2022-23シーズンのGK編成について

アレッサンドロ・プリッツァーリアントニオ・ミランテチプリアン・タタルシャヌ
今夏のミランにおいて、「GKの編成」というのも地味にポイントになるかもしれません。

今季のGK事情

今シーズンのミランのGKは守護神の座をメニャンに託し、第2GKにタタルシャヌ、第3GKにプリッツァーリという編成でスタートしました。

しかし、プリッツァーリは膝の手術により序盤から長期離脱を余儀なくされ、更に10月にはメニャンが手首を負傷して約1カ月間の戦線離脱。
そこでミランテを緊急獲得し、プリッツァーリは入れ替わりで冬のメルカートにてレンタル放出。最終的にはメニャン、タタルシャヌ、ミランテという構成になりました。

来季のGK編成

それでは「来シーズンのミランのGKメンバーはどうなるか」、というのが本題となります。
来シーズンもメニャンが絶対的守護神であることは確定としても、それ以外の点は議論の余地がありますね。

まず1つ目のポイントとして、「第3GKの人選」というのが考えられます。来季も引き続きミランテに任せるのか、それともレンタルバックしてきたプリッツァーリに任せるのか、はたまた新しく選手を獲得するのか…ですね。
原則としてミランテとプリッツァーリは二者択一の関係になることが予想され、どちらかが残留すればどちらかが退団(orレンタル)という形になるでしょう(例外は後述)。

この点、第3GKというのは出場機会が非常に限定されるポジションであり、実際に今季のミランテの出場は「0」。こうした役割を若手のプリッツァーリに任せるというのは成長の観点から望ましいものではありません。
また、もし第3GKに出番があるとしてもそれは緊急事態の場合が多く、そういった突然の出場でも落ち着いてプレーできるメンタルが求められます。そう考えると、若手のプリッツァーリよりも経験豊富なミランテの方が適任であるようには思いますね。

一方、セリエAの登録枠の観点から見ると、クラブ内育成枠を埋めることのできるプリッツァーリは貴重な存在です。ミランテもまた国内育成選手ではありますが、前者の貴重さには敵いません。

このように、どちらが残留しても理由が付くのでどうなるか分かりませんが、ミランテとは契約延長の可能性が高いみたいな話があるため、今のところプリッツァーリはレンタル移籍が濃厚といえそうです

今、プリッツァーリは岐路に立たされている。このまま別の場所で成長を続けるか(ブレシアやカリアリが興味を示しているが、セリエAでのプレーが望ましい)、もしくはミラネッロでメニャンやコーチのジダから学んで成長するか、決めなければならない――Gazzetta dello Sport



続いて、2つ目のポイントとして挙げられるのが「タタルシャヌの去就」です。
今季の彼はメニャン不在時の約1カ月間ゴールマウスを守り、試合にしてセリエA6試合、CL3試合に出場。その中にはインテル戦での素晴らしいPKストップもありましたね。

セカンドGKとしての彼のパフォーマンスは及第点以上のものがあったと僕は思いますし、契約も2023年6月まで残っています。そのため来季もタタルシャヌが残留することに何の疑問も抱かなかったのですが、どうやら残留は確定していないようです。

タタルシャヌは経験豊富でクオリティのあるGKであることから、オファーを受ける可能性がある。そして彼自身もキャリアの最終段階で再び先発になることを望んでいるが、その一方でピオリ監督に信頼されていることも良く分かっている――Gazzetta dello Sport



仮にタタルシャヌが退団となった場合、新たに第2GKを迎えるというのが妥当な選択だと思いますが、一方で先述の2人をそのままメニャンの控えとして残す可能性も捨てきれません。心もとない選択となりますが、今のミランには控えGKよりも先に着手すべきポジションが多いですからね。

そう考えると、やはりタタルシャヌが残留してくれるのが一番安心できそうですし、来季も「メニャン―タタルシャヌ」のラインは崩さない方が良いのかなぁと思います。


それでは今回はこの辺で。

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