ケルケス、ミラン加入と退団の経緯を明かす

ミロシュ・ケルケスとは


ミロシュ・ケルケスという名前を覚えているでしょうか。
昨年までミラン・プリマヴェーラに在籍し、逸材SBとして注目を集めていた選手です。
彼は2020—21シーズン後半からミランに加入し、プリマヴェーラで準レギュラーとしてプレー。

続く2021—22シーズンにおいては最初のプレシーズンでトップチームに混ざり、練習試合にも出場するなど順調なスタートを切りました。
以下のプロ・セストとの一戦で披露したケルケスのパフォーマンスは印象的で、覚えているミラニスタの方もいると思われます。



しかし、シーズン開幕後はプリマヴェーラでの出場に終始。プリマではレギュラーとしてプレーするもトップチームで出番を得られず、痺れを切らしたケルケスは移籍を決断することに。同シーズンの冬の移籍市場でオランダのAZへ完全移籍で旅立ち、ミランでの挑戦はわずか1年で幕を閉じました

そして今シーズン、ケルケスはAZにて躍動しているようです。
彼はここまで公式戦15試合に出場して1ゴール・5アシストを記録。攻撃的左SBとして結果を残しています。



ケルケスのインタビュー


さて。そんなケルケスが先日、『Scouted Football』のインタビューに応じ、ミラン加入から退団までの背景を語ってくれています。
僕の知る限り、この件についてケルケスから直接メディアを通して明言されるのを見たのは初めてでしたので、非常に興味深いものでした。

以下、その中でいくつか気になる発言をピックアップしていきたいと思います。


ミラン加入の経緯



まずは「ミラン加入の経緯」についてです。

2020—21シーズンの冬に僕には多くの興味が寄せられていたけど、本当はハンガリーに残ってフィジカルを鍛え、次の夏に移籍したかったんだ。でも、移籍市場が閉まる2日前にマルディーニから電話がかかってきた。僕と父に会いたいと言われ、話をしたらとても魅力的でね。その後、ミランに行くことは明らかだった。偉大なクラブだし、あんな風に誘われたら断ることなんて出来ないよ――Milannews



ミラン加入前は母国ハンガリーのジェールETOというクラブに在籍していたケルケス。

ハンガリーリーグというのはケルケス曰く「フィジカルに特徴がある」らしく、コメントにもある通りもう半年残ってフィジカルを鍛えるつもりだったようなのですが、マルディーニによる口説き落としがここでも炸裂したとのこと。

ミラン加入以降は戦術的な部分で大きく成長することができ、またトップチームでの練習ではイブラ、テオ、レオンなどTVで観ていた選手たちとプレーできて「クレイジー」だったと語るケルケス。ミランでポジティブな日々を過ごせていたことは間違いないようです。


ミラン退団の理由



しかし、最終的にケルケスは早期のミラン退団を選択しました。その理由は以下の通りだそうです

僕は他チームが抱えるどのプリマヴェーラのSBよりも上手くやれていたし、トップチームの練習でも良かったから、その後トップでももっとプレーできることを期待していた。残念ながらそうはならなかったけどね。もちろんミランは偉大なクラブで、若手がチャンスを掴むのは簡単なことではない。でも自分のパフォーマンスを考えると、もっとチャンスに値すると思っていた。――Milannews



「(トップチームでの)出場機会の確保」。非常に端的でファンとしても納得しやすい退団理由ではないでしょうか。

先述の通り、当時のケルケスは練習試合のプロ・セスト戦で印象的なパフォーマンスを披露し、ゴールも決めました。アピールには成功していたといえますね。

しかし、クラブはその後にテオ(左SB)の控えとしてバロ・トゥーレを獲得。
攻守ともに物足りないバロの現在の有様を見るに、ケルケスの将来性に賭けておけばなぁと考えたくなる気持ちは正直ありますが…。とはいえ当時17歳で、今よりも未熟なケルケスを左SBの2番手に据えるという判断を下すのは難しかったと推察されます。

そのためバロ・トゥーレという人選の妥当性はともかく、補強に動く選択自体は間違っていなかったかなぁと個人的には思いますね。


レンタル移籍の可能性



以上、選手・クラブ双方の意思を踏まえると、移籍/放出という帰結に至るのは必然だったといえます。

ただ、この移籍当時どうしても僕の中でモヤモヤしたものがあって、それは「レンタル移籍という形はとれなかったのか?」という点です。
そして、この点についてもケルケスは答えてくれています。

ミランは僕を簡単に手放そうとしなかったし、レンタル移籍のオファーもたくさん届いていた。でもレンタル移籍の選手というのはリスクの高い状態だ。もしかしたら移籍先のチームは、レンタル選手ではなく自前の選手を優先したくなるかもしれないからね。だから僕は可能なら完全移籍を望んだんだ――Milannews



トップチームで出番の無い若手選手が完全移籍を望んでいる状況ですと、クラブ側としてもそう強く引き留めることはできないように感じます。
それにケルケスの主張は一理ありますし、一所でじっくりと出場機会を得て経験を積もうとするのは確かに堅実な考え方です。実際にケルケスは移籍先のAZで順調に成長出来ているようですしね。


一ミラニスタとして、有望な若手の流出はやはり残念ではありますが致し方ありません。
現在のプリマヴェーラやレンタル中の若手にも楽しみな選手は多くいますから、彼らの台頭を心待ちにしたいですね。


それでは今回はこの辺で。

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