アドリが迎えた最初の難局
セリエA6試合を消化した現時点で46分間(2試合)の出場に止まるだけでなく、CLでは登録メンバーリスト選外の憂き目に遭い、試合に出ることが出来ないという状況です、
ピオリは今夏のプレシーズン開始直後、アドリについて「とても面白い選手」と評し、そのインテリジェンスやダイナミズム、技術など様々な点を褒めています。加えて「これから彼を最大限活かせるポジションを見つけていく」という旨を発言しました。
それから時が流れ、セリエA第3節ボローニャ戦の前後(8月下旬)から、ピオリの考える「アドリのポジション」が段々と具体的になってきています。
アドリが使われない主な原因はポジションにあるようだ。ボローニャ戦前、ピオリはアドリを中盤(ボランチ)の一員とは見なしていないことを明言している。またボローニャ戦後にも再び言及し、アドリのサイド起用も否定。更にはサンプドリア戦前の会見では、アドリをメッザーラとしても試していないことを明かした。つまり彼にはトレクァルティスタ(トップ下)の役割しか残されておらず、ブラヒムやデケテラーレとポジションを争わなければならないのである――calciomercato
実際に起用状況を振り返ってみても、これまでアドリはボローニャ戦とサッスオーロ戦にていずれもトップ下で途中出場しています。昨季まで所属していたボルドーでは様々なポジションでプレーしていただけに、起用可能(と判断された)ポジションが1つに限定されている現状は正直驚きではありますね。
もちろん、チームによって各ポジションに求められる役割やクオリティは大なり小なり異なるわけで、そのため同じ選手であってもポジションへの適応可否がチームごとに異なるのは十分にあり得る話です。そしてアドリの場合、少なくとも現状ですとミランではトップ下(それも3番手)でしかプレーできないと判断されてしまっている、と。
その理由を頑張って考えていくと、アドリはまずミランのボランチとしては(おそらく)守備強度が物足りず、ルーズボールの処理(ボールリカバリー能力)や守備時のポジショニング精度等が監督の要求水準に達していないのではないかと予想されます。またサイドで起用しようにも、左の場合は独力での突破力やストライカーとしての要素が物足りず、右の場合は右アウトサイドに張った際のプレー精度や守備時の走力・ポジショニングなどといった点に物足りなさがあるのかもしれません。
なにぶん判断材料に乏しいためハッキリしたことはいえませんし、そのため上記のほとんどは根拠薄弱です。しかしここまでプレー時間と役割が限定されているからには何かしらの技術的・戦術的・精神的理由が複数あるはずで、アドリとしては決して挫けることなく自らの課題を克服し、成長していくことが求められますね。
個人的に、アドリに期待する気持ちは今夏プレシーズンの頃から何ら変わりません。この難局を何とか乗り越えてもらい、ミランでの地位を確立していってもらいたいと思います。
それでは今回はこの辺で。