【いざ大一番の最終節へ】ディナモ・ザグレブ対ミラン【2022-23シーズン・CL第5節】
今回はCLグループリーグ第5節、ディナモ・ザグレブ対ミランのマッチレビューを行いたいと思います。
スタメン

ベースフォーメーション:
ザグレブ「3-5-2」
ミラン「4-2-3-1」
正直、個人的にこの試合は「結果に対する喜び」だけでなく「内容に対する不満(もどかしさ)」を結構覚えた試合でもありました。が、「大勝試合のレビューでネガティブな事は極力書かない」という自らに課した掟に従い、ポジティブに感じた部分のみを以下に列挙していきたいと思います。
この試合のミランは、前線にかなり攻撃的なメンバーを揃って先発として送り出しました。
トップ下にデ・ケテラーレが入り、両サイドがレオンとレビッチ、1トップにはジルーという構成です。
普段であれば、右サイドにはメシアスやサレマといった後ろ向きの走力に長けた選手を起用するか、さもなくばトップ下にクルニッチやポベガといった中盤としての守備に慣れた守備強度の高い選手を使ってバランスを取ります。そのため、今回の攻撃的な布陣は少し驚きでした。
中でもポイントは、右サイドアタッカーとして起用されたレビッチです。
最近は同サイドで起用される試合もあったものの、そのいずれもが途中出場。右サイドでの先発はミラン加入後だと1回あったかどうかといった話で、主に守備面でどういうパフォーマンスを見せるかというのは注目でした。
試合序盤はザグレブのビルドアップへの対応に戸惑いがあったように見受けられ、チームとしてプレスのスイッチを入れられなかったり背後のスペースを突かれて突破を許したりと、ヒヤリとする場面が散見。
しかし徐々に相手の形に適応していくと、レビッチをジルーと共に相手最終ラインにぶるける形で前からの圧力を強めていきます。すると29分、相手GKへのバックパスに対してレビッチが強襲してインターセプト。ボールはそのままラインを割ったものの、あわやというシーンを作り出して相手に心理的圧力を加えることに成功します。
また、後ろ向きの守備に関してもレビッチは奮闘を見せます。相手WBが攻め上がってパスを呼び込む際には大体において付いていくことで、後方へかかる負担を軽減させました。
攻撃については主にトランジションの局面にて見せ場を作り出し、後述するトナーリとの連携からチャンスに関与。83分には裏に飛び出したクルニッチに完璧なパスを供給してゴールをお膳立てしたかに思われましたが、クルニッチが1対1を外してアシストならず。
しかしながら攻守ともにレビッチは印象的なパフォーマンスを披露し、チームの勝利に貢献してくれました。
続いてはダブルボランチのパフォーマンスについてです。
まずベナセルは、守備とそこからのトランジション面において大きく貢献。
基本システム上だと彼の対面に位置することになるイヴァンシッツは積極的に高い位置を取り、代わりにペトコビッチが降りてくるなどしたため、ベナセルには人の出入りが多いスペースを担当する集中力が求められました。が、しっかりとその役目を遂行し、特に立ち上がりの危険な時間帯では注意深さと粘り強さでゴール前をプロテクト。
また、高い集中力は効果的なインターセプトというプレーに表れ、この試合ではチームトップとなる「2回」記録。内1回はチームの4点目へと繋がるとても重要なものでした。

――参考1
続いてトナーリは主に攻撃面、それもトランジションの局面で躍動。後方から攻め上がる味方を活かすのが上手いレビッチが同サイドにいる事で、トナーリのダイナミズムが活きた側面は大きかったはずです。
レビッチからのパスを、後方から走り込んで受けたトナーリがゴール前にラストパスを供給、という形が良く見られました。
この点に関し、トナーリがこの試合で記録した「キーパス数」は「7本」。両チーム合わせてトップの数字であり、彼が如何にゴール前でチャンスメイクできたかを示す一例だと思います。

――参考2
39分にはセットプレーからガッビアのゴールをアシスト。また58分には素晴らしいネガティブトランジションにより高い位置でボールを奪取し、レビッチとの連携でチーム3点目に繋がるPKを奪取。圧倒的な活躍でこの試合のMOMTに選出されています。
磐石のボランチコンビによる攻守の貢献が要因となり、ミランは大量4得点で勝利を収めることに成功しました。
ザグレブ0-4ミラン
グループリーグ突破に大きく近づく勝ち点3を得たミラン。
これでザグレブとの勝ち点差は「3」となり、直接対決の結果でミランが上回った(2勝)ことから、最終節の結果に関わらずミランが順位でもザグレブを上回ります。すなわち3位以上確定です。
また、裏のザルツブルク対チェルシーの一戦でチェルシーが勝利したため、現在のグループEの状況は以下の通りになっています。
残すはザルツブルクとの決戦であり、状況は非常にシンプルです。
ミランがザルツブルクに勝つか引き分ければ2位、負ければ3位になります。
ここまで来たら勝ってグループリーグ突破を決めたいところですが、ホーム開催でしかも引き分けでもOKという条件は心理的余裕が生まれる有難い話ですね。
もちろん、その余裕が無意識に油断や慢心に変わるリスクはあるわけで、気を引き締めて臨むべき一戦であることに変わりありません。
まずは週末のトリノ戦を良い結果で終え、心身ともに万全の状態で1週間後の大一番を迎えて欲しいと思います。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
スタメン

ベースフォーメーション:
ザグレブ「3-5-2」
ミラン「4-2-3-1」
正直、個人的にこの試合は「結果に対する喜び」だけでなく「内容に対する不満(もどかしさ)」を結構覚えた試合でもありました。が、「大勝試合のレビューでネガティブな事は極力書かない」という自らに課した掟に従い、ポジティブに感じた部分のみを以下に列挙していきたいと思います。
右サイド先発のレビッチ
この試合のミランは、前線にかなり攻撃的なメンバーを揃って先発として送り出しました。
トップ下にデ・ケテラーレが入り、両サイドがレオンとレビッチ、1トップにはジルーという構成です。
普段であれば、右サイドにはメシアスやサレマといった後ろ向きの走力に長けた選手を起用するか、さもなくばトップ下にクルニッチやポベガといった中盤としての守備に慣れた守備強度の高い選手を使ってバランスを取ります。そのため、今回の攻撃的な布陣は少し驚きでした。
中でもポイントは、右サイドアタッカーとして起用されたレビッチです。
最近は同サイドで起用される試合もあったものの、そのいずれもが途中出場。右サイドでの先発はミラン加入後だと1回あったかどうかといった話で、主に守備面でどういうパフォーマンスを見せるかというのは注目でした。
試合序盤はザグレブのビルドアップへの対応に戸惑いがあったように見受けられ、チームとしてプレスのスイッチを入れられなかったり背後のスペースを突かれて突破を許したりと、ヒヤリとする場面が散見。
しかし徐々に相手の形に適応していくと、レビッチをジルーと共に相手最終ラインにぶるける形で前からの圧力を強めていきます。すると29分、相手GKへのバックパスに対してレビッチが強襲してインターセプト。ボールはそのままラインを割ったものの、あわやというシーンを作り出して相手に心理的圧力を加えることに成功します。
また、後ろ向きの守備に関してもレビッチは奮闘を見せます。相手WBが攻め上がってパスを呼び込む際には大体において付いていくことで、後方へかかる負担を軽減させました。
攻撃については主にトランジションの局面にて見せ場を作り出し、後述するトナーリとの連携からチャンスに関与。83分には裏に飛び出したクルニッチに完璧なパスを供給してゴールをお膳立てしたかに思われましたが、クルニッチが1対1を外してアシストならず。
しかしながら攻守ともにレビッチは印象的なパフォーマンスを披露し、チームの勝利に貢献してくれました。
ダブルボランチのパフォーマンス
続いてはダブルボランチのパフォーマンスについてです。
まずベナセルは、守備とそこからのトランジション面において大きく貢献。
基本システム上だと彼の対面に位置することになるイヴァンシッツは積極的に高い位置を取り、代わりにペトコビッチが降りてくるなどしたため、ベナセルには人の出入りが多いスペースを担当する集中力が求められました。が、しっかりとその役目を遂行し、特に立ち上がりの危険な時間帯では注意深さと粘り強さでゴール前をプロテクト。
また、高い集中力は効果的なインターセプトというプレーに表れ、この試合ではチームトップとなる「2回」記録。内1回はチームの4点目へと繋がるとても重要なものでした。

――参考1
続いてトナーリは主に攻撃面、それもトランジションの局面で躍動。後方から攻め上がる味方を活かすのが上手いレビッチが同サイドにいる事で、トナーリのダイナミズムが活きた側面は大きかったはずです。
レビッチからのパスを、後方から走り込んで受けたトナーリがゴール前にラストパスを供給、という形が良く見られました。
この点に関し、トナーリがこの試合で記録した「キーパス数」は「7本」。両チーム合わせてトップの数字であり、彼が如何にゴール前でチャンスメイクできたかを示す一例だと思います。

――参考2
39分にはセットプレーからガッビアのゴールをアシスト。また58分には素晴らしいネガティブトランジションにより高い位置でボールを奪取し、レビッチとの連携でチーム3点目に繋がるPKを奪取。圧倒的な活躍でこの試合のMOMTに選出されています。
MOMTに選ばれてとても嬉しいし、誇りに思う。この非情さと勝利への意欲をもって、毎試合確実にプレーしていかなければならない。今日はもっとゴールを決めることができたけど、全員がポジティブなパフォーマンスを見せてくれたね――トナーリ
磐石のボランチコンビによる攻守の貢献が要因となり、ミランは大量4得点で勝利を収めることに成功しました。
ザグレブ0-4ミラン
雑感
グループリーグ突破に大きく近づく勝ち点3を得たミラン。
これでザグレブとの勝ち点差は「3」となり、直接対決の結果でミランが上回った(2勝)ことから、最終節の結果に関わらずミランが順位でもザグレブを上回ります。すなわち3位以上確定です。
また、裏のザルツブルク対チェルシーの一戦でチェルシーが勝利したため、現在のグループEの状況は以下の通りになっています。
1位:チェルシー 勝ち点10
2位:ミラン 勝ち点7
3位:ザルツブルク 勝ち点6
4位:ザグレブ 勝ち点4
残すはザルツブルクとの決戦であり、状況は非常にシンプルです。
ミランがザルツブルクに勝つか引き分ければ2位、負ければ3位になります。
ここまで来たら勝ってグループリーグ突破を決めたいところですが、ホーム開催でしかも引き分けでもOKという条件は心理的余裕が生まれる有難い話ですね。
もちろん、その余裕が無意識に油断や慢心に変わるリスクはあるわけで、気を引き締めて臨むべき一戦であることに変わりありません。
まずは週末のトリノ戦を良い結果で終え、心身ともに万全の状態で1週間後の大一番を迎えて欲しいと思います。
Forza Milan!
最後まで読んでいただきありがとうございました。