ネスタが語る今季のCLと現在のミランについて

アレッサンドロ・ネスタ
ミランのレジェンドであるアレッサンドロ・ネスタが『GdS』のインタビューに応じ、来シーズンの展望や現在のミランについて見解を述べています。

CLの展望


(新シーズンのCLで最も躍進するイタリアクラブは?)インテル、それからユベントスだろう。ミランがCLで大きな結果を残すには、もういくつかの重要なピースを加えなければならない。まだ正しい道を歩み始めたばかりだからね。ナポリは少し魂が抜けてしまった。カリドゥ・クリバリとロレンツォ・インシーニェはピッチ外でもチームをまとめる偉大なチャンピオンであり、彼らの代わりを見つけるのは困難だろう。



インテル、ユベントスはいずれも今夏のメルカートで国際経験豊かなビッグネームを加えるなどして、新シーズンに向けた準備を進めています。CLのような舞台においては選手の経験値がモノをいう側面は比較的大きく、その点でイタリアクラブの中だとこの2クラブの期待度が高くなるのは頷けますね。
一方のナポリは、長年に渡りチームを支え続けてきたクラブレジェンドが複数人退団することになり、そのため今シーズンはチームを作り直す「再建」のための時期になるかもしれません。

そしてミランはというと、CLのベスト16進出は現実的な目標としつつも、それ以上の躍進には「(対戦相手など)やタイミング(チームコンディションなど)、チーム事情(離脱者の数、リーグ戦との兼ね合いなど)」といった要素に左右される部分がかなり大きくなると思います。
ミランの選手層的にリーグとCLの2足の草鞋を履き続けるには限界があるでしょうし、例えば主力の離脱中にメガクラブと対戦するなんてことになれば絶望的です。

そこで、ミランの目標(以上)の達成には「第1ポットの恩恵をどれだけ受けられるか」が重要になるでしょう。
というのも、比較的楽なグループに入れれば1位突破の可能性、延いてはベスト16で有利な対戦相手が選ばれる可能性は高まります。ですので、まずはグループステージのくじ運に恵まれることを祈りたいです。


現在のミラン


どのグループにもそれぞれのダイナミクスがあるが、ミランではステファノ・ピオリ、パオロ・マルディーニ、フレデリック・マッサーラの3人が切り離されていた環境をまとめ、1つのファミリーが再形成されたのだと思う。これが今のミランの大きな強みだ。
だが、このように現経営陣はミランにアイデンティティをもたらしたとはいえ、かつてシルヴィオ・ベルルスコーニが金に糸目を付けずに最高の選手を買っていたあの頃と同じ状況になるはずもない。今チャンピオンズリーグに出場し、イングランドやスペインのチームと競うにはアイデアと資金が必要だ。



ここ数年ミランはスポーツ面の成績を上げ続け、昨シーズンにはスクデット獲得という望外の結果を得ました。その要因の一つがネスタのコメントにもある「チームの結束力の高さ」でしょう。また、それと同時に財政面の改善もなされている現状を見るに、現経営陣による一貫した方針の正当性は示されているといえますね。
一方、世界トップクラブへと復帰する道のりはまだまだ長く、それは今夏のメルカートにおけるあまりに渋い動向を見れば明らかです。

この点、スタジアム問題の解決により財政面の抜本的な改善を図るなどといった対応は既に見られますが、その間にもスポーツ面の結果は常に一定以上求められるわけで、財政と戦力のバランスを保つことは今後のチームにとって生命線といえますね。
ただし現在は前者(財政)に比重が傾いているように見受けられ、トップターゲット(デケテラーレ)の獲得交渉に際しても数百万ユーロの上乗せを渋る徹底ぶりです。

これ、心情的にはどうじても納得し難いものがありますが…。とにかく今は交渉が無事にまとまり、戦力アップと共にスポーツ面でも良い結果を残せることを願うばかりです。


それでは今回はこの辺で。

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