デ・ケテラーレが証明した才能 ~初先発のボローニャ戦を振り返る~
先日のボローニャ戦にてミランでの先発デビューを果たしたシャルル・デ・ケテラーレ。
数多くのサポーターが見守る中での試合でしたが、プレッシャーをものともせずに堂々たるパフォーマンスを披露。結果的にも1アシストを記録することが出来ました。
今回はそんなデ・ケテラーレについて、ボローニャ戦でのプレーを振り返っていきたいと思います。
まずはスタッツの観点からデ・ケテラーレのパフォーマンスを見ていきましょう。
以下は『fbref』による、ボローニャ戦でデケテラーレが残した印象的なスタッツ及びチーム内順位です。
この試合では相手ゴール前でのプレーが印象的だったデ・ケテラーレ。そのためスタッツもこのように、主にファイナルサード(特にPA)付近で行ったプレーに関する数値が高いです。
62分という先発としては比較的短めの出場時間ながら、パスとドリブルの両方を駆使し、多くのチャンスメイクを行ったことがデータからも窺えますね。
それでは具体的に、実際のデ・ケテラーレのプレーをいくつかピックアップしていきましょう。
まずは開始6分のシーンです。

――シーン1:後方からのロングボールを回収し、右サイドのメシアス(赤)に展開したミラン。ここで相手の左CBサイドが対応に出て両CB間にスペースが生じたため、デケテラーレはすかさずそのスペースに走り込んでパスを引き出す

――その後の場面。相手の中央CBが自身の対応に出てくることを見越していデケテラーレは、ファーストタッチでその背後のスペースにボールを蹴り出し、スピードに乗って一気に裏に侵入

――その後の場面。相手に追いすがられるもフィジカルを活かしてしっかりと相手の前に入り、最終的にクロスにまで持ち込んだ
走力(オフザボール)、スペース認識能力、及びファーストタッチのセンスといったデ・ケテラーレの数多くある長所のいくつかが発揮され、開始早々に見せ場が生まれました。。
続いては21分、アシストを記録したシーンについてです。

――シーン2:相手からボールを奪い、カウンターを開始するデ・ケテラーレ。まず彼はボールを運びながら、左方向のレオンの位置を確認する

――その後の場面。続いてデケテラーレはドリブル方向を中央にずらしながら右方向を確認し、ジルーへのスルーパスの可能性を匂わせつつ前進

――その後の場面。相手3バックが中央に圧縮し、チャレンジの態勢に入ったところで、すかさずデケテラーレはアウトサイドでスムーズに左サイドのレオンにへとラストパスを供給した
安定したパス・ドリブルスキルと冷静なプレー判断により作り出した決定機です。
また、このカウンターに至ったスハウテンからのボール奪取、及びそこからの前方スペースへの持ち運びという一連の場面も印象的でした。彼の優れた体格は攻撃面だけでなくディフェンス面や、またトランジション時に相手の即時奪回をいなす際にも活かされ得ることが分かりますね。
続いては後半のワンシーンについてです。

――シーン3
相手が5バック+アンカーの6人でゴール前を固める中、ここでベナセルがスペースのある中盤からドリブルで仕掛けます。その際、同サイドのカラブリアと、サイドに流れたデ・ケテラーレとのコンビネーションによって打開していきました。

――サイドのカラブリアにボールが渡る。そして、そこへ対応しに出てきた相手左WBの裏から前方に飛び出してパスを引き出すデ・ケテラーレ

動きながら彼は、自身に左CBが対応しに来ていることと、それにより生じ得る背後のスペースにベナセルが動いていることを認識

――その後の場面。サイドでしなやかなターンを駆使してボールキープし、当該スペースへとスムーズにパスを供給。チャンスを演出した
最初に言及した2つのシーンは独力の要素が強いチャンスメイクでしたが、このように周囲の味方との連携プレーによる崩しが上手いのもデ・ケテラーレの大きな魅力です。また、上記シーンでは持ち前のターン技術を駆使してのボールキープも披露していますね。
これから先、味方との連携を深めていく中でこうした長所は真価を発揮するようになるでしょう。

――シーン4:例えば前半のこの場面。左サイド深くでボール回しに参加しつつ、位置を微調整しながら相手にとって捕まえ辛いポジションを取るデケテラーレ

――その後の場面。しかしここではトナーリのヒールパスがデケテラーレに合わず、相手にインターセプトされてしまった
このシーンでは味方との連携が合わずにチャンスには繋がりませんでしたが、今後こうした位置でボールを受けたデケテラーレが決定機を演出するといったことは大いに期待されますね。
ミラン加入前のデ・ケテラーレについて書いた以下の記事にある通り、今回言及したプレーはいずれも彼本来の持ち味が発揮されたシーンといえます。
いくら欧州カップ戦で経験を積んでいたとはいえ、21歳の若手選手が異なるリーグ、異なる環境に適応するのは決して簡単なことではありません。そんな中、彼は初先発にして早くも自らの持つ価値・才能を証明しましたし、ミランが最高の宝石を手に入れたことは衆目の一致するところとなりました。
ここからデ・ケテラーレがどれほど成長し、チームの一員として攻撃のクオリティをどれほど引き上げてくれるのか…。これからが本当に楽しみですね。
それでは今回はこの辺で。
数多くのサポーターが見守る中での試合でしたが、プレッシャーをものともせずに堂々たるパフォーマンスを披露。結果的にも1アシストを記録することが出来ました。
今回はそんなデ・ケテラーレについて、ボローニャ戦でのプレーを振り返っていきたいと思います。
データ
まずはスタッツの観点からデ・ケテラーレのパフォーマンスを見ていきましょう。
以下は『fbref』による、ボローニャ戦でデケテラーレが残した印象的なスタッツ及びチーム内順位です。
キーパス:4回(1位)
PA内へのパス:4回(1位タイ)
ドリブル成功数:3回(2位)
ドリブルでのファイナルサード侵入:4回(2位)
ドリブルでのPA侵入:2回(1位タイ)
この試合では相手ゴール前でのプレーが印象的だったデ・ケテラーレ。そのためスタッツもこのように、主にファイナルサード(特にPA)付近で行ったプレーに関する数値が高いです。
62分という先発としては比較的短めの出場時間ながら、パスとドリブルの両方を駆使し、多くのチャンスメイクを行ったことがデータからも窺えますね。
デ・ケテラーレのプレー~ボローニャ戦~
それでは具体的に、実際のデ・ケテラーレのプレーをいくつかピックアップしていきましょう。
1.開始序盤の妙技
まずは開始6分のシーンです。

――シーン1:後方からのロングボールを回収し、右サイドのメシアス(赤)に展開したミラン。ここで相手の左CBサイドが対応に出て両CB間にスペースが生じたため、デケテラーレはすかさずそのスペースに走り込んでパスを引き出す

――その後の場面。相手の中央CBが自身の対応に出てくることを見越していデケテラーレは、ファーストタッチでその背後のスペースにボールを蹴り出し、スピードに乗って一気に裏に侵入

――その後の場面。相手に追いすがられるもフィジカルを活かしてしっかりと相手の前に入り、最終的にクロスにまで持ち込んだ
走力(オフザボール)、スペース認識能力、及びファーストタッチのセンスといったデ・ケテラーレの数多くある長所のいくつかが発揮され、開始早々に見せ場が生まれました。。
2.冷静なアシストシーン
続いては21分、アシストを記録したシーンについてです。

――シーン2:相手からボールを奪い、カウンターを開始するデ・ケテラーレ。まず彼はボールを運びながら、左方向のレオンの位置を確認する

――その後の場面。続いてデケテラーレはドリブル方向を中央にずらしながら右方向を確認し、ジルーへのスルーパスの可能性を匂わせつつ前進

――その後の場面。相手3バックが中央に圧縮し、チャレンジの態勢に入ったところで、すかさずデケテラーレはアウトサイドでスムーズに左サイドのレオンにへとラストパスを供給した
安定したパス・ドリブルスキルと冷静なプレー判断により作り出した決定機です。
また、このカウンターに至ったスハウテンからのボール奪取、及びそこからの前方スペースへの持ち運びという一連の場面も印象的でした。彼の優れた体格は攻撃面だけでなくディフェンス面や、またトランジション時に相手の即時奪回をいなす際にも活かされ得ることが分かりますね。
3.味方との連係プレー
続いては後半のワンシーンについてです。

――シーン3
相手が5バック+アンカーの6人でゴール前を固める中、ここでベナセルがスペースのある中盤からドリブルで仕掛けます。その際、同サイドのカラブリアと、サイドに流れたデ・ケテラーレとのコンビネーションによって打開していきました。

――サイドのカラブリアにボールが渡る。そして、そこへ対応しに出てきた相手左WBの裏から前方に飛び出してパスを引き出すデ・ケテラーレ

動きながら彼は、自身に左CBが対応しに来ていることと、それにより生じ得る背後のスペースにベナセルが動いていることを認識

――その後の場面。サイドでしなやかなターンを駆使してボールキープし、当該スペースへとスムーズにパスを供給。チャンスを演出した
最初に言及した2つのシーンは独力の要素が強いチャンスメイクでしたが、このように周囲の味方との連携プレーによる崩しが上手いのもデ・ケテラーレの大きな魅力です。また、上記シーンでは持ち前のターン技術を駆使してのボールキープも披露していますね。
これから先、味方との連携を深めていく中でこうした長所は真価を発揮するようになるでしょう。

――シーン4:例えば前半のこの場面。左サイド深くでボール回しに参加しつつ、位置を微調整しながら相手にとって捕まえ辛いポジションを取るデケテラーレ

――その後の場面。しかしここではトナーリのヒールパスがデケテラーレに合わず、相手にインターセプトされてしまった
このシーンでは味方との連携が合わずにチャンスには繋がりませんでしたが、今後こうした位置でボールを受けたデケテラーレが決定機を演出するといったことは大いに期待されますね。
まとめ
ミラン加入前のデ・ケテラーレについて書いた以下の記事にある通り、今回言及したプレーはいずれも彼本来の持ち味が発揮されたシーンといえます。
いくら欧州カップ戦で経験を積んでいたとはいえ、21歳の若手選手が異なるリーグ、異なる環境に適応するのは決して簡単なことではありません。そんな中、彼は初先発にして早くも自らの持つ価値・才能を証明しましたし、ミランが最高の宝石を手に入れたことは衆目の一致するところとなりました。
ここからデ・ケテラーレがどれほど成長し、チームの一員として攻撃のクオリティをどれほど引き上げてくれるのか…。これからが本当に楽しみですね。
それでは今回はこの辺で。