ミランの「新」CB獲得候補について~アチェルビ、テアテ、ティアウ~

ボトマンの獲得失敗を機に、CB補強を安価で済ませる方針に切り替えることが濃厚になったミラン。
そこで現在、報道によると3選手の名前が新たに候補として浮上しています。

現在、ミランはアチェルビのような、より安価な選手に目を向けると予想されている。34歳となった彼は過去4シーズンで173試合に出場しているが、ラツィオサポーターとの関係が良くなく、もしミランへの帰還となれば大喜びするだろう
残り2名の候補の内、1人はボローニャ所属のアルトゥール・テアテである。この22歳の選手には1月にミランが情報を求めており、ボローニャは600万ユーロの買取OPで獲得したばかりだが、手っ取り早くキャピタルゲインを得るために1500万ユーロ程度で売却する可能性もある。
もう1人の名前はシャルケ所属のマリック・ティアウ。この選手もミランが1月に獲得を試みたが、提示額600万ユーロに対しシャルケの要求額は1000万ユーロと合意を見出せなかった。しかし、クラブがブンデスリーガ1部に昇格した今でも再びターゲットとなる可能性がある
――GdS



マルディーニ&マッサーラの契約延長まで具体的な動きは無いはずですが、『Sky』などの有力メディアも報じている内容なだけに、とりあえず言及しておきたいところです。

この中で移籍金が最も安価で、獲得難易度も低そうなのがアチェルビでしょう。移籍金は500万ユーロを上回らないとされており、ラツィオ側も放出を容認する姿勢を見せていることから、クラブ間交渉も比較的スムーズに進むはずです。

しかしながら、有り体に言って最も期待感の薄い候補でもあります。機動力やスピード・アグレッシブネスに欠けるアチェルビが今のミランの守備スタイルに適応できるかは大いに疑問符が付くところであり、戦力的な観点から獲る必要性を僕はあまり感じません。年齢的にも伸びしろは無さそうですしね。

確かに、豊富な経験があったりですとか国内育成枠を埋められたりといった利点はありますが、そういったのは全て「戦力として計算できる」というのを前提にしたメリットだと思います。それに、そもそもボトマンは若手選手であり将来をも見据えた補強の予定だったはずで、その点からも彼の代替候補がベテランのアチェルビというのは腑に落ちません。

ただし、今のミランはプレースタイル的な観点をあまり重視せずに選手を獲得することがままあるだけに(例:ガットゥーゾ監督時代とはまるで守備スタイルが違うのに、当時の成功体験をアテにして獲得したバカヨコや、ミランのトップ下のタスクを任せるのは難しいのに当該ポジションでの起用も踏まえて獲得したメシアスなど)、今回も獲得難易度の低さや登録枠の方を優先してアチェルビを確保する可能性はありそうです…。


一方、戦力的な観点から個人的に期待しているのはテアテです。

今シーズンのテアテはセリエA初挑戦ながら、すぐにレギュラーに定着してリーグ戦31試合に出場しています。



僕の観た試合の中でのテアテに関して、積極的なプレッシング能力(機動力)、人に強く当たれるマーキング能力(アグレッシブネス)共に優れている印象を受けましたし、ボール扱いについても前方にドリブルで持ち運び、縦にパスを供給できるといった現代的CBの要素も兼ね備えています。

毎試合観たわけではないので細かい部分は分かりませんし、2CBシステムへの適応などまだまだ改善の余地はあるのだと思いますが、若手CBであれば多少の粗は受け入れるべきでしょう。プレースタイルや特徴はミランに合っているため、練習や試合の中で成長し易いはずですしね。

また、テアテは左SBでも起用し得る点も大きいです。CBだけでなくテオのバックアッパーとしても起用できればチームの層は厚くなりますし、またテアテ自身にとっても出場機会が増えますからね。
それと今季の彼は3CBの左がメインポジションでしたが、例えば左SBで起用しつつボール保持時に左SBを左CB(3バック)に可変させるシステムを採用すれば、テアテを同様の位置・役割で使う事も可能でしょう。何にせよ上手くハマればチームにとって非常に貴重な戦力になりますね。

懸念材料としては、他の獲得候補と比べて移籍金が高くなりそうな点です。現時点では報道によってバラつきがありますが、移籍金は凡そ1000~1500万ユーロほどと噂されています。
それでもボトマンと比べれば半額以下のお値段なわけですが、先述の通りミランはCB獲得にお金をかけない方針になったそうなので、CB獲得用にどこまでの資金を残すのかがポイントになりそうです。


最後にティアウについてですが、この選手のことは正直良く分かりません。



利き足は「右」という事で、もし利き足を強く意識するなら有力候補からは外れるように思いますがどうなるか…。報道を見ていても現時点では最初の2人が有力候補で、ティアウの優先度は下の印象ですしね。



以上。ざっと3選手(実質2選手)について自分なりの考えを述べさせていただきましたが、結局は全く別の選手を獲得することになったなんてのもメルカートの定番ではあります(そもそも最有力候補だったのは元々ボトマンですし…)。

マルディーニ&マッサーラの契約延長もようやく、ホントにようやく行われるようですし、ここからのメルカートには要注目ですね。

それでは今回はこの辺で。

6Comments

マツモト

No title

CBに関してほぼ同意です、アチェルビは空中戦に強く左利きパスの精度も悪くないというボトマンの特徴に近いイタリア産ですので決まりかな、スピードが無いのがちょっとどうか。
ガッビアレンタルとしてもケアーの状態が良ければ4番手なので仕方ないか、前半で良くなければ冬に一人取ることを前提の我慢計画かもしれない、しかしいつも怪我で1、2人はいないというのが有りますので出来れば若手も一人取ってもらいたい、いやそれなら最初からテアテで良いか。

まぁこういう色々妄想するのも楽しみですけどね。

  • 2022/06/27 (Mon) 22:54
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Aki

いつもありがとうございます。

僕も、ボトマン→アチェルビの落差はちょっと味わいたくないですね。
良い選手ではありますが、年齢と、それと比較したパフォーマンスは人間性を考え、またケアーが復帰することを考えると彼ではない気がします。

テアテは良く知らないのでハイライトを見たくらいですが、ドリブルとフィードはすごく良さそうですし、LSB控えもできたり、左CBとしてテオが上がったときに左CBに可変したりと有効なイメージです。ボトマンの代わりという立ち位置に引っ張られてるかもしれませんが、空中戦に強いとベストなんですがどうなのでしょうね。

ティアウは、なんとなく読んでいるニュースの感じだと本当に興味示しているのか怪しいなーと思ってます。

インテルの動きと移籍金次第ではブレーメルがベストですが…厳しいでしょうね。

  • 2022/06/28 (Tue) 17:45
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みらぽん

テアテいいですね。速くて強くてデカい。ミランに必要なタイプのCBだと思います。値段もボトマンやブレーメルに比べると格安だし、セリエAを経験していることもプラスですね。でも前線の補強が済んでから余った予算で補強となると予算不足かもしれないなぁ。

  • 2022/06/28 (Tue) 23:53
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カカニスタ22

カカニスタ22

To マツモトさん

コメントありがとうございます。

大枠のタイプとしてはアチェルビもボトマンと同様なのかもしれませんが、それでもやはり正直なところ格落ち感は否めませんね。

  • 2022/06/29 (Wed) 06:13
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カカニスタ22

カカニスタ22

To Akiさん

コメントありがとうございます。

ティアウはあんまり無さそうですね。1月にあった移籍交渉に絡めた飛ばし記事だと踏んでいます。

  • 2022/06/29 (Wed) 06:20
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カカニスタ22

カカニスタ22

To みらぽんさん

コメントありがとうございます。

獲得するアタッカーを誰にするかというのはCBの選定に少なからず影響を与えそうですね。

  • 2022/06/29 (Wed) 06:25
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