ミランとチェルシー、選手移籍の歴史について

フィカヨ・トモリオリヴィエ・ジルー
今季のCLグループリーグにて、同組になったミランとチェルシー。

彼らには選手移籍の面で浅からぬ関係があり、これまで様々な有名選手の取引が両クラブ間でなされています。
本日は、『GdS』にて言及されたその歴史を軽く振り返っていきましょう



最初の取引


両クラブ間の最初の取引は1961年、ジミー・グリーブスのミラン移籍です。
チェルシーでの「169試合132ゴール」という抜群の実績を引っ提げてイタリアへとやってきましたが、ネレオ・ロッコ監督率いる当時のミランでは上手くいかなかったとのこと。「13試合9ゴール」と得点ペースとしては決して悪くありませんが、わずか半年でミラン挑戦は終わりを告げました。
その後に移籍したトッテナムでは「321試合220ゴール(※ウィキ調べ)」と爆発し、レジェンドとしてその名を残していることから、単にイタリアの水が合わなかったものと推察されます。

一方、チェルシーがミランの選手を獲得するようになったのは1990年代後半から2000年代初頭にかけてであり、最初の例が1998年のマルセル・デサイーとなります。
ミランでは93-94シーズンに加入し、同シーズンのCL優勝や2度のリーグ優勝に貢献。僕が彼のプレーをフルで観たのは93-94シーズンのCL決勝(再放送)だけですが、今なおベテランミラニスタから「デサイーが欲しい」との声を聞くのも納得できる化け物クラスのパフォーマンスだったのが印象的です。


2000年代


時を進めて2000年代、サムエレ・ダッラ・ボーナが2002年にチェルシーからミランに加入し、同シーズンにてCLを制覇しました。
更に2004年にはエルナン・クレスポが加入し、CLの準優勝などに貢献。クレスポはレンタル移籍だったため翌年にチェルシーに戻りましたが、2006年に再びインテルへと移籍し。本格的なイタリア復帰を果たしました。

一方のチェルシーへは2006年、当時のオーナーであるアブラモビッチ氏の熱烈なラブコールを受け、ミランのエースであったアンドリー・シェフチェンコが移籍します。
移籍金4500万ユーロ、年俸900万ユーロという高額取引になったものの、結果は上手くいかず。2008年にはミランへとレンタルで戻ることになりました。


2010年代


続いては2010年代です。
この時期は最初の数年を除くとミランの低迷期にあたり、ピッチ内外でほとんど良い結果を出せず苦しいものがありました。
それはチェルシーとの取引においても例外ではなく、同時期の獲得選手は以下の通りです。

2014:マイケル・エッシェン
2014:フェルナンド・トーレス
2014:ファン・ヒンケル
2016:マリオ・パサリッチ
2018:ティエムエ・バカヨコ



一方、この時期はミランからチェルシーへの移籍というケースはほとんどなく、2018—19年のゴンサロ・イグアインのみです。ただこれも、ミランがイグアインとのレンタル契約を半シーズンで解除してユーベに戻り、その直後にチェルシーへという間接的な形に止まっています。


2020年代



そして現在。復活を遂げたミランですが、それにはチェルシーから来た2人の選手の力が欠かせませんでした。

まずはフィカヨ・トモリです。2021年の冬に加入し、すぐさまレギュラーの座を獲得。そして当シーズンのセリエA2位フィニッシュ及び8季ぶりとなるCL権の獲得に貢献してくれました。
そしてオリヴィエ・ジルー。2021年の夏に加入し、当時騒がれていた「9番のジンクス」を打ち破る活躍を披露。トモリと共に、当シーズンのスクデット獲得に決定的な役割を果たしてくれています。



さて。このように数十年の歴史を持つミランとチェルシーの選手取引ですが、今後も両クラブ間の取引は行われていくでしょう。

実際、現在のミランは引き続きチェルシーに所属する数選手の獲得を狙っていると報じられており、その最たる例はハキム・ツィエクアルマンド・ブロヤです。

一方のチェルシーも久々にミラン所属の選手に強い関心を寄せ、ラファエル・レオンのチェルシー移籍報道は今夏のメルカート終盤を賑わせました。

早ければ今冬にも何かしらの取引が行われるかもしれません。引き続き要注目ですね。


それでは今回はこの辺で。

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