をもたらす重要な問題とも言えますね。
さて。それではこのスタッツについてミラン選手の場合はどうかというと、メニャンのクロスストップ率はセリエAの試合だと「7.7%」、CLも同じく「7.7%」と高水準です。
対するタタルシャヌはセリエAだと「2.0%」、CLに至ってはここまで「0%」となっています。
個人的に、今季のタタルシャヌはクロス対応にかなり消極的なキーパーだと感じていまして、上記のデータは元々チームとして難が見られたクロス対応(※セットプレー含む)を更に困難にしてしまっている原因の一つではないかと考えられます。
「タタルシャヌ出場時にどのようなクロスが何本送られ、そのクロスをキーパーが止められる可能性がどれほどあったか」など、そうした詳細な分析は行っていない浅い考察止まりで恐縮なのですが、一つの示唆的な事実として上のデータを提示させてもらいました。
最後に。メニャンの不在がチームに与えたダメージは大きいですが、彼がミランのゴールマウスに戻ってくるのは早くとも年明け。したがって年内の残り4試合は間違いなくタタルシャヌに託すことになります。
正直不安はあるものの、彼がこれまでチームに一定の貢献を果たしてくれていることも事実。
まずは次戦の大一番・ザルツブルク戦で安定したプレーを見せてもらい、2ndキーパーとしての役目を完遂してもらいたいですね。
それでは今回はこの辺で。