ミラン、ツィエク獲得を諦めず?

昨夏に引き続き、ミランの補強候補として報じられるハキム・ツィエク
今夏のメルカートにおいては開幕序盤からその名前が浮上しており、今なお獲得の可能性が取り沙汰されています。

ミランはデ・ケテラーレを獲得した後も、ツィエクをチームに加える望みを捨てていない。選手自身もチェルシーからの移籍を強く望んでおり、彼にとってミランは興味深いオプションである、そのため移籍市場の後半において解決策となる可能性がある。――Telegraph

当ブログにて約1カ月前に言及したように、ミランがツィエクの獲得を実現するために解決すべき課題は少なくとも2つあります。1つは「移籍形式」、もう1つが「年俸」についてです。



ミランはデケテラーレの獲得に今夏の予算の大半を投じたため、ツィエクの獲得交渉に際してはローンでのオファーしか選択肢がありません。この点、チェルシーはローンオファーを容認する姿勢を示しているそうですが、その移籍に買取義務を付帯することを要求しているらしいと。一方のミランの希望はあくまで買取オプション止まりという事で、まずは移籍形式(買取額の詳細を含む)についてクラブ間で合意に達する必要がありますね。

そしてツィエク個人との交渉に際しては、現在の彼が貰っている推定600万ユーロの年俸を如何にして減らすかが争点です。ミランが重要視している年俸バランスの観点から、ツィエクが加入するにあたっては少なくない減俸が求められますが、果たしてそれを本人が受け入れてくれるのかどうかは疑問の余地がありますね(ここまでの報道を見るに、当然ながらツィエクは減俸に乗り気ではなさそう)。
また、チェルシー側にツィエクの年俸の一部を負担してもらうという可能性も取り沙汰されておりますが、それには追加のクラブ間交渉が必要となるため交渉の難易度が上がります。

財政的に難しい立場にあるミランにとって、今回の取引を成立させるにはチェルシー、ツィエク双方の譲歩をかなり必要としますから、決して一筋縄ではいかないでしょう。
そのため、この交渉はメルカート期間の終盤になってヒートアップし得るものではないかなと。それまでにツィエクを取り巻く状況に変化が無ければ、ミランに有利な条件で取引をまとめることができそうですしね。

しかしながら、ツィエク側としては悠長に構えるつもりは無さそうです。

今夏、ツィエクはミランへの移籍を希望しており、また彼の友人であり元チームメイトのルカクも彼をミランに推薦している。しかし、ツィエクはミランが買い取りオプション付きのレンタル移籍交渉をなかなか進めないことに不満を募らせ、自身の弁護士に別の選択肢を探すよう指示している ――Evening Standard



去就をいち早くハッキリさせたいであろう選手の対応としては自然ですし、これで理想的な移籍先が見つかるようであればミランとしては致し方なしですね。


最後に。この件についての個人的見解を述べさせていただきますが、ツィエク(右サイドアタッカー)を獲得する必要性はメルカート開幕当初に比べて減少しているように思います。

というのも、本来の予定であれば現有戦力の内サレマかメシアスを放出し、その後釜にツィエクを獲得するというのがミランのプランだったと思うのですが、現状ですと2人は残留が濃厚です。
また、サレマはともかくメシアスは今プレシーズンマッチで印象的なパフォーマンスを披露しており、今季の彼には昨シーズン以上の活躍が期待されます。

更に、以上の戦力的事情もあってか現在のミランは他ポジション(CB、中盤)の補強を優先していますし、そもそも財政的に右サイドの補強にまで手が回らないのではないかというのが率直な印象です。

そんな訳で、今後サレマを売却するなどの大きな動きがないかぎりツィエク獲得の可能性は低いのかなと思います。まぁでも先述の通り、メルカートの終盤までツィエクの去就が決まらない場合にチャンス自体はあるでしょうけどね。

何にせよ現時点では何が起こるか分からないという事で、今後も彼の去就は注目に値する一件です。


それでは今回はこの辺で。

1Comments

マツモト

最近は

移籍金や年棒はどうでもいい私が払うわけでも無いしミランの偉いさんが高いと思えば辞めればいいだけ、スカウトが名前を上げる選手はみんな納得できる人たちで能力、チームに合うかどうかをちゃんと見極めているので来た人を楽しみに応援したい。

  • 2022/08/11 (Thu) 21:42
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