ポベガの「これまで」と「これから」

トンマーゾ・ポベガ
今シーズンにミランへのレンタルバックを果たしたトンマーゾ・ポベガ。
これまで他クラブにて武者修行を続けていた彼ですが、いよいよ今季からミランのトップチームでその実力を披露することが濃厚となっています。

そんな彼の代理人であるパトリック・バスティアネッリ氏が『Sky』のインタビューに対し、以下のように語ったとのことです。

1.これまでのポベガ


トンマーゾは正しい成長の道を歩んでいる。最初に下部リーグでプレーし、その後の2年間はスペツィア、トリノで主役を演じた。昨シーズンの彼はユリッチ監督のおかげで大きく成長し、今ではミランのようなハイレベルなクラブで競う準備が整っている――Milannews



コメントにもある通り、ポベガはここまで1シーズン毎にレベルを上げながら経験を積んでいくという非常に順調なキャリアを送っています。
まずはセリエCのテルナーナ、続くセリエBのポルデノーネでプロとしての本格的な実戦経験を積み、その翌年はセリエAのスペツィアで知将イタリアーノ監督から指導を受け、攻守におけるポジショニング等を改善。
そして昨シーズン。より規模の大きいクラブのトリノにレンタル移籍し、同じく知将のユリッチ監督の下でインテンシティを中心に磨きをかけ、遂にミランへの復帰を果たしました。

いずれのクラブにおいても出場機会を手にし、かつ優秀な指揮官にも鍛えられたポベガのレンタル修行は成功でしたし、理想的なものだったといえますね。


2.これからのポベガ


私はポベガが「新加入選手」を代表する存在になれると思っている。彼はピッチ内外で素晴らしい男であり、正しい姿勢で仕事に取り組む。そして彼の持つ特徴を考えれば、ミランの中盤を完成させることができるだろう。昨シーズンに彼は複数の役割をこなせることを示しているからね――Milannews



実質的なプレシーズン初戦となったケルン戦において、先発出場したポベガは強みとするダイナミズムを攻守において発揮しました(この点については以下の記事の最後で言及したため、ここでは割愛)。



とは言え、本領発揮となるのはもう少し先になるでしょう。
現状、ポベガはボールの「受け手」としての側面に強みを持つタイプです。例えば彼の前線への飛び出しを活かすには、その飛び出しのタイミングに合わせてパスを出してくれる味方の存在が必要になりますし、そうした選手達と十分な連携をとるにはまだまだ時間が必要なはずです。
この点、優秀なパサーとの関係性は特に重要になりますが、現時点ですとアドリ辺りとは良い関係を構築できそうな様子ですね。

加えて、ポベガにはボールの「出し手」としての側面をチームの中で機能し得るレベルに鍛えることも求められます。
トリノにおいてはトランジションを非常に重視するスタイルであったこともあり、「後方からの丁寧な繋ぎ」といった部分の重要性がそこまで高くありませんでした。
しかしながらミランにおいては、後方からの組み立てに関与する度合いは相対的に高くなります。更にその際に、流動性の求められるミランのボランチには状況に応じて最終ラインに下がったり、サイドに流れてビルドアップやカバーリングをこなしたりといった判断力も要求されます。
ポベガがミランのレギュラーとして重要な存在になるにはそうした側面でも成長を遂げ、万能型の選手に近づいていくのも必須になるのではないかなと。

もちろん、上記の点はポベガの未だ開発されていない能力であるといえますし、代理人コメントの通り真面目で意欲的な彼であれば成長は十分に望めるというものです。運動量フィジカルインテンシティといったミランの中盤に強く求められる要素は既に満たしていますから、レギュラーの素質という点では確かなものがありますしね。

今シーズン終了後には「ポベガの復帰が最大の補強」といえるほどの成長、そして活躍を見せて欲しいと思います。


それでは今回はこの辺で。

1Comments

マツモト

未だにサンチェス、エンドンベレ、フラッテージとラデもいるのに名前が上がるのは監督は今のメンバーに納得してないのかも

  • 2022/07/22 (Fri) 12:13
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