テオの控え問題について

テオ・エルナンデス
本日は左SBについてです。
今のミランにおいてはテオ・エルナンデスが絶対的な存在として君臨している同ポジション。それだけに、「テオの控えをどうするか」というのは意見が割れるところではないでしょうか。
最初に、今季の左SBの起用状況を改めて振り返っておきたいと思います。


今季のテオの出場数

まずはテオについて。今シーズンにおけるミランの公式戦48試合の中で、テオが左SBで出場したのは41試合。うち39試合に先発しています。
また、欠場した7試合の原因を見ていくと、サスペンションによるものが3試合、コロナウイルスによるものが3試合、そして高熱によるものが1試合となっています(『transfermarkt』調べ)。

ミラニスティには周知のことでありますが、有り難いことにテオはとにかく頑丈です。ドリブルでの強引な突破を持ち味とするプレースタイルなこともあり、相手から激しいチャージを受けることも少なくない彼ですが、一時的に凄く痛がりはするもののその後は何事もなかったかのようにプレーを続けるタフネスさを持ち合わせています。
事実、上記の通り今季は負傷による欠場が一つもなく、また過去2シーズンも2、3試合の負傷欠場に止まるなど、その頑丈ぶりは折り紙付きですね。



今季のテオの控え

続いて、今季のテオが欠場・ないしベンチスタートとなった試合について見ていきます。
テオが先発を外れた9試合で代わりにスタメンとなった選手を列挙していくと、それはバロ・トゥーレ、カルル、フロレンツィの3選手です。

最初に出場機会を得ていたのはバロでした。元々テオの控えとして今季から加入した選手だけに、シーズン序盤はその役割を期待されて起用。前半戦は6試合に先発しました。
しかし、その内のほとんどの試合で期待を下回るパフォーマンスを見せ、監督からの評価も大きく低下。シーズン前半戦は先のスタメンも含め11試合(530分)に出場したものの、後半戦は1試合(4分)の出場に終わってしまうことに。

そのためシーズン後半戦、テオが欠場した2試合で左SBとして先発したのはフロレンツィでした。
右サイドを主戦場とする彼にとって不慣れなポジションでのプレーとなったわけですが、バロに比べて安定したパフォーマンスを披露。守備においても穴になることはなく、無難に役目を全うしました。

そしてカルルはシーズン前半戦の中で1試合だけ左SBとして先発。当時の彼は右SBの控えというのが主な位置付けで、必要なら左サイドもやるよといった感じでした。ただし後半戦からはCBとして定着したため、同ポジションで起用されることは無くなった、と。


来季のテオの控えはどうする?

さて。以上を踏まえた上で来季のテオの控え問題を考えていきたいと思います。

まず前提として、テオは頑丈で負傷欠場のリスクが低いため、他ポジションと比較すると左SBの控えの重要性・緊急性は低いです。
そのため、「2年目のバロ・トゥーレがチームに適応することにかける」という選択肢がまず一つ考えられます。
彼には既に放出の可能性が報じられており、個人的にもそれで良いと思っていますが、今季のパフォーマンスで有力な買い手が現れるかどうかは微妙なところ。それならばもう一年様子を見るという消極的な選択ですね。

続いては、「フロレンツィのユーティリティー性に期待して任せる」という選択肢です。
既にミランの左SBを2試合経験しているフロレンツィですが、そのパフォーマンスの当否についてまだハッキリしたことは言えないというのが個人的な印象です。一方、本格的に左SBへの適応に取り組めば攻守に卒なくこなせるようになるのではないかとも思っています。

また、フロレンツィは現在ローマからのレンタル移籍中であり、現時点で買取OPが行使されるかどうか明確ではありません。そこでもし左SBでの起用を本格的に考えるのであれば、彼のミランにおける価値は高まり、買取に向けて積極的な理由が増えるのではないかと考えられます。
僕自身がフロレンツィの買取をして欲しい派のため贔屓目があることは承知の上ですが、これは割とアリな選択肢かなぁと。


最後に3つ目の選択肢は、順当に「適切な選手を補強する」です。

この点、「左SBとしての実績がある、複数ポジションをこなせる、年齢が若い」などといった理想的な要素を複数持った選手を獲得できれば戦力的にベストではあります。しかしながら、そういった選手は得てして移籍金が安くないですし、先述の通り左SBの控えの緊急性は高くないことから、理想を求めすぎるのはあまり割のいい判断とは言えません。ましてミランの場合、2列目やCBや中盤など補強ポイントが多く、そちらの方が優先順位は高いわけですしね。
そのためバロの放出や他ポジションの補強に目処が立ち、かつ手頃な価格の有力選手を見つけられた場合に採り得る選択肢だと思いますが、果たしてこれらの作業が無事に滞りなく進むのか…。また、あまりにお金を出し渋るとバロトゥーレ2世を連れてくることにもなりかねないので、獲得選手を妥協し過ぎるのもそれはそれで危険に感じるところです。

それと獲得候補については何人かの名前が出ていますが、現時点で信憑性を感じないものばかり。より具体的な話が出てきた場合に追って言及していこうかなと。



さて。今夏の補強のメイントピックではないものの、やはり気になる今回の問題。フロントには金銭面と他ポジションの補強を念頭に置きつつ、上記問題の解決に向けて取り組んでいただきたいと思います。


それでは今回はこの辺で。

4Comments

マツモト

欲しい

テオの控えは欲しいが今は他のポジにも金が掛かるので一年かけてバロ、カルル、フロの使える人でその都度補ってその間に下部組織の若者を育てるのはどうでしょう、期待の若者がいたような、いきなり出て行ったんでしたっけ❓
出来れば半年毎の移籍期間に安い選手を何人も取るのでは無く一人か二人そこそこ高くても良い人を取るというリバプール方式でどうですかね。

  • 2022/06/03 (Fri) 21:04
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カリス

いつもありがとうございます。

テオもレオンもトナーリも、飛び抜けてクオリティがよいからこそアクシデントがあった際の戦力大幅減を心配してしまうのは複雑な気持ちです。

個人的にはテオの控えはカラブリア・フロレンツィ・カルルのどれかを当てはめる体制で十分かと思います。
バロトゥレにせよ新戦力にせよ、SBを主戦場とする選手であれば、離脱が少なくクオリティが高いテオの前ではほとんど出番が見込めない状態になるでしょうから、実際にテオが離脱した際には実戦経験がなく不十分なプレーしかできないのではないかと思います。
その点、上記3人は他ポジションでも十分に出番を与えることができるので、チームとしての動きを滞らせない程度にはやってくれるのではないかと期待しています。

  • 2022/06/03 (Fri) 22:41
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カカニスタ22

カカニスタ22

To マツモトさん

コメントありがとうございます。

おそらく「期待の若手」はケルケスのことかと思われますが、彼のことならオランダに移籍してしまいました。トップチームに呼ばれないことに少なからず不満があったようです。

今夏は色々と補強ポイントが多いので難しいでしょうが、ゆくゆくは仰るようなリバプール方式になることが期待されますね。

  • 2022/06/04 (Sat) 21:03
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カカニスタ22

カカニスタ22

To カリスさん

コメントありがとうございます。

チームにおいて絶対的な選手の不在時というのは間違いなく懸念材料の一つですね。特にミランのように層の厚くないチームであれば尚更です。

やはり他ポジションを本職とする選手にこなしてもらうというのがベターですかね。その場合クオリティの面での見劣りは致し方ないので、彼らの内誰かが攻守に安定してプレーしてくれるようになると良いですね。

  • 2022/06/04 (Sat) 21:03
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