【EL6節】 オリンピアコス対ミラン 【マッチレポート】



 正直あまり書くこともない(書くとしてもネガティブなことばかりになってしまう)ため、前回に引き続き今回もあっさりめです。


スタメン

ミラン オリンピアコス1



前半


両チームの攻撃

 まずはオリンピアコスの攻撃について。
 彼らの主な攻撃のパターンの1つとしては、左サイドハーフのポデンスが中央側にポジショニングし、空けたスペースにサイドバックのクートリスが走りこんできてサイドからの突破を図るというもの。


 しかし全体としてみれば、後方の中央でガッチリ守備を固めるミランに対して崩し切る形はほとんど作れず、決定機にまで至るシーンはほとんどなかったですね。


 それはミランも同様でした。ミランは主に右サイドから短いパス回しで崩していこうという意図を感じましたがほとんど機能せず、チャンスの大部分はカウンターからでした。

 しかしそのカウンター攻撃も相変わらず精度が低く、決定機を作ることはほとんできませんでしたね。


 前半ははっきり言って、凡戦と呼ぶにふさわしい内容だったといって良いでしょう(今思えばその「凡戦」で十分だったわけですが…)。


後半


露呈する弱点

 相変わらずミラン前方での数的不利(2CB+ボランチのオリンピアコスと2トップのミラン)に対し何ら対策を講じずに軽々とボールを前進させられ、自陣深くまで持ち込まれるミラン。

 元々後方でどっしり構えてロングカウンターを狙うというプランだったのかもしれませんが、それならわざわざ守備時に2トップを前で走り回らせる必要はないと思うんですけどね…(この試合に限った話ではありませんが)。


 そうこうしている内に60分、CK時の油断を突かれ、シセに決められてミランは失点。

 その後一気に追加点を奪いに前に出るオリンピアコス。それによりスペースが空いてきたため主にカウンターからミランがチャンスを作りますが相変わらず決められず。



 これは前半のシーンではありますが、このようにとにかくミランはカウンターの精度が低いです。

 前線からの組織的プレッシングとカウンターの練度の低さ。ミランの抱えるこの2つの弱点が露呈してしまった試合でしたね…。


あっけない幕切れ


 そうこうしている内に69分、サパタのOGでオリンピアコスが追加点を奪いました

 その後、71分にCKからサパタが決めて1点差に追いついたミランでしたが81分、フォルトゥニスにPKを決められ3-1。


 試合はそのまま終了。勝ち点は並びましたが、総得失点差によりミランのGL敗退が決まりました。


まとめ


 オリンピアコス戦前までのミランの直近5試合の結果は2勝2分1敗。その1敗がユヴェントス戦だということを考えると結果は確かに出ていました。

 しかし内容に目を向ければ、どの試合もそこまで良いわけではなかったというのも事実です。

 加えて攻撃の要であるスソの欠場、経験の乏しい選手の多さ、イグアイン・チャルハノールの絶不調、ガットゥーゾ監督の試合中における修正能力の低さ(経験不足)などといった事情全てを考慮すれば、残念ながらこういう結果になってしまったのも頷けてしまいますね。

 突破して欲しかったのはもちろんですが、こうなった以上はリーグ戦に注力できるようになったとポジティブに考えるしかありません…。


 必ず4位以内に入ってもらい、来季こそ「CLで」リベンジしてもらいたいと思います。

 そのためにも、まずは次節のボローニャ戦で確実に勝利を収めて欲しいですね。


Forza Milan!


最後まで読んでいただきありがとうございました。


[ 2018/12/14 23:25 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA15節】 ミラン対トリノ 【マッチレポート】

 

 今回は前半と後半に分けず、まとめて解説します。


スタメン

ミラン トリノ1


トリノのアグレッシブな守備

 トリノの守備は、前線からのマンツーマンでのプレッシングと、相手のポジションを強く意識したゾーン守備の併用。

 前線からのプレス時には2トップがミランの2CBを、両WB(ないし片側のインサイドハーフ)が両SBをマーク。
 そして下がっていくボランチ(主にバカヨコ)に対しては3MFの誰か1人(主にリンコン)が付いていき、残るボランチや両サイドハーフに対してはそれぞれMF、両サイドCBが対応する形が多かったです。

ミラン トリノ2



ミラン トリノ3

一例を挙げるとこのような形。


 また、リトリート後も人に強く当たりに行く姿勢は変わらず。特に中央のイグアイン、クトローネに対してはかなり厳しく当たりに行っていましたね。


 こういった守備はかなり効果的でしたし、そのためミランはポゼッションで相手を崩していくという形はほとんど作れなかったと記憶しています(特に前半)。

 ミランのチャンスは主にバカヨコ、カラブリア辺りがボールを奪取してカウンターにつながったときに訪れていましたね。



エースの乱調

 チームとして攻撃が上手くいかない試合でも、スソが個人技からチャンスを作り出すことで得点につなげることも多かった今季のミラン。
 しかしこの試合では頼みのスソも完全に沈黙してしまいました。


 データ(WhoScoredより)を参照しますと…。

ボールロスト数;7回(平均;2.4回)
パス成功率;69%(平均;81%)
キーパス数;1回(平均;2.8回)



 このように、この試合のスソは自身の平均パフォーマンスを大きく下回っていたことがわかります。


 その理由についてですが、まずトリノの守備が良かったことが挙げられます。
 スソに対しては大抵の場合、最低でも2人が厳しいマークについて自由にさせませんでしたからね。


 そしてシステムの問題も考えられます。

 スソが4-3-3の右ウィングでプレーする際はケシエ(右インサイドハーフ)、カラブリア(右SB)との距離感が良く、3人で崩す形が多く見られる一方で、4-4-2の右サイドハーフで起用された場合はカラブリア以外との関係性は相対的に希薄になっている印象です。

 そのため、今回のトリノのような実力のあるチームにアグレッシブに守られた場合にボールロストやパスミスが増えてしまったと考えられますね。

 今後このシステムを継続的に使っていくのであれば、2トップとサイドの連携を上げる必要があるように感じます。


試合展開


 最後に試合内展開について軽く触れていきます。

 序盤はトリノペース。5分にはイアゴ・ファルケがゴール目の前でヘディングシュートを放つも、ドンナルンマが片腕で止めるスーパーセーブを披露しなんとか失点ならず。



 その後はカウンターから徐々にミランがチャンスを作り始めましたが、最後の精度が悪くこちらも得点を奪えません。
 パルマ戦もそうでしたが、カウンター攻撃の形については改善の余地がたっぷりあるように思われますね。


 後半も似たような展開で試合が進み、ミランは71分にカスティジェホを投入。
 これによりほぼ機能不全に陥っていた左サイドが活性化。攻勢を強めましたがクトローネが決定機を外すなどして最後まで得点ならず。

 試合はスコアレスで終了しました。



まとめ


 今節は3位インテル、5位ラツィオが勝ち点を落としただけに勝利して差を縮め(広げ)たかったところでしたが…残念です。

 まぁ試合内容からするとどちらが勝っても(より正確にいえばどちらが負けても)おかしくありませんでしたし、勝ち点1を取れたと前向きに捉えたいですね。

 さて。次節のリーグ戦の相手はボローニャです。
 現ボローニャの監督と言えば、ミランのレジェンド選手にして監督を務めた経験もあるフィリッポ・インザーギです。

 しかし今のボローニャは降格圏に沈み、監督の去就も騒がれるなど不調に陥っているチームですから、ピッポには悪いですがここは確実に勝利を収めるべき試合です。

 CL出場のためにも、必ず勝ち点3をもぎ取って欲しいと思います。


Forza Milan!


最後まで読んでいただきありがとうございました。



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[ 2018/12/11 22:17 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA14節】 ミラン対パルマ 【マッチレポート】



スタメン

ミラン パルマ1


前半

ミランの攻撃とパルマの守備

 前半はホームのミランがゲームを支配します。
 パルマは守備時に前線の3トップがプレスをかけに来ますがそれより後ろは積極的には来ないため、ミランは後方での数的優位を確保。
 そして主にCB、SB、インサイドハーフの3人がサイドで素早くボールを繋ぐことで敵の第一プレスを躱すことが出来ていました。

 その後は主にスソを中心に右サイドから攻めていきます。中でも右サイドのスソ、ケシエ、カラブリアの3人は昨季から頻繁に組んでいることもあり非常に連動した攻めを見せていましたね。

ミラン パルマ2



ミラン パルマ3



ミラン パルマ4




 上図は20分頃の場面。この直後にも3人でチャンスを作るなど、連係の良さを発揮しました。


 しかし、このようにしてゴール前までは比較的容易に侵入できたものの、ゴール手前で縦にも横にも非常にコンパクトな守備ブロックを敷いたパルマを崩し切るまでにはいきません。

 サイドチェンジやクロスで打開を図るものの、決定機の数自体はそれほど多くはありませんでしたね。


パルマの攻撃とミランの守備


 パルマの攻撃はいつも通り縦への意識が非常に強く、ボールを奪ったらすぐ前に前にボールを繋いでいく意図が見て取れました。

 攻撃は主にジェルヴィーニョとビアビアニの快速コンビが中心。1つの攻めの形としては、ミランDFラインの裏にロングボールを放り込み、そこへ上記の2人を走らせるというのがありました。

  しかし、そのスピードに対してミラン守備陣はしっかり対応。基本的には素早い寄せで前を向かせず、ロングボールを放り込まれても走り負けるシーンは少なかったです。

 中でもアバーテは不慣れなCBで起用されたものの、サイドのカバーリングも含め非常に安定したパフォーマンスを見せてくれました。


 ということでパルマはほとんどチャンスを作れず。前半に作り出したチャンスは1、2回だったかと思います。


 前半はスコアレスで終了。


後半

失点とシステム変更

 ミランが優勢に試合を進めていたものの、先制点を奪ったのはパルマ。
 49分、CKからイングレーゼが頭で合わせて先制。

 これによりミランはマウリに代えボリーニを投入し、システムを4-4-2に変更します。
 すると55分、パルマDFに当たってこぼれたボールをクトローネがダイレクトシュートでネットに突き刺してすぐさま同点に追いつきました。



 この得点がシステム変更による恩恵かどうかは断定できませんが、2トップに変えたことにより、クトローネへのマークが1トップ時のそれよりも疎かになったというのはあるかもしれませんね。

 さらに71分、ケシエがVARにより得たPKを冷静に決め、ミランが逆転に成功しました。




カウンター合戦

 逆転されたことで前に出ざるを得なくなったパルマは、ミラン左SBのリカロドにボールが入った瞬間に組織的にハイプレスをかけてくるようになりました。

 それにより何度か良い形でボールを奪うことに成功するものの、決定機を作るまでには至りません。

 対するミランもパルマのミス等からカウンターチャンスがいくつも到来。ケシエの推進力を中心にしてボールを一気に前線に運んで決定機を量産するものの、当のケシエがその決定機をいくつも外して得点ならず。


 やや大味な展開になりましたが、スコアは2-1から動くことなく試合終了。


まとめ

 難敵パルマを退け、ミランが3試合ぶりに勝利を収めました。
 チーム全体の献身的な守備により、相手のキーマンであるジェルヴィーニョを完全に抑え込んで交代に追い込んだ点は素晴らしかったですね。

 こうしてみると、怪我人が続出してはいるものの、健康な選手のコンディションは全体的に確実に上がっていると思いますね。
 厳しい練習の賜物でしょうか。


 逆に、この試合で露になった弱点はカウンター攻撃でしょう。
 後半に訪れた決定機の数を考えれば最低でもあと1点は欲しかったところですし、1点取れればもう少し余裕をもって試合を終えられたはずです。

 チャルハノール、ケシエはフィニッシュの判断・精度が上がればもうワンランク上のプレーヤーになれると思います。頑張って欲しいですね。



 さて。次節の相手はトリノです。
 今季のトリノは勝ちきれない試合が多く、まだイマイチ波に乗り切れていない印象を受けるチームではあります。

 しかしながらベロッティ、イアゴ・アスパス、スアリオ・メイテなど優秀な選手が多数在籍している厄介なチームであることに変わりありません。


 今節で手に入れた単独4位の座を死守するためにも、油断することなく試合に臨んで勝利を挙げてほしいと思います。


Forza Milan!



最後まで読んでいただきありがとうございました。



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[ 2018/12/04 19:33 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【EL第5節】 ミラン対デュドランジュ 【マッチレポート】


スタメン

ミラン デュドランジュ1


前半

ミランのゲーム支配

 前半中盤まではホームのミランが主導権を握ります。

 普段のミランはビルドアップの段階で相手のハイプレスに苦しめられ、主導権を握られる試合が多いのですが、この試合の相手であるデュドランジュは前からプレスをあまりかけてこないため上記のような展開になりました。


 組み立て~崩しの局面においてはイグアインやチャルハノールが積極的に中盤に下がってきてパスを引き出し、彼らを起点にボールを前進させていきます。

 その後のファイナルサードではイグアイン、クトローネ、チャルハノールの3人を中心に、短いパス交換を行って中央突破を図るというのが主な攻撃パターンでした。

ミラン デュドランジュ2


 実際のところ、序盤からバイタルエリアでイグアインやチャルハノールが積極的に鋭いシュートを放って相手ゴールを襲いましたね(上図はその一例です)。


 そのようにしてミランが一方的に攻めていると21分、カラブリアのクロスから最後はクトローネが決めてミランが先制しました。



 そして守備においても、ミランは素早いトランジションと鋭い出足によりデュドランジュを自由にさせませんでした。
 この試合が今季の初出場となったシミッチがアグレッシブにボールを奪いに行っていたのが印象的でしたね。


 というわけで、ここまでのミランはほぼ完璧だったと思います。


デュドランジュの反撃

 しかし30分頃からデュドランジュが攻勢を強め始めました。

 その理由は複数考えられます。ミランが先制点を取ったことで気が緩み、パスミスからリズムを崩し始めたことや、デュドランジュが落ち着きを取り戻し始め、ボールホルダーに厳しくチェックに行くようになったことなどでしょう。

 デュドランジュはピッチを広く使いながら1タッチ2タッチでボールを素早く回すことでミランのプレッシングを避け、2ライン間に位置する2トップの一角にパスが入ったところで攻撃スピードを加速させていた印象です。

 そして39分、CKのこぼれ球を拾ったシュトルツが見事なミドルシュートでゴールに突き刺し、デュドランジュが同点に追いつきました。


 こうして前半は1-1で終了。


後半


休めぬエース

 後半開始早々の49分、トゥルペルがゴールを決めて何とデュドランジュが逆転に成功します。

 これにより52分、すかさずミランは温存していたスソを投入し点を奪いに行きましたが、この効果は抜群でした。


 スソの投入により、普段のように右サイドから崩しにかかる形が増えたミラン。

 1つの攻めの形として、左サイドで攻撃を組み立ててからサイドチェンジし、右サイドのスソがドリブルによる仕掛けないしクロスを放り込む準備が整ったところで、3~4人がエリア付近で動き出してゴールを狙うというのがありましたね。



怒涛のゴールラッシュ

 スソが入って勢いを取り戻したミランがゴールを量産します。

 まずは66分、チャルハノールのクロスが相手のOGを誘発して同点に追いつくと、70分にはチャルハノールの地を這うロングシュートが決まりミランが逆転に成功します。







 そして76分にはFKから再び相手がOGしてしまい4点目。リードを2点に広げます。



 最後に80分、交代で入ったばかりのボリーニ(何と交代からわずか47秒!)がダメ押しとなる5点目を決め、勝負を決定づけました。




 その後はしっかり守備を固めて守り切り、ミランが5-2で勝利しました。


まとめ

 いやー…逆転されたときはどうなることかと思いましたが、しっかりと勝利を収めてくれてよかったです。この勝利でGL突破に大きく近づきました

 ちなみに、同グループのベティスとオリンピアコスの試合ではベティスが勝利を収め、一足先にGL突破を決めました。


 というわけで最終節は、オリンピアコスとGL突破をかけた一戦となります。


 ミランのGL突破の条件を見ていきますと、勝利もしくは引き分けの場合はミランの突破です。ミランの暫定勝ち点が10であるのに対し、オリンピアコスは7ですからね。

 そして敗北した場合は勝ち点が並ぶので少しややこしい話になります。

 まずスコアが0-2、1-3の場合はそれぞれアウェーゴール、総得失点差の数でオリンピアコスを下回るため敗退となります。また、3点差以上での敗戦も同様です。

 逆にいうと、それ以外のスコア(0-1、2-4など)であれば、仮に敗北してもミランがGL突破となります。


 こうして見るとミランにとってかなり有利な条件ではありますが、当然のことながら油断はできません。

 勝つつもりで試合に臨み、そして勝利を以てGL突破を決めて欲しいと思います。


Forza Milan!



最後まで読んでいただきありがとうございました。


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[ 2018/11/30 19:29 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA第13節】 ラツィオ対ミラン 【マッチレポート】

スタメン

ラツィオ ミラン1


前半

ラツィオのビルドアップ~恒常的な数的優位~

 まずは優勢に試合を進めていたラツィオの攻めから見ていきます。

 最初にビルドアップについて。ラツィオは3バックとアンカーのバデリ、GKのストラコシャの計5人が主にビルドアップに関与。

 それに対し、ミランは3トップの形を維持したままプレスをかけビルドアップの妨害を図りますが、このプレスはほとんど機能していませんでしたね。

 というのも、先述の通りラツィオは後方で少なくとも5人がビルドアップに関与するのに対し、ミランは中盤のフォローがほとんどないために主に3トップのみで対応しているシーンが多かったからです。

 そのため常に5対3とラツィオが数的優位を保っており、さほど苦労することなくポゼッションを確立することが出来ました。

ラツィオ ミラン5


 中でも効果的だったのが、アチェルビからサイドのCBにボールが渡った後、バデリが相手3トップの背後にポジショニングし、サイドのCBがバデリへとボールを送る形です。

 こうすることでミランの前線3人を置き去りにできますから、その後のミランは自陣へと後退せざるを得ませんでした。


ラツィオの崩しと決定力不足

 このようにしてポゼッションを確立した後は、主にルイス・アルベルトとセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチ(以下セルゲイ)が崩しの起点を担います。


 具体的に崩しの1つの形として、彼らが相手ボランチ(ケシエ、バカヨコ)の周囲にポジショニングしてボールを引き出し、そこからサイドに張るWBへ展開→WBがクロスを放り込む(その際、エリア内には常に3人以上が入り込む)というのが挙げられます。

 ミランのシステムは上記の通り3-4-2-1ですが、両WBは最終ラインへの帰陣(すなわち5バックの形成)の意識が強いことで、最終ライン手前の中盤に広いスペースが生まれてしまっていました。

 そのスペースについては両ボランチのケシエ・バカヨコのモビリティの活用や、チャルハノールの献身的なリトリートにより3ボランチを形成するなどして埋める努力は見られたものの、比較的自由にボールを持たせてしまっていましたね。

 その他の形として、圧倒的なフィジカルを持つセルゲイを対象としたロングボールによる単純な崩しも見られました。



 以上のようにして多くのチャンスを作ったラツィオ。しかしラストパスやクロスの精度を著しく欠いたことで得点にはなりませんでした。

 その原因の1つには、ミラン最終ラインの粘り強い守備があったと思います。


ミランの攻撃~チャルハノールのポジショニング

 ラツィオが優勢だったとはいえ、ミランもやられっぱなしではありませんでした。

 ビルドアップの局面においては相手のハイプレスにいつも通り苦戦したものの、リカロドが務める左サイドでは上手くかわしてビルドアップを確立するシーンも見られました。

 そしてその後の崩しの局面において見られた特徴の1つは、本来左サイドを務めているチャルハノールが頻繁に右サイドに顔を出してボールに触っていたことです。

 それにより右サイドを務めるスソと連係してボールを前進させようという意図があったのではないかと。

 その狙いがはっきり見て取れたのが前半30分頃の場面。

ラツィオ ミラン2



ラツィオ ミラン3


 このシーンではチャルハノール→スソ→クトローネ→カラブリアとボールを繋ぎ、最後はチャルハノールがシュートを打ちました。

 シュートは大きく枠を外れたものの、相手のDF陣を揺さぶった良い攻めの形だったと思います。


 以上のようにしてミランも何度かチャンスを作りましたが、ラツィオと同様に得点を奪うまでには至らず。


 前半はスコアレスで終了しました。



後半


「動」の采配と「静」の采配


 後半も前半とおおむね同様の形でラツィオが優勢に試合を進めますが、相変わらずの決定力によりスコアは動かず。
 60分頃にはラインが間延びし始めたこともあり、ミランもチャルハノールやボリーニが惜しいチャンスを作り出し始めました。


 65分にラツィオはセルゲイ、ルイス・アルベルトに代えてルカクとコレアを投入。
 左WBに入ったルカクの馬力を中心に攻勢を強めます。



 しかし、均衡を破ったのはミランでした。
 78分、フリーでボールを受けたスソが前線に張っていたカラブリアへ絶妙な浮き球のスルーパス。そのカラブリアからの折り返しを受けたケシエのシュートがワラシに当たってネットに吸い込まれました。



 何とか追いつきたいラツィオは82分にカイセドを投入して前線の枚数を増やしつつ、終盤には更にCBのアチェルビも上がってパワープレーに移行。

 すると94分、サパタのクリアしたボールをコレアが拾うと、そのまま強烈なシュートを叩き込んで同点に追いつきました。



 試合はそこで終了。勝ち点1を分け合いました。


 この試合でラツィオのインザーギ監督は交代枠をフル活用して引き分けを手繰り寄せた一方で、ミランのガットゥーゾ監督は交代枠を1つも使わないという非常に珍しい采配を見せました。
 ラツィオの猛攻をぎりぎりのところで防いでいた状況下で、交代によりバランスが崩れることを恐れたのだと考えられます。

 疲れの見えていたチャルハノールやボリーニに代えてフレッシュなカスティジェホやラクサールを投入しても良いように個人的には思いましたが…。まぁ仕方ないですね。



まとめ


 既に当ブログでも言っていますが、引き分けという結果自体はチーム状況や試合内容を踏まえれば決して悪くなかったと思います。
 もちろんアディショナルタイムでの失点ですから悔しい気持ちはありますけどね。



 次にシステムについて。この試合では何とか1失点に抑えられたわけですが、やはりこのシステムの守備は問題です。

 守備の質を人数とハードワークで補おうとするあまり、前線と中盤の選手に過大な負担がかかってしまっているため、彼らの中からまた離脱者がでてもおかしくありません。
 特にチャルハノール、カラブリア辺りは相当危ないと個人的には考えています。


 とは言えCBが3人も負傷中の状況ではこういった守備戦術になってしまうのもやむを得ないわけですが…。

 とりあえず怪我のリスクを減らすため、ミッドウィークに行われるデュドランジュ戦は中盤、前線の選手は総入れ替えする位思い切ってもいいでしょうね、



 さて。次節のリーグ戦の相手は今季からセリエAに復帰した古豪パルマです。
 元ローマ所属のジェルビーニョを始め、経験豊富な選手が多数在籍している難敵チームです。
 暫定成績が6位であることからも、彼らの厄介さが窺い知れます。

 再び苦戦が予想されますが、4位に入るためにもここは何としても勝利を収めて欲しいですね。


Forza Milan!


最後まで読んでいただきありがとうございました。


[ 2018/11/27 18:19 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA第12節】 ミラン対ユヴェントス 【マッチレポート】



スタメン

ミラン ユヴェントス1


前半

ユーヴェの攻撃

 試合はユヴェントスが優勢に試合を進めます。
 ユーヴェのビルドアップの中心はピャニッチとベンタンクール。特にベンタンクールは同サイドのSBカンセロと巧みにポジションチェンジをするなどしてフリーとなり、悠々とパスを出していましたね。

 ポゼッションを確立した後は、偽9番の役割を担ったディバラがミランの2ライン間にポジションを取ってパスを引き出し、崩しの起点となりました。


ミランのサイド守備の甘さ

 ユーヴェは最初の数分以降はディバラが中央、マンジュキッチが右サイドに位置する時間帯が多かったですね。空中戦に強くない左SBのリカロドに対し、高さによるアドバンテージを取るためでしょう。

 この作戦が早速功を奏し、前半8分、左サイドからのクロスにマンジュキッチが頭で合わせてゴールを奪いました。



 ここで気になったのがスソの寄せの甘さです。前日のプレビュー記事にて「両サイドの選手(スソ、チャルハノール)が守備をどれだけ精力的にこなせるか」を注目ポイントに挙げていましたが、残念ながら守備に関してはいつも通りのスソでしたね…。

ミラン ユヴェントス2


 スソはチームの攻撃の要ですので、彼を外すという選択肢はあり得ません。それに守備に奔走させるというのも合理的ではないでしょう。

 ですが4-4-2の右サイドハーフを任せる以上ある程度の守備は必須です。まして今回は格上のユヴェントスが相手。
 今までは何とかなっていた部分も、彼らが相手では流石に通用しませんでしたね。

 

ミランのシステム変更

 その後もユーヴェがディバラ、ピャニッチ、ベンタンクールを中心に中央でボールを回しながらポゼッションし、サイドからクロスを上げてチャンスを作ります。

 しかし、ミランが途中からシステムを4-3-3に変更して中盤の枚数を増やし、守備時にはソリッドな4-5-1の守備ブロックを敷いたことで、ユーヴェはそれまでよりは攻めあぐねていたかと思います。

 ミラン ユヴェントス3


 そしてボール奪取後のロングカウンターに活路を見出すと、39分にはスソがカウンターからドリブル突破し、PA内でパスを受けたイグアインがベナティアのハンドを誘ってミランがPKを奪取。
 しかしそのPKはシュチェスニーによって阻まれ得点ならず…。

 
 どちらかと言えば、これはイグアインのミスというよりもシュチェスニーが素晴らしかったと思います。



後半

後半序盤~中盤の攻防

 後半も前半からの流れを引き継いだような展開に。
 ユーヴェは前半と同様に前からのプレス(3トップでボールをサイドに誘導、そこからボールサイドのインサイドMF1人+SB1人でプレス)とリトリート(4-3-2-1or4-4-1-1)を状況に応じて使い分けており、ややペースを落としていた感じでした。

 ミランも攻めあぐねていましたし、1点リードしているのでこのままの流れでいけると考えていたのでしょうかね(実際にそうなりましたが…)。


 状況を打開したいミランはクトローネを投入して4-4-2にシステムを変更。

 これにより攻勢を強めたミランでしたが、キエッリーニ・ベナティアのCBコンビの粘り強い守備により決定機までには至らず。また、攻勢に出たことで2ライン間に大きなスペースが生まれてしまい、そこをロナウドに使われピンチを迎えるといった場面もちらほら。

 まぁどうしても点を奪わなければならないのでこれはしょうがないですね。


決定的な2点目と退場劇

 ミランが決定機を迎えられないまま試合が進むと、81分、ユヴェントスのロナウドが追加点を奪って試合を決定づけました。



 その数分後には怒りが頂点に達したイグアインが退場。




 結局、後半はほとんどチャンスを作れずに試合終了。


まとめ

 負けはしたものの、思った以上にやれた(ボコボコにされなかった)という印象です。
 ただ後半は明らかにユーヴェもペースを落としていましたし、明確な実力差は感じましたけどね。

 ようやくこの長い過密日程も一端終わり、代表ウィークに入ります。
まずは休むことのできる選手にはしっかり休んでもらいたいですね。

 しかしそれと同時に戦術面の向上をとにかくお願いしたいです。
 個人技主体のサッカーでは限界があると思うので。


 次節の相手はラツィオです。
 CL権を争うライバルクラブですし、CLのためにもこの試合は絶対に負けてはいけません。

 アウェーですし最低でも引き分け、できれば勝利を掴み取って欲しいですね。


Forza Milan!



最後まで読んでいただきありがとうございました。


[ 2018/11/13 18:57 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【EL第4節】 ベティス対ミラン 【マッチレポート】



スタメン

ベティス ミラン1


前半


ベティスのボール支配

前半は一方的なベティスのペースでしたね。
 「スタメン図」にある通り、ベティスの攻撃時のシステムは3-4-2-1。一方のミランの守備は5-3-2のミドルブロックが基本でした。

 つまり、ミランの2トップに対してベティスのCBは3人と数的優位を保っており、またミランのプレスが緩かったこともあって悠々とボールを回せていましたね。

 ポゼッションを確立した後は、ハーフウェイライン付近で3CB+両ボランチでボールを回してミランのプレスを誘発し、それにより空いたスペースへと縦パスを入れていくという形によってボールを前進させていたと思います。

ベティス ミラン2


図示するとこのような感じです。具体的に挙げたこのシーンこそ得点チャンスにはつながりませんでしたが、ベティスはこういった状況を何度も作り出していたかと思います。


ベティス ミラン3


中でも個人的に効果的だと思った前進の仕方は、右サイドに張ったカナレスにボールを預け、ミランの守備陣を左に寄せたところで左(逆)サイドに展開するという形です。
 ベティスが作った決定機はほとんどが左サイドからのものでしたし、ボリーニの守備力の低さやミランのスライド守備の甘さを突いた良い戦術だったかと。


以上のような形でベティスは完全にボールを支配していました。
 
そして13分にロ・チェルソが先制点を奪った後も、少なくとも2度は得点してもおかしくないチャンスを迎えていましたね。


ベティスの守備とミランの拙攻

 ベティスの守備組織は3-5-2が基本でしたが、中盤の3人が逆三角形型ではなく三角形型になるようポジショニングしていたシーンが多かったかなと思います。

 その狙いは相手のアンカーポジションであるバカヨコにタイトなマークをつけることにあったのでしょう。
 この守備が功を奏したのか、ミランは中央からほとんど縦パスを入れられず、そのためサイドに張るボリーニ、ラクサールの両WBにボールを預けるものの、そこから展開できずにボールを失うという場面が目立っていた印象です。

 前半でミランがチャンスを作れたのは、ベティスのCBのパスミスを拾ってカウンターに繋げたとき位のものでしたね…。



後半

システム変更の恩恵

 後半からミランはシステムを3-4-3(チャルハノールとスソの両WG)気味に変更したことで、前半とは違いサイドに張ったスソが起点となることでチャンスを作り始めます。

 一方、2ボランチとなったことや、その一角であるケシエが積極的に前線からプレスをかけに行ったことで中盤のスペースはかなり空いていました。しかし、これも前半とは違いチーム全体がアグレッシブにプレスをかけたことで相手に自由にプレーさせていませんでしたね。

 そして63分にスソが直接FKからゴールを決めましたが、そのFKも左サイドからチャルハノールのロングボールを受けたスソがドリブルを仕掛けた流れから生まれたものでした。




怪我人続出

 同点弾以降もミランが優勢に試合を進めたものの決定機には至らず。
すると80分以降に怪我人が続出。ムサッキオに代えてロマニョーリ、チャルハノールに代えてベルトラッチが入りました。

 終盤はアバーテのミス等もありベティスに惜しいチャンスを作られましたが得点には至らず。試合は1-1で終了しました。


まとめ


 前半の酷い内容を考えると、後半に立ち直って同点弾を奪い、引き分けで終わったというのは評価すべきでしょう。過密日程ですしね。

 3バックについてですが、あまり機能していないのでやめた方が良いのではないかというのが率直な感想です。
 個人的に3バックのメリットとして、CBがDFラインから積極的に飛び出せるというのがあると思うのですが、ミランはラインの維持を重視しているのか、あまりそういった場面が多くありません。

 そのため相手に中盤のスペースを良いように使われ、押し込まれるといった展開がジェノア戦同様この試合でも見られました。

 また、3バックだとスソの置き所がイマイチ定まらないという問題もあります。この試合の後半のように3-4-3気味にして右ウィングに配置するのがベターかもしれませんが、これだと守備が(普段よりもさらに)脆くなってしまうんですよね…。


 さて。次節のELはホームでのデュドランジュ戦です。
 間違いなく格下の相手ではありますが、前回の対戦では苦戦を強いられています。決して油断してはならないでしょう。

 この試合では確実に勝利を収め、最終節の大一番であるオリンピアコス戦に臨みたいですね。


Forza Milan!


最後まで読んでいただきありがとうございました。


[ 2018/11/09 23:32 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA第11節】 ウディネーゼ対ミラン 【マッチレポート】


スタメン

ウディネーゼ ミラン1


前半

ミランの攻撃とウディネーゼの守備

ミランの攻撃は丁寧なビルドアップで相手のプレスを交わし(この試合のウディネーゼのプレスはさほど脅威ではありませんでした)、サイド深くまでボールを運んでSHとSBの連携を中心に崩していくというもの
 また、時にはイグアインが下がって中央エリアでボールを引き出していました(負傷交代後はその役割をそのままカスティジェホが担当)。

 対するウディネーゼは5-3-2のミドルブロックを基本にしつつ、時には(ゴールキック時など)前からプレスを仕掛けに行くという守備戦術。
 ミランのサイド攻撃に対してはボールサイドのインサイドハーフとWBが基本的に対応し、場合によってはCBが飛び出していくことでミランに対し数的同数~優位を形成していましたかと思います。


ウディネーゼの攻撃とミランのライン間

 ウディネーゼの攻撃はサイドを起点にし、そこから中央の2トップにボールを入れていくというもの。シンプルではありますがこれが結構効いていました。

 ミランの守備は4-4-2のミドルブロックが基本でしたが、特に右サイドのスソとアバーテの位置がかなり脆く、その周辺からチャンスに繋げていたかと思います。プセットやデ・パウルのミドルシュートは強烈でしたね。

 そしてもう1つ強調しておきたいのが、DFラインと中盤の間がかなり空いていたということです。

ウディネーゼ ミラン2


 上図は前半の中盤にあったその典型的なシーンですが、いとも容易くライン間にパスを通してしまっており、この流れから惜しいチャンスを作られてしまっています。

 思うに、誰がボールホルダーにチェックに行くのか、そして、ある場合においてラインの高さは維持するのか下げるのか、ボランチはスペースを埋めるのか相手に付くのかといった約束事がまだチーム全体に浸透できていないのかなと。

 個人的にはDFラインを下げるタイミングをもう少し遅らせてもいい気がしますね。



試合展開

 試合展開に目を向けますと、後半もそうでしたが一進一退の攻防だったということが出来るかと思います。

 ミランはスソやクトローネが何度かいい形でシュートを打ちましたが決めきれず。
対するウディネーゼもミドルシュートやダイレクトシュートを中心にゴールを襲いましたが無得点に終わりました。


後半


カスティジェホの躍動とウディネーゼのミス

 試合の流れは上述の通り一進一退といった感じでしたが、個の選手に目を向けますと途中から入ったカスティジェホが躍動してくれました。

 ビルドアップの際には相手のライン間でボールを引き出してチームを前進させ、フィニッシュの局面では惜しいミドルシュートやラストパスを供給。守備にも献身的に走るなど精力的な動きでチームを勢い付けていましたね。

 また、押し込まれ気味のウディネーゼはビルドアップの場面でパスミスを連発し、ミランはカウンターからもチャンスを作っていきました。


最高のカピターノ

 スソがカスティジェホのパスから完璧な決定機を迎えるも決めきれず、気づけば試合はスコアレスでアディショナルタイムに突入。ウディネーゼはCBを投入するなどして引き分け上等という感じでした。

 しかし97分、相手のボールを奪ったミランが決死のカウンター。最後はカピターノであるロマニョーリが左足を振りぬきネットを揺らしました。



 当初はオフサイドということであわやノーゴールとなりかけましたが、VAR様により判定が覆りゴールが認められました。



どう見てもオンサイドですね。なぜこれでオフサイド判定したのか…。


とにもかくにも試合はこれで終了。劇的な幕切れでしたね。


まとめ

 前節に引き続き、劇的な決勝ゴールでミランが勝利しました。
 そして何よりクリーンシートで終えられたというのが嬉しいですね。

 内容に関してはまだまだですが、過密日程や怪我人の多さを考えれば勝利だけで御の字でしょう。

 また、バカヨコやカスティジェホといった控え選手が良いプレーを見せたというのは朗報ですね。
 特にバカヨコはビリアの離脱により、今後はスタメンで出る機会が間違いなく増えますから、この調子を維持してほしいですね。

 さて、ELのベティス戦を挟み、いよいよ次節はユヴェントス戦です。
 引き分けすら極めて難しいとは思いますが、逆に考えるとこの試合に引き分けあわよくば勝利なんてことになればチームは間違いなく勢いに乗るでしょう。期待したいですね。


Forza Milan!
 
最後まで読んでいただきありがとうございました。



[ 2018/11/07 02:02 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA第1節】 ミラン対ジェノア 【マッチレポート】


スタメン

今節のミランのフォーメーションはかなり複雑というか、時間帯によって結構変わっていてどれが基本システムかイマイチ自信がないので参考程度に参照ください。

ミラン ジェノア1

 

前半


攻撃時における、ミランの流動的なシステム変更

 この試合のミランの攻撃時は、スソとケシエのプレーポジションに応じてシステムが流動的に変わっていた印象です。

 例えば、試合序盤ついて。ケシエは常にワイドに張ってピッチの幅を取る役割を担い、スソは中央に絞っていました。
また、2ボランチのバカヨコとチャルハノールの関係性についてですが、バカヨコが下がってボールを引き出し、逆にチャルハノールはポジションを上げてボールが来るのを待っていたシーンが目立ちました。

 すなわち(序盤の)攻撃時のフォーメーションは3-1-4-2のような形だったかと思います。

ミラン ジェノア2

 序盤のジェノアは普段とは違うミランの試合への入りに戸惑ったのか、激しいハイプレスもあまりありませんでした。


 しかし試合が進むにつれ、ケシエが中に入ってスソがワイドに開く形も増え始めました。
おそらくその原因は、バカヨコにちゃんとマークが付いたこともありパスを効果的に回せなくなったことでしょう。ケシエがバカヨコの横にポジショニングするケースが多々ありましたね。


ミランの守備とジェノアの拙攻

 ミランの守備の際のフォーメーションは5-3-2、もしくはスソが戻りきらず(戻りきれず?)に3トップを維持する5-2-3のような形でした。

 対するジェノアの攻撃ですが、ビルドアップについては後方で数的優位ができていることもあり問題なく行えるものの、引いて守ってきたミランDF陣を崩し切ることは途中までほとんどできませんでした。

 観ていて何となく感じたのが、ジェノアはあまり中盤を使わず前線へロングボールを蹴ることが多いかなというものでした。
ミランは基本的に3人(時には2人)で中盤を守っていたので結構スペースがありましたが、そこを有効活用しようとする意識がなかったかなと。


試合展開~絶好調スソとジェノアの反撃~

 試合展開に目を移しますと、早くも4分にスコアが動きました。
今季ここまで絶好調のスソがミドルシュートを突き刺し、ミランが先制します。



ミラン ジェノア3

 このシーンでは、上述の通りケシエがワイドに開き、スソが中に入ってボールを受けています。
またこのシーンでは前線の選手たちがエリア前に張ることでDFラインを釘付けにし、相手はやむなくスソが侵入するバイタルエリアを開けてしまったという見方もできるかと思います。


 試合展開に戻りますが、その後のミランは停滞。対するジェノアも上述の通りチャンスを作れず試合は膠着状態に。
前半も終盤になりようやくチャンスを作り始めるジェノア。ミランは中央に人数をかけた守りをしていたこともあり、ジェノアはサイドに人数をかけて突破し、そこからクロスを上げてチャンスを作っていた印象です。

 最大の決定機は40分のピョンテクへのクロス。これは惜しくも合いませんでした。


 というわけで前半はミランの1点リードで終えました。


後半


恒例の失点

 後半開始から10分後。バカヨコが自陣エリア内で無理に繋ごうとしたものの相手にボールが渡ってしまい、その相手の折り返しのクロスをロマニョーリが防ごうとした結果オウンゴールとなってしまいました。



 これでミランはリーグ戦16試合連続失点。ある意味凄いです…。

 その後はミランがポゼッションするも攻めあぐね、バイタルエリア付近でのミドルシュートに頼る一方、ジェノアがカウンターからクアメへのロングボールを起点にチャンスを作っていく展開に。


4-4-2への変更、そして…

 痺れをきらしたミランは63分、ラクサールに代えてアバーテを投入し、システムを4-4-2に変更します、

 これによりやや安定感を取り戻したミランが優勢でジェノアを押し込んでいく展開でしたが、GKラドゥのファインセーブもあり得点が奪えません。

 しかしアディショナルタイムにドラマが待っていました。ラドゥが前に飛び出してパンチングで弾いたボールに対し、ロマニョーリがダイレクトシュート。ボールはキーパーの頭上を越えてネットに吸い込まれました。



試合はここで終了。苦戦はしたものの、ミランがホームで勝ち点3をもぎ取りました。


まとめ

 内容的には満足できませんが、最後の最後で勝利という結果を手にできたという点はやはり嬉しいです。
これで4位浮上ですからね。このままの順位で終えられたら最高ですが、そのためにやるべきことは山積みです。

 次に3バックについてですが、できればやめて欲しいかなーというのが本音です。
本来このシステムで輝けるはずのカルダーラ、コンティもいませんし、4-4-2といったシンプルなシステムを突き詰めていった方が良いのではないかと個人的には思います。

 さて、次節は日本時間でいうと月曜の早朝、相手はウディネーゼです。
彼らは現在不調ではありますが、ミランにとっては過密日程ですし、何より今日のような試合内容では足元を掬われる可能性も充分考えられます。

 内容も改善した上で勝利してほしいと思います。

Forza Milan!


最後まで読んでいただきありがとうございました。


[ 2018/11/01 19:53 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)

【セリエA第10節】 ミラン対サンプドリア 【マッチレポート】





スタメン

ミラン サンプドリア1


前半


両チームのシステムと、ミラン優勢の理由

この試合のミランのシステムは、上述の通り4-4-2といういつも(4-3-3)とは違うものでした。
しかし攻撃の際のプレー原則はいつもと変わらず、後方からしっかりと繋いでいくというもの。

しかし普段であれば相手のプレスに苦しめられるミランですが、この試合(の特に序盤)では比較的すんなり回せていました。
思うに、その主な理由はミランとサンプドリアのシステムの噛み合わせにあるのではないかと。

ミラン サンプドリア2


ミランは後方中央にCBとボランチを合わせて4人が位置。
一方、サンプドリアは守備時にも4-3-1-2の陣形を崩すことはないため、前線の第1プレスには2トップとトップ下が担当していました(ちなみに両インサイドハーフはミランのSBを担当)。

つまり、システム上、中央は常に4対3の数的優位が生まれているわけですね。

また、今日のSBには対面の相手を交わそうとする意識が強く、特に左SBのリカロドは好調からかほとんどボールを奪われることはありませんでした。ビリアのサポートも効いていたと思います。

さらに言うと、そもそもサンプドリアはあまり前線からプレスをかけるチームというよりは、縦にも横にもコンパクトなゾーンディフェンスを主な守備戦術として採用しているというのも理由としてはあるでしょう。この試合でも、リトリート時には見事なゾーンディフェンスを披露していました。


幸先の良い先制点と大ベテランの妙技

さて、試合展開に目を向けますと17分、スソの最高のクロスからクトローネが得意のヘッドで決めて優勢だったミランが先制します。



スソとクトローネは昨年から好連係を見せていますし、相性がよさそうですね。


しかしその数分後の21分、後方からのロングボールを完璧にトラップしたクアリャレッラがカウンターを開始。エリア内でサポナーラに渡ると、そのサポナーラがカラブリアとの駆け引きを制してゴール右隅にシュートを突き刺しました。

その十分後の31分、今度はサポナーラが右サイドからエリア内へクロス。そのボールをクアリャレッラがボレーで決めてあっさりとサンプドリアが逆転に成功します。

元ミランのサポナーラも素晴らしいプレーでしたが、個人的にクアリャレッラの落ち着き払ったプレーぶりにはただただ驚嘆するばかりです。

一瞬で仕事をしますからね。これぞセリエAのストライカーです。


スソとクトローネとイグアイン

サンプドリア2点目の前後から、彼らは前から厳しくプレスをかけるようになったため、ミランはそれまでのようなボール回しが出来にくくなっていたかと思います。

そんな中36分、スソのロングボールを起点に、クトローネとイグアインがワンツーで中央エリアを崩して最後はイグアインが同点弾を決めてくれました。



前日のプレビュー記事で「2トップの関係性」、「スソのパフォーマンス」を注目ポイントに挙げていましたが、結論を簡潔に言います。

どちらも最高でしたね。



そして試合は2-2で前半を終えました。


後半


2人のMOM

後半も前半とおおむね同じ展開に。

この試合のミランの主な崩しの形として、サイドチェンジの多用というものがありました。
これは前半からでしたが、ミランはサンプドリアのコンパクトな陣形に対し、逆サイドで空いている選手に頻繁にロングボールを送り込むことでプレスを回避しチャンスに繋げていましたね。

そしてこの攻撃戦術は3点目に繋がりました。

ミラン サンプドリア3


62分、リカロドからのロングフィードを受けたスソが、対面のDFとの駆け引きで圧倒。そのまま得意の形で得意のコースにシュートを突き刺しミランが逆転します。



この試合のリカロドは間違いなくリーグ最高のSBだったと思います。
安定したパス出し、粘り強い守備、そしてこのシーンの美しいロングフィード。

何よりこの試合に勝つという気迫を感じましたし、本当に本当に素晴らしかったです。

ちなみに「2人のMOM」とはスソとリカロドのことです。やや矛盾した表現ですが、どちらも本当に甲乙つけがたい出色のプレーだったのでご容赦ください(笑)



その後はサンプドリアが前に出てきて同点弾を狙いますが、中をしっかり固めたミランを相手に決定機はほぼ皆無だったかと思います。
一方ミランはスソを中心にカウンターから惜しいチャンスを作りだしていました。


試合はそのまま終了。ミランが3-2でサンプドリアを破りました。



まとめ


インテル戦は緊張からか、ベティス戦はダービー敗戦のショックからかほとんど良いプレーを見せられずに敗北。

そういった2試合を経てのこの試合でしたが、選手たちからは気迫を感じました。ようやくガットゥーゾのミランが戻ってきたという感じです。

次に新システムの4-4-2についてですが、今後はこのシステムを基本軸に据えても良いのではないかと個人的には思います。
この試合ではチームの攻撃の中心であるイグアイン、スソが躍動。そこにミランの宝であるクトローネが絡んで更に攻撃力を高めました。

今季、ここまで4失点だったサンプドリア相手に3点を奪ったわけですからね。とにかくこの3人は素晴らしかったと思います。

守備についてはまたしても失点してしまいましたが、これまでの4-1-4-1と4-4-2(もしくは4-3-1-2)を状況に応じて使い分けるシステムに比べ、そのまま4-4-2で守備する今の方がシンプルですし守りやすいのではないかなと思います。
このシステムを成熟させていければ、念願のクリーンシート達成もいけるのではないでしょうか。


さて、この試合の勝利によりミランはなんと5位に浮上。他チームの試合との兼ね合いもありますが、未消化分のジェノア戦に勝利すれば4位浮上もあり得ます。

ジェノアもまた難敵ですし、決して油断はできません。しかし勢いそのままに勝利してほしいと思います。

Forza Milan!



最後まで読んでいただきありがとうございました。

[ 2018/10/29 19:05 ] 試合 解説 | TB(-) | CM(0)