ミラン、ジャン・オナナに興味か~その守備的特徴について~

先日の記事で触れた通り、現在報道ではミランの「中盤の補強候補」として実に様々な名前が浮上しています。

その選手たちを片っ端から全部紹介していくというのは難しいですが、個人的に好感を持った何人かの選手については何回かに分けて見ていこうかなと。

本日はボルドーに所属するジャン・オナナジーン・オナナ)についてです。

ここ数日、マルディーニとマッサーラはスカウト部門から提案された長い候補リストを吟味しており、その中にはボルドーのジャン・オナナの名前も挙がっている。チーフスカウトのジェフリー・モンカダは数ヶ月にわたってオナナを追い続け、ヤシン・アドリとの一件に見られるように、両クラブの関係は良好である。オナナは肉体的に非常に強いミッドフィルダーで、爆発力があり、チェンジ・オブ・ペースに優れている。――calciomercato.com



現在ミランが求めているMFの特徴として、「身体能力(肉体的強さ・スピード)に優れていること」が含まれているのはほぼ間違いないでしょう。

それに加えて、これまで浮上したレナト・サンチェス、チュクエメカ、セコ・フォファナなどの獲得候補はいずれもドリブルで仕掛けのスイッチを入れる能力を有しており、ミランは攻撃色の強いMFを求めているのではないかと予想されました。


一方、オナナはどちらかというと守備的な側面に特長のあるタイプといえるのではないかなと。



オナナの守備的特長について


それでは具体的にオナナのプレースタイルや特徴について、データを参照しつつ見ていきたいと思います。

最初に言及したいのが彼の「プレッシング能力」です。

【21-22】オナナ_プレッシャー
――データ1

上記は21-22シーズンのプレッシングに関する平均スタッツ、及びリーグアンの中盤選手を対象としたパーセンタイルですが、オナナはいずれもリーグ上位の数値を記録しています。
特に上から2番目の項目「プレッシング成功数(※ここでの『成功』の定義は『自身がプレスを行ってか5秒以内にチームがボールを回収すること』)」においては「8.16回」でリーグトップ。それでいて上から3番目の項目「プレッシング成功率」も高い数字を維持できています。

このことからオナナはプレスの感覚に優れ、適切なタイミングやインテンシティで相手にプレッシャーをかけることで、チームとしてのボール回収を円滑にしてくれる選手ではないかと推察されます。


【21-22】オナナ_タックル
――データ2


【21-22】オナナ_インターセプト等
――データ3

そして上記の「データ2、3」にある通り、独力でボールを奪えるところもオナナの魅力といえます。平均「タックル成功数」はリーグトップであり、またタックル数とインターセプト数を合わせた数値は「6.78回」とこれまたリーグナンバーワンです。

オナナは相手に身体をぶつけてボールを奪う奪取力だけでなく、相手のパスを鋭い読みで事前に察知する力を合わせ持っていることが窺え、守備面において非常に有用な選手となることが期待されますね。

その一方、オナナの評価についてざっと調べてみると、パスコースや相手ボールホルダーの進行方向を「先読みし過ぎる」クセが課題として挙げられているのを目にします。
例えば相手ボールホルダーに対し寄せに行き、相手の次のプレー選択を先読みしてアクションを起こした結果その逆を突かれ、抜かれてしまうなどですね。

【21-22】オナナ_ドリブルタックル等
――データ4

この点に関し「データ4」を見てみると、確かにドリブラーに対して積極的にタックルを仕掛けボールを奪っている一方、ドリブルで抜かれる回数も平均して「2.36回」とかなり多いことがわかります。
アグレッシブにボールを奪いにかかるプレースタイルであるため抜かれるリスクはどうしても生じますし、こうしたスタッツが悪化するのはある程度仕方ない側面はあります。ただこれに関しては改善の余地はあるように感じられますし、総合的な判断力の向上という点は22歳の彼にとって伸びしろといえるかもしれませんね。


オナナ獲得の是非


ここまでオナナのプレースタイルの内、特定の部分にのみ言及しました。
攻撃面などその他の部分については、実際に獲得が実現した場合に改めて触れていこうと思います。

さて。そんなわけで守備面に強い特徴を持ったオナナの獲得というのは個人的に賛同できます。
年齢は22歳と若く、市場価値についても『transfermarkt』を見るに500万ユーロと安いため、移籍金はミランの払える範囲に収まるでしょう。

この点、今夏のミランが攻撃的・守備的どちらのタイプの中盤を求めるかによっても変わってきそうですし、現在はどちらかというと攻撃的なタイプを欲しているのかなとも予想されますが…。もし守備的なタイプの獲得に舵を切るのであれば、今後オナナは有力な獲得候補になるのではないでしょうか。

それでは今回はこの辺で。

1Comments

マツモト

またオナナの名前が帰ってきましたね前から注目してましたがトナーリ怪我かもしれないし一人守備的なMFがいても良いのでは、まぁそのポジションでスカされるのは怖いけど4−5番手ですから育てる感じでもいいですかね。

  • 2022/08/07 (Sun) 04:13
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