ガッビア、ミラン残留の可能性が高まる?

今夏のメルカート期間も2週間を切りましたが、ミランの補強ポイントの一つであるCBについては依然として不明確なままです。
果たしてCB補強はどうなるのか。今回は現在の情報を整理して見ていきたいと思います。

メルカートでの苦戦


補強予算が残り少ないミランにとって、新しいCBは「レンタルで獲得する」というのが最もあり得るシナリオとなっています。
そうした厳しい制約の中、獲得候補の本命といえたのがPSGに所属するアブドゥ・ディアロでした。

しかし、最近はディアロ獲得の可能性もかなり低くなっているようです。

ミランは昨冬に引き続きアブドゥ・ディアロへの関心を持っていたが、最近は徐々に冷え込んでいる。理由は2つあり、まずディアロ本人が提示された役割に納得がいっていないことだ。現状だとトモリ、カルル、ともすればケアーに次ぐ第3・第4CBとしてプレーすることになると見られる。第2にミランとPSGは移籍方式の点で合意できていない。ミランは買取OP付きのレンタルを望んでいるが、PSGは買取義務を課すことを希望している――Tutto sport



僕は基本的にトゥットスポルトをソースにミランについて書くことは無いのですが、今回は内容的に信憑性があると感じたため取り上げました。

ディアロのミランにおける位置付けは「CB・左SBのバックアッパー」になると思われ、そのいずれであっても十分な出場機会は保証されません。ミランにとっては両ポジションの層を厚くできる有り難い存在となり得ますが、本人からすれば出場機会の確保を最優先とするでしょうからミラン移籍に乗り気でないとしても納得です。

また先述の通り、PSGとの交渉も合意点を見出すのは容易ではありません。ディアロの去就決定がメルカート最終盤までもつれればミランに有利な条件で合意する可能性も考えられますが、その他のターゲット獲得の可能性を捨ててまでディアロ獲得に執心すべきかは疑問の余地がありますね。

この点に関し、ミランが狙うディアロ以外の獲得候補としてはスパーズのタンガンガとフランクフルトのヌディカの名前が挙げられています。が、彼らもまたそれぞれ獲得に向けクリアすべきハードルがあり、いずれも一筋縄ではいきそうもありません(詳細は以下の記事に詳述)。



ガッビア残留という選択肢


さて。このようなメルカートでの苦戦により、ミランはCB補強について消極的な選択肢を採る可能性が高まっています。それは「ガッビアの残留」によるスカッドの維持です。

・ディアロの獲得交渉が難航していることから、ガッビアは少なくとも1月まではチームに残るはずである――Tutto sport

・これまでガッビア獲得に熱心だったサンプドリアは考えを変えたため、ガッビアはミランに残留する見込みだ――milannews

・サンプドリアが強い関心を寄せるガッビアだが、ピオリの支持もあり1月まで残留する可能性がある。彼はメンバー登録の面でも有益な存在だ――calciomercato



当初の報道だとガッビアはサンプドリア行きが濃厚であり、ミランが新CBを補強すると同時に彼はレンタル移籍するという流れが有力視されていました。しかし、ミランの補強作業が停滞していることでガッビアも止まる可能性が高まってきている、と。


報道でも言及されているように、登録枠の面でガッビアを残すことができるのは大きいと思います。彼は「自クラブ育成枠」として登録でき、その分制限なしの登録枠「17」の内1つを空けることが可能になりますしね。

しかしながら、そもそも何故ガッビアがレンタル移籍される予定だったかを考えると、この消極的な選択を支持できないところがあるのも事実です。
というのも、現在22歳となったガッビアのレンタル移籍は出場機会の確保、延いては成長のために必要とされており、その観点から選手本人もレンタル移籍を希望していた(現在もしている)と一部で報じられています。

この点に関し、これまでガッビアはミランにて3シーズン連続でプレーしたわけですが、各シーズンの出場数およびプレー時間は以下のようになっています。

○2019-20シーズン
セリエA:    9試合(678分)
コッパ・イタリア:1試合(8分)

○2020-21シーズン
セリエA:8試合(558分)
EL予選:3試合(300分)
EL:  2試合(180分)

○2021-22シーズン
セリエA:    8試合(538分)
コッパ・イタリア:2試合(137分)



3シーズンを通して全体的に出場機会が少なく、またシーズンを経る毎に出場時間が増えている等といったポジティブな変化もありません。
ガッビアがこれまでバックアッパーとしてチームに一定の貢献を果たしてきたことは確かですが、どこかでレギュラーとして継続的な出場機会を与え、多くプレーさせることで成長を促すことがそろそろ必要なのではないかとも感じますね。

一方、レンタル先として本命だったサンプドリアが撤退しそうなことで、チームのCB補強の有無に関わらず残留する可能性も浮上しています。

チーム事情に振り回されているガッビアが何とも気の毒ですが…。今夏のメルカート終盤は彼の去就にも注目ですね。


それでは今回はこの辺で。

1Comments

マツモト

やはり

ガッビア半年残しの策を持って来ましたかチームにとっては一番不安のない方向ですし無理やりの補強はどうかと思うので良いのではないでしょうか、でもこれで一年間必要だとしているCBを取らない選択で大丈夫かねぇ、最終日まで誰か狙っているとは思いますけど新しい名前にも期待。
確かにディアロ26歳で4番手は納得しづらいですよね19歳から22歳を狙って育てるのが良いか。

  • 2022/08/20 (Sat) 23:36
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