レビッチの右サイド起用について
先日のCLディナモ・ザグレブ戦にて、右サイドで先発出場したレビッチ。
これまでは得点が欲しい時に採用する等の「サブ」扱いに過ぎなかった当該起用法ですが、ザグレブとの重要な一戦ではスタートからお披露目。前回のマッチレビュー記事にて言及した通り、攻守に印象的なパフォーマンスを披露してチームの大勝に貢献しています。
今回はこの点について、もう少し掘り下げていきましょう。
これまでは得点が欲しい時に採用する等の「サブ」扱いに過ぎなかった当該起用法ですが、ザグレブとの重要な一戦ではスタートからお披露目。前回のマッチレビュー記事にて言及した通り、攻守に印象的なパフォーマンスを披露してチームの大勝に貢献しています。
今回はこの点について、もう少し掘り下げていきましょう。
これまで主に右サイドを務めてきたサレマやメシアスには、攻撃だけでなく守備でも実質的な貢献を果たすよう強く求められてきました。例えば、先日のモンツァ戦でメシアスは対面の相手WBにマンツーマンで対処するべく、自陣での守備時には多くの状況で最終ラインの一員として振る舞っています。
一方、レビッチにそこまでの守備貢献は求められませんし、彼の攻撃的な特徴を考えると求めるべきでもありません。
相手WBのオーバーラップへの対応など、然るべきときには後ろ向きの守備を厭わず戻れるだけの献身性を持っているものの、彼の強みは前向きの守備(メリハリの利いたプレス)とトランジション時の素早いスペース攻略にあると言えます。そこで、彼の場合は下がり過ぎず高めの位置でプレーすることが重要になると。
このように攻撃に軸足を置いた選択を採るからには、やはり攻撃面において目に見える「結果」が欲しいところです。その点、ミランは4ゴールを記録し、レビッチ個人も3点目のPK奪取に繋がるプレーを披露。終盤に行ったクルニッチへの実質アシストを含め、しっかりと自らの役目を果たしたといえるのではないかなと。
データも参照しておきましょう。『fbref』によるこの試合の「SCA」(※シュートに繋がったアクションを行った回数)ランキングを見てみると、レビッチはレオン、トナーリの「7回」に次ぐ「5回」を記録。チームのシュートチャンスにしっかりと絡んでいたことが分かります。
この点に関し、特に同サイドでプレーしたトナーリとの関係性は良好でした。
というのも、後方からの味方の上がりを活かすのが上手いレビッチと、持ち前のダイナミズムで積極的に縦に飛び出していけるトナーリとのプレースタイル的な相性は良く、殊にトランジションの局面においては両者のコンビネーションで多くのチャンスを作り出すことが出来た、と。

――シーン1:ミドルサードで相手のパスをベナセル(白4)がインターセプトすると、レビッチ(白12)が素早く反応して縦パスを引き出しカウンター開始。それと同時にトナーリ(白8)が、高い位置を取っていた相手WB(青14)に先んじてサイド前方のスペースに走り込む

――レビッチからスルーパスを受けたサイドのトナーリ。この後クロスを供給しジルー(白9)のヘディングシュートを演出した
レオンやテオのように1人でゴリゴリとドリブル突破していけるわけではありませんが、レビッチもまた持ち前のスピードを活かしてスペースへ素早くボールを引き出したり、縦のダイナミズムに優れた味方を活かしたりといった形でトランジションを完結することが可能ですね。
今回の大勝を受け、レビッチの右サイド起用という選択が優先度を高めたことは確かだと思います。ただし、実力が拮抗した相手に対して同様のシステムで臨むならば、今回よりもバランスを重視する必要はありそうです。
例えば、この試合のトップ下の実質的役割(左ハーフスペースを主戦場とし、レオンのプレーをサポートする)であればデ・ケテラーレを起用するメリットはかなり少ないため、クルニッチやポベガを起用して中盤の守備強度を高めた方が得策でしょう。
サレマ&メシアスで固めていた右サイドの序列が怪我と過密日程で崩れたことで、図らずもレビッチ、ブラヒムと右サイドのオプションを増やしていくことになったミラン。
今後も状況に応じて選手を使い分けていくでしょうから、その選択と意図には引き続き注目していきたいですね。
それでは今回はこの辺で。
一方、レビッチにそこまでの守備貢献は求められませんし、彼の攻撃的な特徴を考えると求めるべきでもありません。
相手WBのオーバーラップへの対応など、然るべきときには後ろ向きの守備を厭わず戻れるだけの献身性を持っているものの、彼の強みは前向きの守備(メリハリの利いたプレス)とトランジション時の素早いスペース攻略にあると言えます。そこで、彼の場合は下がり過ぎず高めの位置でプレーすることが重要になると。
このように攻撃に軸足を置いた選択を採るからには、やはり攻撃面において目に見える「結果」が欲しいところです。その点、ミランは4ゴールを記録し、レビッチ個人も3点目のPK奪取に繋がるプレーを披露。終盤に行ったクルニッチへの実質アシストを含め、しっかりと自らの役目を果たしたといえるのではないかなと。
データも参照しておきましょう。『fbref』によるこの試合の「SCA」(※シュートに繋がったアクションを行った回数)ランキングを見てみると、レビッチはレオン、トナーリの「7回」に次ぐ「5回」を記録。チームのシュートチャンスにしっかりと絡んでいたことが分かります。
この点に関し、特に同サイドでプレーしたトナーリとの関係性は良好でした。
というのも、後方からの味方の上がりを活かすのが上手いレビッチと、持ち前のダイナミズムで積極的に縦に飛び出していけるトナーリとのプレースタイル的な相性は良く、殊にトランジションの局面においては両者のコンビネーションで多くのチャンスを作り出すことが出来た、と。

――シーン1:ミドルサードで相手のパスをベナセル(白4)がインターセプトすると、レビッチ(白12)が素早く反応して縦パスを引き出しカウンター開始。それと同時にトナーリ(白8)が、高い位置を取っていた相手WB(青14)に先んじてサイド前方のスペースに走り込む

――レビッチからスルーパスを受けたサイドのトナーリ。この後クロスを供給しジルー(白9)のヘディングシュートを演出した
レオンやテオのように1人でゴリゴリとドリブル突破していけるわけではありませんが、レビッチもまた持ち前のスピードを活かしてスペースへ素早くボールを引き出したり、縦のダイナミズムに優れた味方を活かしたりといった形でトランジションを完結することが可能ですね。
アンテ・レビッチの右サイドへの移動は、ラファエル・レオンを制限することに意識を向けていたディナモを驚かせた。リーグ戦でも再び見られる可能性のある解決策だろう――calciomercato.com
今回の大勝を受け、レビッチの右サイド起用という選択が優先度を高めたことは確かだと思います。ただし、実力が拮抗した相手に対して同様のシステムで臨むならば、今回よりもバランスを重視する必要はありそうです。
例えば、この試合のトップ下の実質的役割(左ハーフスペースを主戦場とし、レオンのプレーをサポートする)であればデ・ケテラーレを起用するメリットはかなり少ないため、クルニッチやポベガを起用して中盤の守備強度を高めた方が得策でしょう。
サレマ&メシアスで固めていた右サイドの序列が怪我と過密日程で崩れたことで、図らずもレビッチ、ブラヒムと右サイドのオプションを増やしていくことになったミラン。
今後も状況に応じて選手を使い分けていくでしょうから、その選択と意図には引き続き注目していきたいですね。
それでは今回はこの辺で。