ボトマンorブレーメル

スヴェン・ボトマンブレーメル
数カ月に渡り、ミラン移籍が有力視されているリール所属のスヴェン・ボトマン。
しかし現在はミランの買収交渉が行われているため、補強を含むあらゆる活動に制限がかかっている状態です。そのためボトマン獲得についても決定的な進展に至らず、もどかしい日々が続いています。
そんな中ですが、あくまでミランのトップターゲットは依然としてボトマンとのこと。一部報道からは交渉の具体的な内容も明かされており、引き続き交渉の成立に期待が懸かります。

ボトマンについて、ミランは3000万ユーロ+ボーナスを基本線にリールと交渉を続けている。一方、選手側には300万ユーロ+ボーナスを提示し既に合意に達した。最近ニューカッスルがボトマン獲得に向けミランの提示額を上回るオファーをしているが、現時点でボトマンのミラン加入への意思は揺らいでいない。残る問題はミラン買収を完了させようとしているレッドバードからのゴーサインだけだ。――Daniele Longo



3000万ユーロ越えのオファーというのはここ数年のミランの傾向からすると異例であり、これだけでボトマンに対する期待値の高さが窺えますね。

他方、「ボトマン獲得に失敗した場合のプランB」について言及しているメディアもちらほら見られます。その場合はトリノCBのブレーメルが有力候補となるようです。

ニューカッスルが強いプレッシャーをかける中、それでもミランにとってボトマンはDF補強の第一候補である。しかし、ボトマン獲得に失敗した場合のバックアッププランも用意されており、それは現在のセリエAで最高のCBの1人と評されるブレーメルだ。
ブレーメルに関してはインテル移籍の噂が強く報じられるが、ミランも彼の獲得を諦めてはいない。特にボトマンが高額になり過ぎたり、プレミアリーグからのオファーに納得したりすることがあれば、尚の事ブレーメルの確保を望むだろう。――Corriere della Sera



ブレーメルもまた以前にミラン移籍の可能性が取り沙汰されたものの、その際はボトマンへの関心が高まるにつれてフェードアウトしていった話でした。しかし、ここにきてボトマン獲得に若干の暗雲が立ち込めてきたことで、再びブレーメルについて噂されるようになっている、と。

この点について言及しておかなければいけないのは、インテルを始めとする多くの「競合クラブの存在」、そしてそれによる「移籍金高騰のリスク」です。

トリノはブレーメルに5000万ユーロの値札を付けており、複数のビッグクラブが彼を追っていることを十分に承知している。すなわち、今夏にミラノ勢が合意に達するのは決して簡単ではない。――Gazzetta Dello Sport



流石に5000万ユーロで取引されることはなさそうですが、いずれにせよ高額な取引になることは確かです。もしここからビッグクラブ勢による具体的な争奪戦になれば尚更でしょう。
プランB(ブレーメル獲得)がプランA(ボトマン獲得)と難易度が変わらない、ともすれば高そうという奇妙な話ですが…。果たしてプランとして妥当なのかどうか。



さて。ここまで2人の獲得候補について見てきましたが、留意しておくべきは「両者のタイプ・強みがいくつか異なる点」です。

両者ともに強靭で空中戦やクリアリングを得意としている点は共通しているものの、ボトマンはよりテクニカルなタイプ、と。パスの判断やレンジに優れているため、後方からのビルドアップにおいて今のミランに大きなプラスアルファをもたらし得る存在のはずです。また、相手が自陣に引いた際の崩しの局面においても、彼のレジスタ的側面が強みを発揮することが期待されますね。
一方、スピードに優れているとは言えないボトマンはオープンスペースでの対応等に若干の疑問符が生じます。また状況に応じて積極的に縦にスライドし、対面の相手をマークすることが求められるミランCBにとって、前に出る速さや背後を取られた場合のカバーリングの速さというのはチームの安定感に直結します。
そうした部分におけるフィジカル的不足を補うため、ケアーのように鋭い読みに基づく素早い判断とインテンシティでカバーできれば良いのですが、もしそのような守備スタイルの適応に苦しんだ場合は守備面に物足りなさを覚える期間が続くかもしれません。

対するブレーメルは、フィジカル面については申し分ありません。選択肢の制限を重視したアグレッシブな守備スタイルにもトリノですっかり慣れ親しんでおり、判断面も問題なしと。3バックでプレーしているため2CBシステムへの適応がどうなのかという懸念の声もありますが、個人的には比較的スムーズに適応すると思っています
またトモリとカルルの2CBがガッチリとハマり、今シーズン最終盤戦の鉄壁の守備が出来た事を踏まえると、彼らと同様のパフォーマンスが期待されるブレーメルを補強して怪我などのアクシデントに備えるというのは理に適っているといえます。その一方、組み立ての局面などのボール保持時においてミランに大きなプラスアルファをもたらせるかというと微妙な印象を個人的に受けますし、その点はボトマンにより大きな期待感があるところです。

以上より。チームとしてのプレーの幅を広げることをより重視するか、守備面の更なる安定をより重視するかで獲るべき選手も変わってくるだろうというのが僕の考えです。そしてボトマンがトップターゲットというならば、おそらくミランは前者を優先しているように思います。
僕の中ではもうボトマンは加入するものだと数カ月前から思っているので、とにかく彼の獲得交渉が無事にまとまることを願いたいです。ブレーメルもホントに良い選手であり、逃すのは惜しいんですけどね…。


それでは今回はこの辺で。

2Comments

マツモト

欲しい

機動力がありそうなので守備範囲とイタリアに慣れる必要がない点ボトマンより安心、少々高くても欲しい守備に気合い入れないチームはリーグもCLも勝ち上がれない、ジルーレオンの得点を足してもチロに及ばないがスクデット

  • 2022/06/02 (Thu) 18:29
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カカニスタ22

カカニスタ22

To マツモトさん

コメントありがとうございます。

今シーズン、ミランのスクデット獲得の要因が堅守にあることは疑いようのない事実ですからね。そしてブレーメルが更なる守備の安定をもたらし得る存在なだけに、逃すのはホントに惜しく感じるところです。

  • 2022/06/02 (Thu) 21:59
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