ケアーの復活と3バックシステム採用の可能性について

シモン・ケアー

ケアーの復活


先日のサンプドリア戦にて、復帰明け2試合目の先発出場を果たしたシモン・ケアー。

先発復帰初戦のサッスオーロ戦では後半終盤に途中交代を余儀なくされるなど、まだフル出場するコンディションに戻ってないように見受けられましたが…。この2戦目ではアグレッシブな動きで対面のFWカプートを抑え込み、退場者により数的不利となった後半以降もリーダーシップを発揮してDFラインを統率。堂々たるパフォーマンスを見せました。

運命は完璧なシナリオを用意した。昨年12月に膝を負傷したマラッシのピッチにて、ケアーは再び素晴らしいパフォーマンスを披露したのだ。
リハビリと理学療法の長い旅路の中でも、シモンは「ピッチに戻り、DFラインの中心に再び立つ」という目標を決して見失わなかった。このサンプドリア戦でもいつもの冷静さと経験をもってフィールドに立ち、相手の猛攻に対処。両チームトップとなる「8回」のボールリカバリーを記録した
――Milannews



上記のデータに関し補足すると、この試合のケアーは「インターセプト数4回)」で1位タイ、「クリア数3回)」でも2位を記録。データにも彼のパフォーマンスは表れていますね。


3バックシステム採用の可能性


さて。このようなケアーの復活に伴い、ミランが3バックシステム(※ここでは「CBの3人起用」の意)を本格採用する可能性も広く取り沙汰されるようになってきました。
もちろんインテル戦やこのサンプドリア戦など、3バックは状況に応じて既に部分的に取り入れられているものの、これまではあくまで「守備固め」といった守備的な側面がかなり強いものでした。一方、現代の3バックはもはや守備的な側面のみを考慮して採用されるものではなく、攻撃面においてもその有用性は評価されています。

この点について、ケアー本人やピオリ監督も3バックシステム採用の可能性についてポジティブなコメントを残しており、有力なオプションの一つとなり得ることは間違いなさそうです。

ケアー「3バックシステムで上手くやれる選手はチームにたくさんいるから、監督もその採用は考えていると思うよ。でもこれだけ多くの試合があると、新しいことを試すのは簡単じゃない。コーチ陣の決断次第だね」

ピオリ「3バックについては既にこの夏から考えていた。我々には5人の強力なCBがいて、中でもシモンは素晴らしいカリスマ性を持った選手だからね。本来であれば今夏の内にじっくりと試したかった私のアイディアの1つであったが、新加入選手の到着が遅れ、当時はシモンも100%の状態ではなかったから出来なかった。今後いつ使っていくかは試合によるだろう」



トモリ、カルル、ケアーのレギュラークラスに加え、ティアウ、ガッビアと控える現ミランのCB陣を考えると、彼らを満遍なく活かすためにも3バックシステムは有益になるでしょうね。
加えて右WBとしてデストがかなりハマりそうな点や、アドリに起用の余地が生まれるという点も特筆すべきでしょう(※ピオリのこれまでのコメントを総合すると「現状アドリはトップ下以外で起用するのは難しい」とのことで、現システムだとほとんどスペースが無い。そこで、「3-4-2-1」などの基本フォーメーション採用があれば、デ・ケテラーレとの2シャドーを組むなどの形で使われ易くなるんじゃないかという願望を含んだ推測)

もちろん、3バック採用の是非は対戦相手の戦術やシステム、自チームの状況(起用可能な選手)にも左右されるでしょう。現状はあくまで「サブシステム」の域は出ないでしょうが、上記のコメント通り試合によっては十分に考慮される選択肢になっていくでしょうね。

それでは今回はこの辺で。

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